4月23日、UCI(国際自転車競技連盟)はプレスリリースを出し、ドーピング問題に揺れていたアスタナプロチームのUCIワールドツアーライセンスを取り消さないことを発表した。今後、アスタナは監視下に置かれながらもUCIワールドチームとしての活動を継続する。



ツール・ド・フランス連覇を狙うヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)ツール・ド・フランス連覇を狙うヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Tim de Waeleアレクサンドル・ヴィノクロフGM(アスタナ)アレクサンドル・ヴィノクロフGM(アスタナ) photo:Kei Tsujiライセンス取り消しを要請されていたUCIライセンス委員会が出した答えは、アスタナのUCIワールドチームとしての活動を認めるものだった。

4月23日にライセンス委員会はアスタナ、UCI、そしてISSUL(ローザンヌ大学スポーツサイエンス機関)の代表をそれぞれ招集してヒアリングを実施。そこでライセンス取り消しの手続きを中止することが決定した。

アスタナの2015年度のライセンスは条件付きで許可される。その条件とは、ISSULが提案するアンチドーピングの手順や内部調査を継続的に実施すること。チームは厳格な監視下に置かれ、定期的にISSULからライセンス委員会にレポートが提出される。仮にアスタナがISSULの提案に反した場合や、新たな疑惑が浮上した場合にはライセンス委員会は手続きを再開するとしている。

UCIワールドツアーライセンスが取り消された場合は格下チームとしての活動を余儀なくされ、ツール・ド・フランスをはじめとするUCIワールドツアーレースの出場権を失っていただけに、今回のライセンスキープの一報にヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)らは胸をなで下ろしているだろう。

今回の発表を受けて、アスタナはチーム公式サイトで「今後チームはISSULが提案する手順を全て尊重し、協力してアンチドーピングに取り組むとともに、UCIが求めている最低条件以上のものを提示する。これで再びレース活動にフォーカスすることが出来る」とコメントしている。

text:Kei Tsuji