イタリア国境にほど近いスイス・ルガーノ近郊を舞台に、第69回GPルガーノが開催された。丘で人数を減らした集団の頭を獲ったのはランプレ・メリダのニッコーロ・ボニファツィオ。調子を上げる21歳のスプリンターが今季初勝利を飾った。



GPルガーノコースプロフィールGPルガーノコースプロフィール (c)Gran Premio Città di Luganoベルギーのセミクラシックと変わらない古い歴史をもつGPルガーノ(正式名称はGran Premio Città di Lugano)。イタリアとスイスの国境に佇むルガーノ湖周辺がその舞台であり、伝統的にイタリアチームや選手がモチベーション高く臨むUCIカテゴリー1.HCのレースだ。

集団内で走る黒枝士揮(右、NIPPOヴィーニファンティーニ)集団内で走る黒枝士揮(右、NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Tim de Waele186kmをのコースは大小の登りを1つずつ含む8の字状の周回コースを5周半するもので、ゴールラインは峠のダウンヒルをこなしたすぐ後。例年アタッカーと登りをこなせるスプリンターの争いが繰り広げられており、昨年はマウロ・フィネット(イタリア、当時ネーリソットリ)が13人のスプリントを制している。

レースはアントニオ・ニーバリ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)らが乗った17名のエスケープによって幕開ける。大人数を抱える逃げだったが、ティンコフ・サクソやランプレ・メリダ、ラスヴェロの集団コントロールによって、タイム差は4分から徐々に縮まっていく。

スタートからおよそ150kmを消化してエスケープを吸収すると、ゴール6km手前から始まるルヴィリアーナの登り(標高435m)で集団の勢いが加熱する。リーナス・ゲルデマン(ドイツ、クルトエナジー)やセバスティアン・ライヘンバッハ(スイス、IAMサイクリング)ら8名が先行し、下りでもイヴァン・バッソ(イタリア、ティンコフ・サクソ)らが抜け出しを図った。

しかし下りを終えるとレース前方は20名ほどの集団にまとまり、最後はダヴィデ・チモライ(イタリア)に守られたボニファツィオがガッツポーズ。昨年ツアー・オブ・ジャパン東京ステージで勝利した21歳が今季初勝利を挙げた。



スプリントを制したニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、ランプレ・メリダ)スプリントを制したニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、ランプレ・メリダ) photo:Tim de Waele


今季初勝利を飾ったニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、ランプレ・メリダ)今季初勝利を飾ったニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、ランプレ・メリダ) photo:Tim de Waele「シーズン序盤の勝利にとても満足している。ルガーノは目標としていたレースの一つだし、結果にもハッピーさ」とはボニファツィオ。開幕戦だったツアー・ダウンアンダーでは3回トップ10入りしており、総合ポイント賞ランキングでは2位。先に開催されたGPコスタ・エトゥルスキでは3位に入るなど好調をキープしている。「このオフシーズンはモチベーション高く練習を重ねてきたから、それが結果に繋がった。今は自分のレベルが確実に上がっていて、それが今日登りでも集団をキープできた理由だと思う」と加えた。

なおHCレースに挑んだNIPPOヴィーニファンティーニの石橋学、黒枝士揮、山本元喜はDNF。山本は自身のブログにて「去年には100(km)行かないところで千切れてDNFだったので、HCにレースのクラスが上がっていることも含めて考えると実力は付いているとは思いました」と綴っている。



GPルガーノ2015結果
1位 ニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、ランプレ・メリダ)
2位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、サウスウェスト)
3位 マッテオ・モンタグーティ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
4位 ラムス・ガルドハマー(デンマーク、クルトエナジー)
5位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、クルトエナジー)
6位 フランチェスコ・ペッリゾッティ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)
7位 ハブエル・メヒアス(スペイン、ノボノルディスク)
8位 マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、ティンコフ・サクソ)
9位 デーヴィッド・タナー(オーストラリア、IAMサイクリング)
10位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
DNF 石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)
DNF 黒枝士揮(NIPPOヴィーニファンティーニ)
DNF 山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)

text:So.Isobe
photo:Tim de Waele


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