関西シクロクロス最終戦は、中井唯晶(瀬田工業高)がスタートから先頭を譲らず圧勝。2位にはシーズン総合優勝の島田真琴(シマノドリンキング)が、3位には唯晶の兄、中井路雅(京都産業大)が入った。宮内佐季子(Team CHAINRING)と藤井修(きゅうべえsports)もシーズン総合優勝を決めた。



朝一番は雪交じりのレース朝一番は雪交じりのレース photo:Hideaki TAKAGI
関西シクロクロスがスタートして20年目のシーズン最終戦、京都市桂川緑地久我橋東詰公園大会が2月1日(日)に行なわれた。最終戦のエントリー数は827名、全10戦の参加者延べ人数は7000名ほどと今シーズンも盛況の関西シクロクロス。その最終戦で初めて朝から雪が舞った。朝一番には数センチ積もった雪だったが午前中には消え、代わりに重い泥と交じり合う枯れ草に。昼過ぎのC1の時間帯にはやや締まった泥になる。

12時38分スタートのC1にはシーズン総合順位を競う島田や伊澤優大(岩井商会レーシング)、成長著しい木村、幅広く活動する中井兄弟ら関西シクロクロスのトップ選手たちが揃う。スタートから飛び出したのは中井唯晶。1周目は先頭の中井唯晶を木村、島田。中井路雅らが追う展開に。次第に先頭の中井唯晶は独走状態となり2位以下を引き離す。

C1 スタートC1 スタート photo:Hideaki TAKAGIC1 2周目の先頭付近C1 2周目の先頭付近 photo:Hideaki TAKAGI
C1 2周目3番手の島田真琴(シマノドリンキング)C1 2周目3番手の島田真琴(シマノドリンキング) photo:Hideaki TAKAGIC1 3周目2番手の木村吉秀(JPSTマッサアンデックス)C1 3周目2番手の木村吉秀(JPSTマッサアンデックス) photo:Hideaki TAKAGI

終盤に入り2番手木村のリヤディレーラーが脱落。ピットから離れた場所であったためランニングを余儀なくされ順位を下げる。中井路雅と木村は機材交換後に順位を再び上げ、2人で3位争いのパックを作る。先頭では中井唯晶が2位の島田に1分45秒の差をつけ優勝。3位には中井路雅が滑り込んだ。優勝した中井唯晶は3位路雅の弟で昨シーズンのジュニア全日本チャンピオン。瀬田工業高校を卒業後は兄・路雅のいる京都産業大学へ進学する。

優勝した中井唯晶は「ようやく勝てました。夏は調子よくてインターハイのポイントレースで優勝できたのですが、そのあとあまり休めて無く調子が上がりませんでした。全日本シクロクロスのあと一度休み、今日は復帰戦みたいでした。スタートから調子よく自分のペースで行って安定して走れました。しつこい泥でしたがパワーで走れましたね」と語る。

C1 9周目までもつれこんだ3位争いの中井路雅(京都産業大)と木村吉秀(JPSTマッサアンデックス)C1 9周目までもつれこんだ3位争いの中井路雅(京都産業大)と木村吉秀(JPSTマッサアンデックス) photo:Hideaki TAKAGIC1 全体4番手を走るCJトップの日野竜嘉(松山聖陵高)C1 全体4番手を走るCJトップの日野竜嘉(松山聖陵高) photo:Hideaki TAKAGI
C1 7周目、大差をつけ先頭を走る中井唯晶(瀬田工業高)C1 7周目、大差をつけ先頭を走る中井唯晶(瀬田工業高) photo:Hideaki TAKAGI
2位の島田は「2週間前の堺は調子良かったのですが今日はスタートから脚が重かったです。今日は泥がすごかったのでバイクを壊さないよう毎周回チェンジしていました。全部勝たずにバイクも壊さず今日はこれくらいにしておこうかと(笑)。シーズン総合優勝は嬉しいですね」と語る。
そして3位の中井路雅と4位木村は瀬田工業高校時代の同級生。「だいぶ意識していました」という中井。そして「こりゃ脚を貯めて3位を狙っているなと思っていました」と木村。最後は中井が競り勝ち兄弟で表彰台に。

U17 優勝の日野泰静(ボンシャンス)U17 優勝の日野泰静(ボンシャンス) photo:Hideaki TAKAGI松本整氏のCLUB KONGブースでは6軸ペダリング測定器VIGUERA(ヴィグエラ)の試乗会が。6軸力センサーでの計測データはiPhoneなどで見られる松本整氏のCLUB KONGブースでは6軸ペダリング測定器VIGUERA(ヴィグエラ)の試乗会が。6軸力センサーでの計測データはiPhoneなどで見られる photo:Hideaki TAKAGI

20年目の関西クロス「これからも完全燃焼できるレースを」(オルガナイザー矢野淳氏)

「今年は2日開催の会場も増やし年々増える参加者に対応しました。スタッフも慣れて1レース180名を超える状況でも対処しています。マキノではUCIレースと関西シクロクロスを切り離して開催もしました。事故が起きないよう、完全燃焼して走れるようなレースを開催することを今後も考え続けます。そして毎レース主管チーム制をとって協力いただくことは今後も続けます。いっぽうで新しいスタッフを育成することは内部の課題ですね。毎年少しずつ改善していいレースにしていきたいです」。

20年目の関西シクロクロスが終了。”まった来年~!”20年目の関西シクロクロスが終了。”まった来年~!” photo:Hideaki TAKAGI
CL1 優勝の宮内佐季子(Team CHAINRING)CL1 優勝の宮内佐季子(Team CHAINRING) photo:Hideaki TAKAGICM1 優勝の筧太一(BUCYOCOFFEE.CLT)CM1 優勝の筧太一(BUCYOCOFFEE.CLT) photo:Hideaki TAKAGI



結果
C2 優勝の藤田耕志((有)村上建具・工房ハイランダー)C2 優勝の藤田耕志((有)村上建具・工房ハイランダー) photo:Hideaki TAKAGI総合表彰 C1総合表彰 C1 photo:Hideaki TAKAGI総合表彰 CL1総合表彰 CL1 photo:Hideaki TAKAGI総合表彰 CM1総合表彰 CM1 photo:Hideaki TAKAGI
C1 9周
1位 中井唯晶(瀬田工業高)1時間07分04秒
2位 島田真琴(シマノドリンキング)+1分45秒
3位 中井路雅(京都産業大)+1分59秒
4位 木村吉秀(JPSTマッサアンデックス)+2分34秒
5位 大渕宏紀(DECOJA/NEXTPHASE)+3分12秒
6位 松木健治((有)村上建具)+3分21秒
7位 伊澤優大(岩井商会レーシング)+3分48秒
8位 辻善光(TeamZenko)+3分53秒

CL1 5周
1位 宮内佐季子(Team CHAINRING)42分56秒
2位 上田順子(関西ダム部/獣遊)+2分24秒
3位 坂口楓華(パナソニックレディース)+3分41秒

CJ 5周
1位 日野竜嘉(松山聖陵高)38分22秒

CM1 5周
1位 筧太一(BUCYOCOFFEE.CLT)40分06秒
2位 羽鳥和重(cycleclub 3UP)+07秒
3位 景山昭宏((有)村上建具)+25秒

C2 5周
1位 藤田耕志((有)村上建具・工房ハイランダー)40分35秒
2位 佐々木文吾(シマノドリンキング)+03秒
3位 岡理裕(SPADE・ACE)+1分01秒
 
シーズン総合成績
C1
1位 島田真琴(シマノドリンキング)317点
2位 伊澤優大(岩井商会レーシング)243点
3位 横山航太(シマノレーシング)210点
4位 中井唯晶(瀬田工業高)210点 
5位 木村吉秀(JPSTマッサアンデックス)209点 
6位 村田憲治(tacurino.net)161点
7位 藤川正人(岩井商会レーシング)152点
8位 沢田時(チームブリヂストンアンカー)150点
9位 大渕宏紀(DECOJA/NEXTPHASE)143点 
10位 久保伸次(岩井商会レーシング)141点

CL1
1位 宮内佐季子(Team CHAINRING)280点
2位 上田順子(関西ダム部/獣遊)133点
3位 坂口楓華(パナソニックレディース)122点
4位 三浦涼香(桜花学園)85点
5位 淵上千春子(八ヶ岳 CYCLOCROSS CLUB)68点
6位 埜真賢美(川崎医療福祉大学)65点

CM1
1位 藤井修(きゅうべえsports)387点
2位 羽鳥和重(cycleclub 3UP)277点
3位 水谷拓也(BUCYOCOFFEE.CLT)277点
4位 大河内二郎(シルクロード)245点
5位 景山昭宏((有)村上建具)203点
6位 中野政彦(Team Speed)173点

photo&text:高木秀彰