「北の地獄」の異名をとるクラシックレースの女王ことパリ~ルーベを走ったプロバイクを紹介する第2弾。今回はジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)のウィニングマシンをはじめ、AG2Rラモンディアール、モビスター、MTNキュベカ、コフィディスの5チームのバイクをピックアップします。



ジャイアント・アルペシン 【ジャイアント DEFY ADVANCED SL】

ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)のジャイアント DEFY ADVANCED SLジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)のジャイアント DEFY ADVANCED SL photo:Makoto.AYANO
トップチューブには生まれたばかりの愛息子の足裏がプリントされたステッカーが貼られているトップチューブには生まれたばかりの愛息子の足裏がプリントされたステッカーが貼られている photo:Makoto.AYANOトラディショナルなシャローベンドのハンドルを愛用トラディショナルなシャローベンドのハンドルを愛用 photo:Makoto.AYANO


ジャイアント・アルペシンからはミラノ~サンレモに続く今季2つめのモニュメント優勝を果たしたジョン・デゲンコルブ(ドイツ)が駆る「DEFY ADVANCED SL」をピックアップ。DEFYシリーズは今季フルモデルチェンジに伴いディスクブレーキ仕様になってしまったため、チームはキャリパーブレーキ仕様の旧型を使い続けている。

しかし、これまでも2011年には3位、2013年と2014年には2位とパリ~ルーベでも多くの好リザルトに貢献している1台で、今年の優勝によって、改めてその走破性の高さを示す格好となった。なお、トップチューブにはお守り代わりに生まれたばかりの愛息子の足裏がプリントされたステッカーが貼られている。

そしてフレーム以外にも悪路対策が施されている。大きな所ではプロトタイプのヴィットリア製30mm幅のタイヤだ。これに伴いブレーキにはカム機構を取入れ制動力を強化したシマノの新型ロングアーチブレーキキャリパーを採用。ホイール交換の作業時間を短縮するためか、本来チェーンステー取付けタイプのダイレクトマウントブレーキとあわせて使われるアジャスターが前後ブレーキのワイヤーにインサートされているのが特徴的だ。

その他、バーテープの2重巻き、片側のみのインラインブレーキレバー、ホールド力に優れるエリートCIUSSI GELボトルケージ、K-Edge製チェーンキャッチャー、大きなインナーチェーンリングなどが普段のバイクと異なる。

カム機構を取入れ制動力を強化したシマノの新型ロングアーチブレーキキャリパーカム機構を取入れ制動力を強化したシマノの新型ロングアーチブレーキキャリパー photo:Makoto.AYANOボトルケージは北のクラシックでは定番となっているエリートCIUSSI GELボトルケージは北のクラシックでは定番となっているエリートCIUSSI GEL photo:Makoto.AYANO

K-Edgeのチェーンキャッチャーを装備K-Edgeのチェーンキャッチャーを装備 photo:Makoto.AYANOWH-9000-C35-TUに30mm幅のヴィットリアタイヤを組み合わせるWH-9000-C35-TUに30mm幅のヴィットリアタイヤを組み合わせる photo:Makoto.AYANO


コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、パワーメーターはパイオニアのパワーモニター。ホイールはエアロ効果、反応性、快適性のバランスに優れる35mmハイトのシマノWH-9000-C35-TU。シマノからサポートを受けることからハンドル、ステム、サドルはPRO。デゲンコルブはトラディショナルなシャローベンドを愛用しており、ドロップ部の直線を地面と平行とした教科書通りのセッティングとしている。



AG2Rラモンディアール 【フォーカス CAYO、IZALCO MAX、MARES CX】

アレクシ・グジャール(フランス、AG2Rラモンディアール)のフォーカス CAYOアレクシ・グジャール(フランス、AG2Rラモンディアール)のフォーカス CAYO photo:Makoto.AYANO
トップチューブとステムに取り付けられたパヴェの位置を示すメモトップチューブとステムに取り付けられたパヴェの位置を示すメモ photo:Makoto.AYANOジップ303にプロトタイプのシュワルベONEを組み合わせているジップ303にプロトタイプのシュワルベONEを組み合わせている photo:Makoto.AYANO


AG2Rラモンディアールのバイクサプライヤーを務めるのはジャーマンブランドのフォーカス。パリ~ルーベでは今季フルモデルチェンジを果たし走行性能を高めた新型エンデュランスモデル「CAYO」、軽量オールラウンドモデル「IZALCO MAX」とそのテクノロジーを踏襲するCXバイク「MARES CX」をライダーの好みに応じて使い分けた。

パーツアッセンブルはほぼ普段どおりで、タイヤ以外に目立った悪路対策は行っていないよう。コンポーネントはスラムRED22で、ワイドレシオのギアでなくともはロングケージタイプの「WiFLi」リアディレーラーを常用。ホイールはジップで、45mmハイトの303がメイン。タイヤはドットが敷き詰められたトレッドパターンと青いサイドウォールのジュワルべONEのプロトタイプで、幅は28mmとしている。

ヨハン・ファンスーメレン(ベルギー、AG2Rラモンディアール)のフォーカス IZALCO MAXヨハン・ファンスーメレン(ベルギー、AG2Rラモンディアール)のフォーカス IZALCO MAX photo:Makoto.AYANO
サドルを筆頭に、ハンドル、ステム、シートポスト、バーテープまで全てフィジークでまとめられている。ボトルケージはアルミ製の定番モデルCIUSSI GELと、同じくホールド力に定評がある樹脂製のCANNIBAL。ペダルはルックKeO Bladeのプロチームモデルだ。



モビスター 【キャニオン ULTIMATE CF SLX、AEROAD CF SLX】

ヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)のキャニオン ULTIMATE CF SLXヘスス・ヘラーダ(スペイン、モビスター)のキャニオン ULTIMATE CF SLX photo:Makoto.AYANO
昨シーズンよりキャニオンを駆るモビスター。パリ~ルーべではエアロモデル「AEROAD CF SLX」と、オールラウンドモデル「ULTIMATE CF SLX」を選手の好みに応じて使いわけた。なお、快適性を重視したエンデュランスモデル「Endurace CF」は投入されていない様だ。

悪路対策でトピックスなのがホイールで、カンパニョーロのロープロファイルモデル「HYPERON ULTRA」が装着されたバイクが多いこと。重量やエアロダイナミクスではBORA ULTRAシリーズに後塵を拝するものの、オーソドックスな造りやスポーク数の多さに起因する信頼性や快適性が北のクラシックで多様される理由なのだろう。組み合わせるタイヤはコンチネンタルのプロ供給専用モデル「COMPETITION PROLTD」の28mm。リザードスキンのバーテープは2重巻きとし、振動吸収性を高めている。

縦に付けらたゼッケンプレート縦に付けらたゼッケンプレート photo:Makoto.AYANO厚手に巻かれたリザードスキンのバーテープ厚手に巻かれたリザードスキンのバーテープ photo:Makoto.AYANO

ライダーによってオールラウンドモデルULTIMATE CF SLXとエアロロードAEROAD CF SLXを使い分けているライダーによってオールラウンドモデルULTIMATE CF SLXとエアロロードAEROAD CF SLXを使い分けている photo:Makoto.AYANOオーソドックスな造りやスポーク数の多さが特徴のカンパニョーロHYPERON ULTRAの使用率が高かったオーソドックスな造りやスポーク数の多さが特徴のカンパニョーロHYPERON ULTRAの使用率が高かった photo:Makoto.AYANO


コンポーネントはカンパニョーロSUPERRECORD EPSで、クランクはPower2maxのカンパニョーロ4アームタイプとしている。ハンドル、ステム、シートポストはキャニオンの純正で統一。その他サドルはチームカラーのフィジーク、ペダルはルック、ボトルケージ及びボトルはエリートとしている。



MTNキュベカ 【サーヴェロ R3 Mud】

アンドレアス・スタウフ(ドイツ、MTNキュベカ)のサーヴェロ R3 Mudアンドレアス・スタウフ(ドイツ、MTNキュベカ)のサーヴェロ R3 Mud photo:Makoto.AYANO
MTNキュベカは、タイヤクリアランスの拡大やジオメトリーの変更によってパヴェへ最適化したサーヴェロの北のクラシック専用モデルを使用。海外メディアでは「R5」グレードとされていたが、外見はガーミン・シャープが使用していたスクエア形状のダウンチューブなど「R3 Mud」と似通っている。

普段は電動タイプのコンポーネントを使用するものの、パリ~ルーベでは機械式のシマノDURA-ACEを採用。クランクとチェーンリングにはローター、チェーンには金色に輝くKMCを組み合わせている。ホイールはエンヴィで、リムハイトが前48mm/後56mmの「SMART SYSTEM 4.5」で統一した。タイヤには、杉目のサイドトレッドの面積が市販モデルよりも大きなヴィットリアのプロトタイプを組み合わせる。

トップチューブにはチームロゴが描かれているトップチューブにはチームロゴが描かれている photo:Makoto.AYANOガーミン製サイクルコンピューターのマウントが一体となった3T INTEGRAステムを使用するライダーもガーミン製サイクルコンピューターのマウントが一体となった3T INTEGRAステムを使用するライダーも photo:Makoto.AYANO

ブレーキに接触しそうなほど太いヴィットリアのプロトタイプタイヤブレーキに接触しそうなほど太いヴィットリアのプロトタイプタイヤ photo:Makoto.AYANOホイールはリムハイトが前48mm/後56mmのエンヴィSMART SYSTEM 4.5で統一ホイールはリムハイトが前48mm/後56mmのエンヴィSMART SYSTEM 4.5で統一 photo:Makoto.AYANO


ハンドル、ステム、シートポストは新グラフィックの3Tで統一。その他、サドルはセライタリア、ペダルはスピードプレイ、ボトルケージは北のクラシックでは定番のエリートCIUSSI GELだ。



コフィディス 【オルベア ORCA OMR】

クレメン・ヴェンチュリーニ(フランス、コフィディス)のオルベア ORCA OMRクレメン・ヴェンチュリーニ(フランス、コフィディス)のオルベア ORCA OMR photo:Makoto.AYANO
コフィディスはパリ~ルーベでも普段と同じくオルベア「ORCA OMR」を使用。軽量クライミングモデルらしくパリっとした乗り味のためか、驚く程太い2重(3重?)巻きバーテープを中心に、スポンサー外のトラディショナルな造りのチューブラータイヤなどで衝撃吸収性を高めている様だ。

コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2がメイン。クランクはFSA K-Force Liteで、一見シングルチェーンリングに見えるが実際にはインナーが大きいだけ。ハンドルのフラット部分にはインラインブレーキレバーを装備。ホイールは40mmハイトのヴィジョンMetron40で統一している。

2重もしくは3重に巻かれたバーテープによって衝撃吸収性を高めている2重もしくは3重に巻かれたバーテープによって衝撃吸収性を高めている photo:Makoto.AYANOインラインブレーキレバーを装備したバイクもインラインブレーキレバーを装備したバイクも photo:Makoto.AYANO

ヴィジョンのホイールにKENDAのタイヤを組み合わせるヴィジョンのホイールにKENDAのタイヤを組み合わせる photo:Makoto.AYANOフランスの老舗サイクルアクセサリーブランドであるゼファールのボトルケージを使用するフランスの老舗サイクルアクセサリーブランドであるゼファールのボトルケージを使用する photo:Makoto.AYANO


ハンドル、ステム、シートポストはFSAで統一。その他、サドルはセライタリア、ペダルはルックKeO Bladeプロチームモデル、ボトルケージはフランスの老舗サイクルアクセサリーブランドであるゼファールだ。



photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
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