21都府県から265名が参加した8年目のさぬきシクロクロス。C1は藤川正人(岩井商会レーシング)が初優勝。パワーの源は讃岐うどん3杯!



CM1/C2/CL1のスタート。一斉にアスファルトの登りを駆け上がっていくCM1/C2/CL1のスタート。一斉にアスファルトの登りを駆け上がっていく
C1 スタートC1 スタート photo:Hideaki TAKAGIC1 2周目先頭は熊崎祥太(R2 SPORTS CYCLING TEAM)C1 2周目先頭は熊崎祥太(R2 SPORTS CYCLING TEAM) photo:Hideaki TAKAGI


8回目となったさぬきシクロクロス善通寺大会が2月8日(日)、香川県善通寺市鉢伏ふれあい公園で行なわれた。同大会は四国シクロクロス2014-15の位置づけであり、同大会実行委員会が主催し、関西シクロクロス実行委員会が協力している。コースは毎年小変更が加えられるが、基本的に大きな上り1が箇所とスリップし易い芝生が中心のコース設定だ。

藤川正人(岩井商会レーシング)がC1初優勝

13時スタートのC1は20名、ジュニアは3名で競われた。スタートから飛び出したのは福田透(ナカガワAS.K' デザイン)でこれに熊崎祥太(R2 SPORTS CYCLING TEAM)が続く。2周目には熊崎、福田、菅原成典(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)、落合友樹(Hunter/Simworks)、藤川正人(岩井商会レーシング)、松本哲(グランデパール播磨)の並びに。最後尾スタートの日野竜嘉(松山聖陵高)は徐々に順位を上げ集団の中ほどに。

3周目には菅原、熊崎、藤川、福田の並びになり日野が7番手にまで上げる。徐々に前に上がった藤川が4周目に先頭に立ち、菅原、熊崎、福田が続きレースは安定、このままの並びで9周のフィニッシュを迎えた。40分規定であるジュニアの日野は全体の3番手走行中に6周でフィニッシュしている。



C1 2位の菅原成典(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)C1 2位の菅原成典(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB) photo:Hideaki TAKAGIC1 全体3番手まで上げた日野竜嘉(松山聖陵高)C1 全体3番手まで上げた日野竜嘉(松山聖陵高)

C1 藤川正人(岩井商会レーシング)がC1初優勝C1 藤川正人(岩井商会レーシング)がC1初優勝 C1 各クラス優勝者へ贈られた”鍾馗”像。讃岐製鬼㈱からの提供C1 各クラス優勝者へ贈られた”鍾馗”像。讃岐製鬼㈱からの提供



序盤にやや押さえて走った藤川が中盤から先頭に立ち、逃げ切りを決めてC1で初優勝。その藤川は「1周目に出遅れたこともあって3周目までは様子見の走りでした。そのあとはミスしないように心がけました。1位は嬉しいですね、と語った。

讃岐うどんと骨付鳥が迎えた会場

讃岐シクロクロスと言えば、有名なのが讃岐うどんと骨付鳥だ。参加賞にかけうどん1杯無料券と骨付鳥200円割引券がついており、讃岐うどんは「こがね製麺所」が会場に出店、”かけ”にてんぷらなどをトッピングしてねぎとつゆを加える方式で、安くて早く、そしてもちろんおいしい。ひとりで何杯もいただくのがもはやノーマルなスタイルで、優勝した藤川選手も「讃岐うどんは香川に入ってから3杯食べましたよ」と言うほど(笑)。前日には各所に点在するうどん製麺所を巡ったグループもあったりと、参加者の中では「うどんツアー+さぬきシクロクロス」というスタイルが定着しつつあるようだ。

ちなみにもう一つの地元の味、「骨付鳥」は親鳥と雛鳥から選べ、ビールとともにいただくのが最高だ(笑)。そして各クラス優勝者に贈られた”鍾馗”像の置物は讃岐製鬼㈱からの提供。同社は瓦だけでなく工芸品も製造しているという、まさに地元に支えられたホスピタリティーあふれるフレンドリーな大会なのだ。



さぬきクロス名物の”こがね製麺所”の讃岐うどんさぬきクロス名物の”こがね製麺所”の讃岐うどん photo:Hideaki TAKAGIあたたかい讃岐うどん。これは釜玉ですあたたかい讃岐うどん。これは釜玉です photo:Hideaki TAKAGI

”ひうら”の骨付鳥。親とひなから選べる”ひうら”の骨付鳥。親とひなから選べる photo:Hideaki TAKAGI 骨付鳥にはやっぱりビール!カテO(応援)のお姉さんたち骨付鳥にはやっぱりビール!カテO(応援)のお姉さんたち photo:Hideaki TAKAGI



年々増える選手数

DJでお馴染みのがらぱさん。そのうどんは何杯目?DJでお馴染みのがらぱさん。そのうどんは何杯目? photo:Hideaki TAKAGI大野敬太郎衆議院議員ら来賓があいさつ大野敬太郎衆議院議員ら来賓があいさつ photo:Hideaki TAKAGI今年の参加選手は265名で過去最高。そのうち四国内は110名、四国外は155名。最遠は群馬県からで21都府県にわたる。なかには前日のシクロクロス東京に参加してきたつわものも。そしてC4にいたるまで多くの参加者はシクロクロスバイクを使う。もはやMTBはごく少数派。四国内での自転車競技人口も確実に増えている。そして今までに出場した高校生たちが、全国大会のトラックやロードで結果を出しているのもトピックだ。

「参加者が増えてありがたい」香川県自転車競技連盟高畑秀規事務局長


「ようやく8回目を無事に終えることができました。第2回大会で一度参加者数が落ちたのですがその後はずっと増え続けて今に至っています。来年は300人に達しそうな勢いでありがたいことです。お接待の心が通じたのかなと思っています。四国にも根付いて関西へも行く選手もいますね。過去に出場した高校生がインターハイや国体で上位に入ったり競技力の向上にもつながっていると思います」

「昨年から四国全体でも調整してシリーズ戦の仕組みを取り入れています。2月22日に西阿波シクロクロスと高知シクロクロスが開催されます。この2つの日程はもちろん事前調整をしていたのですが、会場でのほかのイベントの都合があって残念ながら重なってしまいました。来年はもちろん別々の日程で考えています。関西などが1月いっぱいで終わったら2月3月はこちらに来ていただければと考えています。あるいは増え続ける選手数に対応するため、別場所でのコースや2日間開催も視野に入れています」



CL1 表彰CL1 表彰 CM1 優勝の羽鳥和重(cycleclub 3UP)CM1 優勝の羽鳥和重(cycleclub 3UP)

C2 表彰C2 表彰 U17 優勝の日野泰静(ボンシャンス)U17 優勝の日野泰静(ボンシャンス) photo:Hideaki TAKAGI




四国シクロクロス2014-15さぬきシクロクロス善通寺大会結果
C1
1位 藤川正人(岩井商会レーシング)55分03秒
2位 菅原成典(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)+42秒
3位 熊崎祥太(R2 SPORTS CYCLING TEAM)+1分11秒
4位 福田透(ナカガワAS.K' デザイン)+1分12秒
5位 久保伸次(岩井商会レーシング)+1分47秒
6位 川崎卓治(TeamMAGURU)+2分31秒

CJ
1位 日野竜嘉(松山聖陵高)37分21秒
2位 河野玄樹(高松工芸高)+2分21秒
3位 南昌孝 +6分54秒

CL1
1位 埜真賢美(川崎医療福祉大学)37分12秒
2位 加納尚子(ストラーダ)+2分37秒
3位 藤野尚美(まんま-AO・HANI CyclingTeam)+5分40秒

CM1
1位 羽鳥和重(cycleclub 3UP)39分00秒
2位 佐野光宏(ストラーダレーシング)+1分21秒
3位 西野順一(Teamスクアドラ)+2分20秒

U17
1位 日野泰静(ボンシャンス)26分00秒
2位 村上功太郎(こけむしろ)+1分03秒
3位 平林飛都(infinity)+1分53秒

C2
1位 宮内翼(ELITE CYCLE WORKS)38分49秒
2位 上野亮(infinity)+1分34秒
3位 柿本哲治(SQUADRAヤンダレーシング)+2分06秒

C3
1位 宮内翔(infinity)27分26秒
2位 竹井彗(高松工芸高)+13秒
3位 高田晃平(punk bros)+54秒

photo&text:高木秀彰