3級山岳でおよそ半数に絞られた集団によるスプリント対決。アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)までアタックに加わる刺激的なフィナーレを制したのは、早めの仕掛けでライバルたちを驚かせたフアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)だった。



握手するクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)とアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)握手するクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)とアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waele


登りスプリントで先行したフアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)が伸びる登りスプリントで先行したフアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)が伸びる photo:Tim de Waele「ルタデルソル(太陽のレース)」ことブエルタ・ア・アンダルシア2日目はウトレラからルセナまでの191.7km。平坦ステージにカテゴライズされるが、残り10kmを切ってから登場する3級山岳がスプリンターをふるい落とす。しかも残り1kmから高低差30mほどを駆け上がる登りフィニッシュが設定されているため純粋なスプリンターステージとは言えない。

デゲンコルブを振り切ってフィニッシュしたフアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)デゲンコルブを振り切ってフィニッシュしたフアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター) photo:Tim de Waeleレース序盤からの逃げを吸収したメイン集団は、豊富なアシストを揃えたチームスカイに先導される形で最後の3級山岳を登坂する。ニコラ・エデ(フランス、コフィディス)らがアタックを繰り出したが決まらず、約半数に絞られた状態で集団は3級山岳をクリアした。

今シーズン2勝目を飾ったフアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)今シーズン2勝目を飾ったフアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター) photo:Tim de Waeleハイスピードダウンヒルでカルロス・キンテロ(コロンビア、コロンビア)らが飛び出したものの残り4km地点で吸収。モビスターが集団をコントロールしたがまとまらず、残り3km地点のピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)のアタックを切っ掛けに集団は再び不安定な状態に。

アタックと吸収を繰り返す集団からは、残り1.2km地点でリーダージャージのコンタドールがアタックするサプライズも。しかしいずれのアタックも決まらず、緩い登りでばらけつつある集団からフィニッシュラインまで300m以上を残してロバトが飛び立った。

慌ててジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)が反応したものの、登り基調のロングスプリントを仕掛けたロバトが伸びる。前日に落車でスプリントのチャンスを逃したロバトが、同様の登りスプリントで勝利したツアー・ダウンアンダー第2ステージと同じ電話もしもしポーズでフィニッシュした。

「登りで苦しんだもののチームメイトに助けられ、フィニッシュに向けてポジションを上げてくれた。ダウンアンダーと同じような早めの仕掛けだったけど、脚の反応も良く、勝利を祝う余裕もあった」と今シーズン2勝目を飾ったロバト。ドバイツアーの急勾配フィニッシュを制したデゲンコルブとの真っ向勝負で勝利した意味は大きい。

「3月から4月にかけてのクラシックシーズンに向けて少しずつ調子を上げたい。ミラノ〜サンレモやその先のクラシックレースに向けて自信を得たよ」とロバトは語る。ロバトは2014年のミラノ〜サンレモで4位。春の大一番に向け、優勝候補の一人として名乗りをあげた。

選手コメントはチーム公式サイトより。



ブエルタ・ア・アンダルシア第2ステージ
1位 フアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)               4h51’57”
2位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
3位 グレガ・ボーレ(スロベニア、CCCスプランディポルコウィチェ)
4位 アルテュール・ヴィショ(フランス、FDJ)
5位 エドゥアルド・プラデス(スペイン、カハルーラル)
6位 ダニエーレ・ラット(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
7位 ペイオ・ビルバオ(スペイン、カハルーラル)
8位 エドワード・テウンス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
9位 フーブ・デュイン(オランダ、ルームポット)
10位 オリヴィエ・ナーセン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)

個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)        8h03’40”
2位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)              +01"
3位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)                 +08”
4位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、IAMサイクリング)
5位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)                 +12"
6位 イヴァン・バッソ(イタリア、ティンコフ・サクソ)              +17"
7位 エドワード・テウンス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)       +18"
8位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)          +20"
9位 カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームスカイ)          +21”
10位 ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ)                  +28”

山岳賞
カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームスカイ)

ポイント賞
グレガ・ボーレ(スロベニア、CCCスプランディポルコウィチェ)

チーム総合成績
チームスカイ

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele

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