デパンヌ・コクサイデ3日間レース第2ステージは集団スプリントに持ち込まれ、破竹の快進撃を続けるアレクサンドル・クリストフが昨日に続いて連勝。カチューシャに今期10勝目をもたらした。



デパンヌ・コクサイデ3日間レース2015第2ステージ コースプロフィールデパンヌ・コクサイデ3日間レース2015第2ステージ コースプロフィール ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)が準備中ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)が準備中 photo:CorVosデパンヌ・コクサイデ3日間レース(UCI2.HC)第2ステージは、前日のゴール地点であるゾテヘムから、砂地獄のシクロクロスレースで名高いコクサイデへと至る今大会最長の217.2km。コース中盤にはモンテンベルク、ケンメルベルクなど5つの急坂が集中的に待ち受けるが、以降ゴールまでは平坦路というスプリンター向けのレイアウトだ。

アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)とアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)とアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) photo:CorVos短時間のスタートアタック合戦を経て形成されたのは、ヤッシャ・ズタリン(ドイツ、モビスター)やジミー・アングルヴァン(フランス、ユーロップカー)、マッティア・ポッゾ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)らを含む12名のグループ。時折横風が吹き付ける中、最大7分のリードを保持して逃げ続けた。

急坂集中地帯でも特に動きが発生すること無く、トレックファクトリーレーシングやカチューシャ、アスタナがコントロールする集団は、定石通りの展開で逃げとの間隔を縮めていく。最後まで粘ったズタリンはゴールまで20kmを残してキャッチされたが、この日の逃げ距離は200km弱にも及んだ。

この時点でゴールまで距離を残していたため再びアタックが生じ、アレッサンドロ・マラグーティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)を含む3名が飛び出した。しかしスプリントを狙うMTNキュベカやチームスカイの牽きによって捉えられ、交差点が連続するコクサイデのサーキットコースで激しい位置撮り合戦が繰り広げられていく。

各チームが互いに列車を並べ合う中、主導権を握ったのはチームスカイのブラドレー・ウィギンズ(イギリス)とベルンハルト・アイゼル(オーストリア)に連れられたエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)。しかし連続するコーナーを抜けるうちに連携が崩れ、もつれこむように集団スプリントが始まった。



アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)が圧巻のスプリントアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)が圧巻のスプリント photo:CorVos


ボーナスタイムを追加してリードを広げたアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)ボーナスタイムを追加してリードを広げたアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) photo:CorVos好位置で発進したサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)の背後から伸びたのはリーダージャージのクリストフ。「長いスプリントだったが先頭を守ったので良かった」と語る通りライバル寄せ付けずガッツポーズ。今シーズン7勝目であり、カチューシャとしては10勝目だ。

「あまり調子が上向きでなかったのに、チームメイトが最高の位置まで僕を運んでくれた。最後はかなりテクニカルで、ジャコポ(グアルニエーリ)の番手から離れてしまった。だからモードロの背後に入りスプリントを始めた」と言うクリストフ。前日に逃げグループのスプリントで勝ち、この日は集団スプリントで2連勝と飛ぶ鳥を落とす勢いのクリストフは「日曜日までジャージを守りたい」と総合優勝に向けて意欲を語った。

またこの日、NIPPOヴィーニファンティーニの山本元喜と黒枝士揮は17分遅れの集団でゴールし、それぞれ138位と153位。黒枝は「前回のベルギーではこのケンメルベルクで遅れてしまったが、今回は集団で通過できた。その後の登りと平坦で集団からは千切れてしまったが、、、少しは進歩。」と語っている。



デパンヌ・コクサイデ3日間レース2015第2ステージ
1位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
2位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)
3位 シェーン・アークボルド(ニュージーランド、ボーラ・アルゴン18)
4位 アントワン・ドゥモワティエ(ベルギー、ワロニー・ブリュッセル)
5位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
6位 クリスティアン・スバラグリ(イタリア、MTNキュベカ)
7位 レイモンド・クレダー(オランダ、ルームポット)
8位 マーク・レンショー(オーストラリア、エティックス・クイックステップ)
9位 マグナス・コルトニールセン(デンマーク、オリカ・グリーンエッジ)
10位 ラファエル・アンドリアート(ブラジル、サウスイースト)
138位 山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)
153位 黒枝士揮(NIPPOヴィーニファンティーニ)
5h33'32"









+17'57"



個人総合成績
1位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
2位 ステイン・デヴォルデル(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)
3位 ラルスイティング・バク(デンマーク、ロット・ソウダル)
4位 ショーン・デビー(ベルギー、ロット・ソウダル)
5位 スヴェンエリック・ビストロム(ノルウェー、カチューシャ)
6位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)
7位 ゲリー・ドライツ(ベルギー、ファストフードサービス)
8位 ステファン・キュング(スイス、BMCレーシング)
9位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
10位 クリスティアン・スバラグリ(イタリア、MTNキュベカ)
9h32'43"
+16"
+17"
+20"
+26"
+48"
+50"
+52"
+54"



ポイント賞
アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)

山岳賞
ヤール・サロメイン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)

チーム総合成績
ロット・ソウダル

text:So.Isobe
photo:CorVos