ジロ・デル・トレンティーノ2日目の頂上ゴールで、鉄壁のアシストを受けたリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)がステージ優勝。総合優勝候補筆頭がリーダージャージを手に入れた。



雪を頂いた連峰を横目に走るジロ・デル・トレンティーノ2015第2ステージ雪を頂いた連峰を横目に走るジロ・デル・トレンティーノ2015第2ステージ photo:www.girodeltrentino.com


NIPPOヴィーニファンティーニが紹介を受けるNIPPOヴィーニファンティーニが紹介を受ける (c)nippovinifantini観光地としても有名な、イタリア北部のガルダ湖周辺で開催中のジロ・デル・トレンティーノ(UCI2.HC)。初日のチームTTを終え、翌2日目は早速険しい山間を駆け抜ける山岳ステージがやってきた。

リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)の後ろに有力候補がつけるリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)の後ろに有力候補がつける photo:www.girodeltrentino.comドロからブレントニコまで、ドロミーティ・ディ・ブレンタ山塊を一周するように設定されたコースは168.2km。終止アップダウンが続き、中盤からは平均勾配3%の2級山岳、平均勾配8.6%の超級山岳パッソ・サンタバーバラが控え、最後の8kmはゴールへと至る2級山岳パルコ・デル・バルドの登りが続く。

独走に持ち込んだリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)独走に持ち込んだリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ) photo:www.girodeltrentino.comこの日は逃げグループに対し、チームTTでスカイを抑え優勝したボーラ・アルゴン18が集団のペースコントロールを担う展開でレースが進行する。暫く平穏なペースが続いたが、予想された通り超級サンタバーバラでレースが動いた。

2位以下に16秒差をつけてパルコ・デル・バルドを制したリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)2位以下に16秒差をつけてパルコ・デル・バルドを制したリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ) photo:www.girodeltrentino.com優勝候補筆頭のリッチー・ポート(オーストラリア)を擁するチームスカイがイアン・ボスウェル(アメリカ)を使ってペースアップを開始し、次いでカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ)の牽引によって集団は頂上通過時点で19名にまで絞り込まれる。

ステージ3位に入ったダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)ステージ3位に入ったダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) (c)nippovinifantiniパルコ・デル・バルドに突入してもシウトソウが牽き続けるチームスカイの優位は揺るぎなく、残り3kmを切ると牽引役はダビ・ロペスガルシア(スペイン)に。ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニ・CSF)がアタックを仕掛けるが、この動きに合わせるようにポートが発進した。

バイクを左右に振りながら先頭を突き進むポートを、昨年ステージ優勝を挙げているミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)が追ったものの、10数秒の差が縮まらない。ブラケットを握って最後の平坦を駆け抜けたポートが勢い良くガッツポーズ。優勝候補のポートがステージ優勝と共にリーダージャージを手に入れた。

「こんな勝ち方ができて嬉しい。景色も素晴しいステージだったが観光しに来たわけじゃない」とはポート。「絶好調ではないものの、今日の勝利は大きな自信を与えてくれると思う。一日を通してチームの働きが素晴しかったし、僕は最後の仕上げをしたに過ぎないよ。ジロ前のパフォーマンスとして非常に満足している」と語った。

また、ランダに続く3位グループの頭はダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)。「勝ちたいレースだった。しかし、今日の結果はこれまで自分たちが行ってきたことが正しかったことを証明してくれたと思う。この調子で集中して頑張りたい。今日の結果が嬉しいかって? 明日、そして明後日のステージでさらにいい結果を出すための高いモチベーションにつながった。勝ったときに初めて“嬉しい”と言えるだろう。明日は明日、また違うレースになると思う」とコメントしている。

日本人選手として唯一出場中の石橋学は、下り区間でクラッシュしたものの、すぐにレースに復帰し、無事にゴールしている。「山岳のきついコースだったけど、無事に走り切れて良かった。明日からのステージでは、クネゴはまずはステージ優勝を狙いながら、総合順位のジャンプアップもめざすことになると思うが、チームのエースを支えられるように、チームメートとともに明日も頑張りたいと思う」

コメントは公式サイト、プレスリリースより。



ジロ・デル・トレンティーノ2015第2ステージ結果
1位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
2位 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)
3位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
4位 レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、チームスカイ)
5位 ロドルフォ・トーレス(コロンビア、コロンビア)
6位 エドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
7位 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)
8位 ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
9位 ルイス・メンテス(南アフリカ、MTNキュベカ)
10位 ホセ・メンデス(ポルトガル、ボーラ・アルゴン18)
4h35'37"
+16"
+32"



+43"


+49"


個人総合成績
1位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
2位 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)
3位 レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、チームスカイ)
4位 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)
5位 ホセ・メンデス(ポルトガル、ボーラ・アルゴン18)
6位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
7位 ルイス・メンテス(南アフリカ、MTNキュベカ)
8位 エドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
9位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、チームスカイ)
10位 ステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
4h50'32"
+24"
+42"
+57"
+59"
+1'09"
+1'17"
+1'18"
+1'23"
+1'29"


山岳賞
ロドルフォ・トーレス(コロンビア、コロンビア)

ヤングライダー賞
ルイス・メンテス(南アフリカ、MTNキュベカ)

チーム総合成績
ボーラ・アルゴン18

text:So.Isobe
photo:www.girodeltrentino.com,NIPPOvinifantini