イタリアに居を構えるカーボンバイク専業ブランド、クォータ。同社を一躍トップブランドへと押し上げ、国内でも高い人気を博した「KHAN」の名が復活を果たした。高品質な1Kカーボンと、素材のポテンシャルを最大限に引き出すフレーム設計により、レーシング性能を突き詰めた新型フラッグシップを紹介しよう。



クォータ KHANクォータ KHAN (c)インターマックス
アルミを始めとした金属製バイクをハイエンドモデルに据えるブランドが多かった2000年代前半。当時創業したばかりのクォータにおいて、2003年から2005年までの3年間に渡ってフラッグシップを務めていたのが、今回復活を果たした「KHAN(カーン)」である。

新生KHANは先代と同様、素材のポテンシャルを最大限に発揮するための設計がなされている。その最たる特徴はピンヒールの様に細いブレード形状のフォークと、極めて薄く扁平したシートステーにある。加えて細身の27.2mm径のシートポストを積極的にしならせるために、シートクランプは臼式としている。

振動吸収性を重視したシートクランプ周り振動吸収性を重視したシートクランプ周り (c)インターマックスピンヒールの様に細いフロントフォークピンヒールの様に細いフロントフォーク (c)インターマックス


これにより横剛性を保ちながら、縦方向への柔軟性を確保することで、素材に高弾性な1Kカーボンを採用しながらも、軽量バイクにありがちな扱いづらさを低減。快適性とトラクション性能を高めたことによる走りの軽さと、フレーム単体785g/フォーク340gという質量的な軽さを組み合わせることに成功したという。

一方で、ヘッドチューブからBB、チェーンステーにかけてはオールラウンドモデル「KOM」を踏襲したボリューム感ある造り。ヘッドチューブは上端付近を円錐状とした独自の造形とされており、下側1-1/2インチの上下異径ベアリングとあわせて安定感高いハンドリングを実現した。

KOMの流れを汲むヘッドチューブ形状KOMの流れを汲むヘッドチューブ形状 BBへ向かって丸から四角へと断面形状を変化させたダウンチューブBBへ向かって丸から四角へと断面形状を変化させたダウンチューブ

剛性の向上に寄与するチェーンステー剛性の向上に寄与するチェーンステー ダウンチューブとシートチューブの間にはリブを設けることで軽量ながら高剛性を実現ダウンチューブとシートチューブの間にはリブを設けることで軽量ながら高剛性を実現


ボトムブラケットはシェル幅を最大限に拡幅できる「BB386」規格とし、リブを設けることで剛性を向上。そこから繋ながるチェーンステーは中央付近で断面形状が大きく変わるユニークな設計だ。BB側半分をねじれに強い長方形断面とした一方、エンド側半分を標準的な丸断面に。余分な疲労を招く過剛性を防止しつつ駆動効率を高め、レスポンスの良い走りに仕上げた。

販売パッケージはフレームセットのみ。サイズはXXS、XS、S、M、Lの5種類がラインナップされ、それぞれで最適な乗り味となる様に各サイズでチューブの肉厚等が細かく変更されている。シートポストと、ヘッドパーツ、Di2用内装バッテリーマウントという3つの専用パーツが付属する。

クォータ KHAN(チームカラー)クォータ KHAN(チームカラー) (c)kuotacycle.it
カラーは黒基調に透かしロゴというシンプルさが初代を連想させる「ブラック」と、ワイルドカードとしてジロ・デ・イタリアなどに出場が決定しているイタリアのプロコンチネンタルチーム「アンドローニ・ジョカトーリ」が今季使用する「チームカラー」の2色がラインナップ。なお、チームカラーは白と黒のツートンがベースで、赤と青のツートンがレーシングカーでお馴染み「マルティニ」を連想させるレーシーな印象となっている。取り扱いはインターマックス。



クォータ KHAN
フレーム:カーボンモノコック
ヘッドチューブ:トップ 1-1/8、ボトム 1-1/2
ボトムブラケット:BB386
サイズ:XXS(435)、XS(449.6)、S(468.7)、M(497)、L(516.3)
重 量:フレーム785g、フロントフォーク340g
カラー:ブラック、プロチームエディション
付属品:専用シートポスト、専用ヘッドパーツ、専用内装バッテリーマウント
価 格:360,000円(税抜)