ナイロ・キンタナも動いた終盤のアタック合戦から、勝負は70名による集団スプリントへ。ジュリアン・アラフィリップの番手から急加速したミハエル・アルバジーニがステージ2連勝を達成した。



クリストフ・ファンデワール(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)とジ・チェン(中国、ジャイアント・アルペシン)、そしてブライアン・ブルギャック(オランダ、ロットNLユンボ)が逃げるクリストフ・ファンデワール(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)とジ・チェン(中国、ジャイアント・アルペシン)、そしてブライアン・ブルギャック(オランダ、ロットNLユンボ)が逃げる photo:http:www.tourderomandie.ch


ハイペースで通過するプロトンハイペースで通過するプロトン photo:http:www.tourderomandie.ch6日間のツール・ド・ロマンディは大会3日目、173.2kmを走る最長ステージを迎えた。モティエからポラントリュイまで8の字を描くコースは全体に山がちで、中盤から3級、2級、2級、3級とカテゴリー山岳が続くもの。ただし最後の3級山岳頂上からゴールまでは25kmを残しているため、昨日よりもコース的な難易度は高くない。

チームメイトに守られて走るミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)チームメイトに守られて走るミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) photo:http:www.tourderomandie.ch序盤に逃げた3名の中で、登りの強さが際立ったクリストフ・ファンデワール(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)序盤に逃げた3名の中で、登りの強さが際立ったクリストフ・ファンデワール(ベルギー、トレックファクトリーレーシング) photo:http:www.tourderomandie.chこの日逃げを決めたのはクリストフ・ファンデワール(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)とジ・チェン(中国、ジャイアント・アルペシン)、そしてブライアン・ブルギャック(オランダ、ロットNLユンボ)。3人は最大で7分差を付け、チームスカイやオリカ・グリーンエッジが牽く集団を背に先を急いだ。

リーダージャージを着用したミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)が2連勝リーダージャージを着用したミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)が2連勝 photo:http:www.tourderomandie.chしかし中盤を過ぎて山岳をこなしていくうちに集団でもペースアップが図られる。その動きの中心となったのはナイロ・キンタナ(コロンビア)を擁するモビスターや、ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア)を抱えるアスタナ、そしてゴール勝負に懸けるランプレ・メリダだ。

今にも雨粒が落ちそうな空模様のもと、70名ほどまで減ったメイン集団と先頭3名の距離は見る間に詰まり、最後から2つめの2級山岳コル・ド・ランジェ(標高796m)で吸収。しばらくアタックが掛かるとも決まらない悶々とした状況が続いたが、ダーウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング)とビネル・アナコナゴメス(コロンビア、モビスター)、マキシム・メデレル(フランス、ユーロップカー)が10秒ほどの差を持って逃げた。

この逃げはすぐに吸収されたものの、引き伸ばされた集団の人数は減り、次いでラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、キャノンデール・ガーミン)やアンドレイ・ゼイツ(カザフスタン、アスタナ)、そしてキンタナまでが動く活発な展開となる。

しかしキンタナの動きを総合系チームが許すはずが無く、分断と吸収を繰り返す集団によって吸収。ゴールまでの距離が減っていたこともあり、70名の集団スプリントに向けての準備が整えられていった。

そして迎えたゴール前。ランプレ・メリダが強力にトレインを組んだものの、最終盤にジュリアン・アラフィリップ(フランス)を勝たせたいエティックス・クイックステップが主導権を握り返す。しかしその背後から絶妙なタイミングでリーダージャージのアルバジーニが加速。追いかけたアラフィリップを大きく引き離してステージ2連勝を飾った。

「今日は最強のリードアウトがあったからこそ勝つことができた。チーム一日を通して集団スプリントのために走ったんだ」と語るアルバジーニは、ここ2年間のロマンディで5勝目という最多記録を更新。また、総合上位陣はほぼ全員が集団内ゴールしたため、順位に大きな変動は無かった。

また、昨日激しくクラッシュしたスヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)はこの日出走せず。病院での検査の結果、手首付近に小さな骨折が見つかっている。



ツール・ド・ロマンディ2015第3ステージ結果
1位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)        4h14'56"         
2位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
3位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング)
4位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
5位 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
6位 ネイサン・ハース(オーストラリア、キャノンデール・ガーミン)
7位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)
8位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、キャノンデール・ガーミン)
9位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)
10位 セルゲイ・チェルネツキ(ロシア、カチューシャ)

個人総合成績
1位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) 
2位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)
3位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
4位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
5位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
6位 イルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)
7位 パヴェル・コチェトコフ(ロシア、カチューシャ)
8位 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、カチューシャ)
9位 エゴール・シリン(ロシア、カチューシャ)
10位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
8h57'38"
+20"


+24"
+25"






山岳賞
マキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ)

ヤングライダー賞
サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)

チーム総合成績
オリカ・グリーンエッジ

text:So.Isobe
photo:http:www.tourderomandie.ch