週末に掛けてイギリスではツール・ド・ヨークシャーが初開催され、初日のリードを保ったラーシュペッテル・ノルダーグが優勝。スペインで開催されたブエルタ・アストリアスではイゴール・アントンが勝利している。



ツール・ド・ヨークシャー2015

ツール・ド・ヨークシャーコースマップツール・ド・ヨークシャーコースマップ photo:letour.yorkshire.comチームウィギンズとして初レースを迎えたブラドレー・ウィギンズ(イギリス)チームウィギンズとして初レースを迎えたブラドレー・ウィギンズ(イギリス) photo:letour.yorkshire.com第1ステージ ラーシュペッテル・ノルダーグ(ノルウェー、チームスカイ)が5名のスプリントを制してリーダーに第1ステージ ラーシュペッテル・ノルダーグ(ノルウェー、チームスカイ)が5名のスプリントを制してリーダーに photo:letour.yorkshire.com今年記念すべき初開催を迎えたツール・ド・ヨークシャーは、熱狂と共に成功した2014年ツール・ド・フランスのグランデパールの地、イングランド北部のヨークシャーを舞台にした3日間のステージレース。主催をA.S.O.が務め、初開催ながらレースの格付けはUCI1クラスとなり、チームスカイやBMCレーシングなどが参加した。またブラドレー・ウィギンズ(イギリス)が「チームウィギンズ」としての初レースを迎えたことでも注目を集めた。

初日はクラシックレースのような絶えずアップダウンが続く167kmのコースが用意され、終盤にはラーシュペッテル・ノルダーグ(ノルウェー、チームスカイ)やトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)、サミュエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)ら強力な5名が逃げる展開に。5名はアタックと吸収を繰り返しながら逃げ切り、最後はノルダーグが大会初のステージ優勝に輝いた。

次いで第2ステージは100名程の集団スプリントに持ち込まれ、モレノ・ホフランド(オランダ、ロットNLユンボ)がマッテオ・ペルッキ(イタリア、IAMサイクリング)らを下して今シーズン初勝利。最終第3ステージでは終盤に一人飛び出したベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング)が9秒差で逃げ切ったものの、初日に1分のリードを稼ぎだしていたノルダーグの総合首位は揺るがず、大会初の総合優勝に輝いた。

「比較的苦労せずに総合優勝できたが、それも全て働いてくれたチームメイトのおかげ。スタートからゴールまで集中できていたし、コースサイドにはずっとたくさんの観客が詰めかけていてそれは素晴らしい気分だったよ」と3日間のレースを振り返った。

また第1ステージでは多数の選手が落車し、チームスカイのベン・スウィフト(イギリス)が手術を要する負傷を負う事態に。またウィギンズは総合59位でレースを終えている。

第2ステージ モレノ・ホフランド(オランダ、ロットNLユンボ)がスプリントで勝利第2ステージ モレノ・ホフランド(オランダ、ロットNLユンボ)がスプリントで勝利 photo:letour.yorkshire.com第3ステージ ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング)が9秒差で逃げ切った第3ステージ ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング)が9秒差で逃げ切った photo:letour.yorkshire.com




5月1日 第1ステージ ブリドリントン〜スカボロー 174km
1位 ラーシュペッテル・ノルダーグ(ノルウェー、チームスカイ)           4h22'38"
2位 トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)
3位 ステファン・ロゼット(フランス、コフィディス)

5月2日 第2ステージ セルビィ〜ヨーク 174km
1位 モレノ・ホフランド(オランダ、ロットNLユンボ)                3h57'58"
2位 マッテオ・ペルッキ(イタリア、IAMサイクリング)
3位 ラモン・シンケルダム(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
 
5月3日 第3ステージ ウェークフィールド〜リーズ 167km
1位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング)                 4h27'22"
2位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)            +09"
3位 ジュリアン・シモン(フランス、コフィディス)
 
個人総合成績
1位 ラーシュペッテル・ノルダーグ(ノルウェー、チームスカイ)
2位 サミュエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)
3位 トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)
4位 ステファン・ロゼット(フランス、コフィディス)
5位 フィリップ・ダイグナン(アイルランド、チームスカイ)
12h47'56"
+11"

+13"
+24"




ブエルタ・アストリアス2015

第1ステージ イゴール・アントン(スペイン、モビスター)が独走勝利第1ステージ イゴール・アントン(スペイン、モビスター)が独走勝利 photo:www.lavueltaasturias.com第2ステージ ヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)が4対1のスプリントを制す第2ステージ ヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)が4対1のスプリントを制す photo:www.lavueltaasturias.comツール・ド・ヨークシャーと時を同じくしてスペインで開催されていたのは「ブエルタ・アストリアス(UCI2.1)」。その名の通りスペイン北部一帯、ビスケー湾に面しカンタブリア山脈を含むアストリア地方を舞台にした2日間のミニステージレースで、今年で58回目を数える大会だ。

初日は序盤に形成された逃げを参加中唯一のワールドチームであるモビスターが追い上げる展開となり、終盤のアップダウンでイゴール・アントン(スペイン、モビスター)がアタック。単独で追いかけたアメッツ・チュルーカ(スペイン、カハルーラル)は14秒届かず、アントンがステージ優勝とリーダージャージを獲得した。

次ぐ第2ステージも登りと下りが連続するコースで争われ、終盤には総合首位のアントンが再びアタック。チュルーカが追走に入ったものの、この動きにはモビスター3名(ヨン・イサギーレ、ヘスス・ヘラーダ、ルーベン・フェルナンデス)が同調。最終的に1対4のゴール勝負に持ち込まれ、スプリント力に長けるヘラーダがステージ優勝。アントンは危なげなく5位でフィニッシュし総合優勝に輝いた。

アントンにとっては2011年以来およそ4年ぶりの勝利となり、モビスターはアレックス・ダウセット(イギリス)のアワーレコード更新とあわせて最良の週末となった。

ブエルタ・アストリアス2015総合表彰台ブエルタ・アストリアス2015総合表彰台 photo:www.lavueltaasturias.com


5月2日 第1ステージ オビエド〜ポーラ・デ・レーニャ 143.6km
1位 イゴール・アントン(スペイン、モビスター)
2位 アメッツ・チュルーカ(スペイン、カハルーラル)
3位 ヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)
4h18'15"
+14"
+29"


5月3日 第2ステージ ソト・デ・リベラ〜オヴィエド 176km
1位 ヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)                   4h33'51"
2位 アメッツ・チュルーカ(スペイン、カハルーラル)
3位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)

個人総合成績
1位 イゴール・アントン(スペイン、モビスター)
2位 アメッツ・チュルーカ(スペイン、カハルーラル)
3位 ヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)
4位 マルコス・ガルシア(スペイン、ロウレターノ)
5位 ガリコイツ・ブラーヴォ(スペイン、ムリアス・タルデア)
8h51'56"


+1'11"
+1'15"


text:So.Isobe

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