後半戦に入ったツアー・オブ・カタール。第4ステージはアレクサンダー・クリストフがゴールスプリントでペーター・サガンらを破った。第2ステージに続く2勝目を飾り、シーズン序盤から好調ぶりをアピールした。



出走サインをするファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)出走サインをするファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング) photo:A.S.O.総合リーダーとポイント賞、新人賞の3人がスタート前に並ぶ総合リーダーとポイント賞、新人賞の3人がスタート前に並ぶ photo:A.S.O.

向かい風のなか、レースは終始エティックス・クイックステップのコントロールのもと進んでいく向かい風のなか、レースは終始エティックス・クイックステップのコントロールのもと進んでいく photo:A.S.O.


今日も砂漠の中をスタートしていく集団今日も砂漠の中をスタートしていく集団 photo:A.S.O.カタールで初めてのウォーターパーク「アクアパークカタール」の前を行く逃げ集団カタールで初めてのウォーターパーク「アクアパークカタール」の前を行く逃げ集団 photo:A.S.O.ポイント賞ジャージを着るトム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)ポイント賞ジャージを着るトム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ) photo:A.S.O.アルノー・デマール(フランス、FDJ)とフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)が談笑しながら走るアルノー・デマール(フランス、FDJ)とフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)が談笑しながら走る photo:A.S.O.ドーハ北部の町アルタキラから、ドーハを挟んで反対側にあるメサイードまでカタール半島を縦断する165kmの第4ステージ。第2ステージを逆にしたようなコースで、レース中盤は共通するコースも多い。強烈な向かい風が予想されたため、予定よりも70分速くレースはスタートした。

スタートしてから10㎞地点で、ジャコ・ヴェンター(南アフリカ・MTNキュベカ)、デミトリ・グルージェフ(カザフスタン、アスタナ)、ヤール・サロモン(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)の3名が抜け出す。早められたスタート時間の影響かペースが上がらない集団に対し、追い風を味方につけた3人は最大3分半までタイム差を広げる。

第一中間スプリントポイントをヴェンターが、第2中間スプリントをグルージェフがそれぞれ獲得。ゴールに向けてリーダージャージを擁するエティックス・クイックステップがペースアップ。この日のレースのほとんどをコントロールしたクイックステップの働きによって、ゴール手前20km地点で3人の逃げは吸収された。

レース終盤には強い向かい風のなか、ランドアバウトが連続して登場するため、オリカ・グリーンエッジやティンコフ・サクソを始めとしたチームが我先にと前へ向かうが、決定的に集団を支配するチームは現れず、混戦状態のままフィニッシュラインへと向かっていく。

唯一、トレインを組み上げたのはジャイアント・アルペシン。調子の上がらないマルセル・キッテル(ドイツ)の代わりに、急きょエースに据えられたニキアス・アルント(ドイツ)がラスト200mでトム・フィーラース(オランダ)から発射される。

しかし、その背後からアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)が伸びる。昨年のミラノ~サンレモで見せた力強いロングスプリントを彷彿とさせる鮮やかさで、アルントを追い越し、追いすがるペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)を引き離し、先頭でフィニッシュに飛び込んだ。

「今日は向かい風が強くて、ペースが上がらなかったから最終盤に脚を残せていたんだ。でもそれはみんな同じだったから、スプリントはかなり混戦になったね。

そんな難しい状況のラスト1kmで、チームメートは良いポジションをキープするために、完璧な仕事をしてくれた。だから、僕はサガンを前に出さないようにだけ気をつけて踏みまくったんだ。カタールで2回も勝てるなんて最高だ。」と2勝目を挙げたクリストフは語った。



向かい風のロングスプリントをアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)が制した向かい風のロングスプリントをアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)が制した photo:A.S.O.


ステージ優勝のアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)が制したステージ優勝のアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)が制した photo:A.S.O.総合リーダーのニキ・テルプストラ(オランダ、エティックス・クイックステップ)は第4ステージ終了後も総合首位をキープしているが、スプリント集団が後続を5秒引き離したため、総合2位につけるマチェイ・ボドナール(ポーランド、ティンコフ・サクソ)に対するリードは6秒に減少している。

総合成績もまだまだ逆転の可能性がある、ツアー・オブ・カタール。残り2ステージで、テルプストラがリーダージャージを守りきれるか、秒差を争う熱い戦いから目が離せない。明日の第5ステージはカタール半島の北部を巡る153km。これまでと同じく、風が展開を決めるステージになりそうだ。

選手コメントはカチューシャ公式サイトより。



ツアー・オブ・カタール2015第3ステージ結果
1位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
2位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
3位 ニキアス・アルント(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
4位 アダム・ブライス(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
5位 ニコラ・ルフォーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
6位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、IAMサイクリング)
7位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ)
8位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)
9位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
10位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
4h15'57"












個人総合成績
1位 ニキ・テルプストラ(オランダ、エティックス・クイックステップ)
2位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
3位 イアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)
4位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMC レーシング)
5位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
6位 ルーク・ロウ(イギリス、チームスカイ)
7位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
8位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、IAMサイクリング)
9位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)
10位 トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
12h09'44"
+06"
+12"
+19"
+21"
+33"
+37"
+39"
+41"
+42"


ポイント賞
アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)

新人賞
ルーク・ロウ(イギリス、チームスカイ)

チーム総合成績
エティックス・クイックステップ

text:Naoki.YASUOKA
photo:A.S.O

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