ジロ・デル・トレンティーノ第3ステージは、序盤から活発に動いたAG2Rラモンディアールがドメニコ・ポッツォヴィーヴォをステージ優勝に導くことに成功。リッチー・ポートは総合優勝に向けて大きく駒を進めた。



風光明媚な山間を走るプロトン風光明媚な山間を走るプロトン (c)www.girodeltrentino.com


チームスカイがコントロールするメイン集団。そのリードは最終局面まで揺るがなかったチームスカイがコントロールするメイン集団。そのリードは最終局面まで揺るがなかった (c)www.girodeltrentino.comリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)が加速するリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)が加速する (c)www.girodeltrentino.com]4日間のジロ・デル・トレンティーノ(UCI2.HC)は既に佳境の第3ステージ。アラからフィエロッツォまでジグザグを描きながら北上する180kmオーバーのルートにはアップダウンが連続し、最後は1級山岳の下り直後から始まる2級山岳、フィエロッツォ・ヴァル・ディ・モチェーニ頂上に引かれたフィニッシュまで上り詰める。登坂距離8km、平均勾配7%のこの峠で、この日も激しい登り勝負が繰り広げられた。

独走でゴールに飛び込むドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)独走でゴールに飛び込むドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール) (c)www.girodeltrentino.comこの日レースの大部分で主役となったのは15名の大きな逃げグループ。 ユベール・デュポン(フランス)やヒューゴ・ホール(カナダ、共にAG2Rラモンディアール)、ナタナエル・ベルハネ(エリトリア、ユーロップカー)、グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、クルトエナジー)ら実力者もここに入った。

総合リーダーの座を守ったリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)総合リーダーの座を守ったリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ) (c)www.girodeltrentino.comするとレースが落ち着いたタイミングで、前日ステージ11位に終わっていた有力勢の一人ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)が不意にアタック。単独で2分前の逃げグループに合流してみせたが、総合首位のリッチー・ポート(オーストラリア)を抱えるチームスカイが当然のように追走に出る。

スカイの意思を読んだバルデは、逃げグループ内にチームメイトが2人いたことも重なったため、メイン集団に戻ることを選択。一旦レースは落ち着きを取り戻し、来る後半2つの山岳に向けて息を整えた。

1級山岳パッソ・レデブス(4.4km、平均勾配9%)で逃げグループはバラバラとなり、メイン集団からは山岳賞のロドルフォ・トーレス(コロンビア、コロンビア)が飛び出す。更にディエゴ・ローザ(イタリア、アスタナ)とバルデが合流し、強力なクライマートリオがレースの主導権を握ることとなる。

しかしチームスカイは淡々と間隔を詰め、ゴールまで3kmを残して3人をキャッチ。不安定になった集団からは「昨日は勝てずともチームとして良い動きができていたから、今日こそは勝ちに繋げたかった」と後に語るドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)の、狙い澄ました強烈なアタックが決まる。

緩斜面を勢い良く駆け上がるポッツォヴィーヴォには誰も追いつけず、そのまま恒例のジェスチャーでフィニッシュラインへ。「ウベールとホールが逃げに乗っていたのことも良かったし、最終盤のロメンのアタックは非常に有効だった。他選手の脚をかなり削り、自分は最後にアタックするだけで良かった。まさにチームワークの勝利だ」と語り、作戦がぴたりとはまった一日を締めくくった。

そしてミカル・ランダ(スペイン、アスタナ)を先頭に、追走グループは5秒差でフィニッシュ。ポートは追いついた走りで3位フィニッシュしリーダージャージをキープした。翌最終ステージは難易度が低いため、ポートは総合優勝に大きく近づいたと言って良いだろう。



ジロ・デル・トレンティーノ2015第3ステージ結果
1位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
2位 ミカル・ランダ(スペイン、アスタナ)
3位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
4位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
5位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
6位 ロドルフォ・トーレス(コロンビア、コロンビア)
7位 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)
8位 ディエゴ・ローザ(イタリア、アスタナ)
9位 ルイス・メンテス(南アフリカ、MTNキュベカ)
10位 レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、チームスカイ)
4h54'12"
+05"



+13"
+15"

+17"



個人総合成績
1位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
2位 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)
3位 レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、チームスカイ)
4位 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)
5位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
6位 ホセ・メンデス(ポルトガル、ボーラ・アルゴン18)
7位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
8位 ルイス・メンテス(南アフリカ、MTNキュベカ)
9位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
10位 エドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
9h44'45"
+22"
+58"
+1'11"
+1'13"
+1'15"
+1'32"
+1'33"
+1'34"
+1'37"


山岳賞
ロドルフォ・トーレス(コロンビア、コロンビア)

ヤングライダー賞
ルイス・メンテス(南アフリカ、MTNキュベカ)

チーム総合成績
アスタナ

text:So.Isobe
photo:www.girodeltrentino.com

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