1月31日と2月1日の2日間、チェコ・ターボルでシクロクロス世界選手権が開催される。現チャンピオン、スティバル不在の男子エリートレースを制するのは誰か。日本からは全日本王者の竹之内悠以下7名が出場する。アルカンシエルを決める大一番はまもなくだ。



竹之内悠(ヴェランクラシック・イコイ)竹之内悠(ヴェランクラシック・イコイ) photo:Alisa.Okazaki59位でレースを終えた山本和弘(日本ナショナルチーム)59位でレースを終えた山本和弘(日本ナショナルチーム) photo:Alisa.Okazaki


豊岡英子(パナソニックレディース)豊岡英子(パナソニックレディース) photo:Kei.Tsuji日本から出場するのは、セレクションレースと全日本選手権の結果を踏まえて選定された7名。男子エリートには全日本選手権1位の竹之内悠(ヴェランクラシック・イコイ)と、2月限りでのプロ引退を発表を表明している山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)が出場する。

女子エリートには怪我を乗り越えた豊岡英子(パナソニックレディース)が出場し、U23レースには全日本王者の横山航太(シマノレーシング)と前田公平(BIORACER OFFROAD TEAM)の2名が、そしてジュニア男子には竹内遼(WESTBERG/ProRide)と山田将輝(PAX PROJECT)が出走する。既に現地入りしている日本チームのうち、豊岡と前田を除く5名が前週に開催されたワールドカップ最終戦に出場したことは既報の通りだ。
(日本人選手の現地コメントは後ほど別記事にてお伝えします。)



シクロクロス世界選手権2015開催スケジュール
1月31日(土)
11時(日本時間19時)〜:ジュニア男子
14時(日本時間22時)〜:エリート女子

2月1日(日)
11時(日本時間19時)〜:U23男子
14時(日本時間22時)〜:エリート男子



ターボルコースマップターボルコースマップ ターボルに敷設されたコースは1周3185mで、平らな芝生面と林の中の小さな丘陵地内を縫うように繋いだ。昨シーズンのワールドカップ第2戦と類似しており、その際はドライコンディションで繰り広げられた戦いをラルス・ファンデルハール(オランダ、現ジャイアント・アルペシン)が制した。

コースを試走するケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)コースを試走するケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) photo:CorVos週末のターボルは土曜日の降水確率が50%だ。日曜日は降水確率0%であるものの、両日とも最高気温は1〜2℃。凍結と泥によってコンディションが変わる、難しいレースとなることが予想されている。

前週のUCIワールドカップ最終戦を制したマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)前週のUCIワールドカップ最終戦を制したマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス) photo:CorVosエリート男子には21ヶ国から67名の選手たちが出場する。現世界王者のゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)は肩の怪我によって自国開催の大一番を欠場。"スティービー"に代わって地元の期待を背負うのは、2年前、雪のターボルで行われたワールドカップを制しているマルティン・ビーナ(チェコ、コレンドン・クワドロ)だ。

7名と最多出走人数を擁すベルギーは当然ながら注目の的。今期のワールドカップで2勝、2位を3回と結果を残しUCIワールドカップリーダーに輝いたケヴィン・パウエルス、ナショナルチャンピオンのクラース・ファントルノート(共にサンウェブ・ナポレオンゲームス)、スヴェン・ネイス(クレランAAドリンク)、そして昨年U23世界王者ワウト・ファンアールト(ファストフートサービス)など層の厚さは圧倒的と言って良いだろう。

対抗するのは前週のワールドカップ最終戦を制したマテュー・ファンデルポール(BKCPパワープラス)やファンデルハールなど若手中心の6名で挑むオランダ勢。ファンデルポールは20歳ながらエリートレースに出場し、いち早くビッグタイトル獲得を狙っている。

ベテランのフランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr)はフランス王者の地位こそ失ったものの、前週には7位に入る堅実ぶり。ドイツのフィリップ・ワルスレーベン(BKCPパワープラス)、UCIランキング8位のジェレミー・パワーズ(アメリカ、ラファ・フォーカス)などにも多いに注目したいところだ。



ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン) photo:CorVos地元チェコの期待を背負うマルティン・ビーナ(チェコ、コレンドン・クワドロ)地元チェコの期待を背負うマルティン・ビーナ(チェコ、コレンドン・クワドロ) photo:CorVos

現世界王者のマリアンヌ・フォス(オランダ、ラボバンク・リブ/ジャイアント)現世界王者のマリアンヌ・フォス(オランダ、ラボバンク・リブ/ジャイアント) photo:CorVosロード世界王者のポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)ロード世界王者のポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス) photo:CorVos



52名がエントリーしている女子エリートは、王者マリアンヌ・フォス(オランダ)のコンディションが上がりきっていないことで例年以上に優勝予想が難しい状況だ。UCIワールドカップリーダーの座を射止めたサンヌ・カント(ベルギー、BKCPパワープラス)や地元チェコナショナル王者のカタリーナ・ナッシュ、ロードとのダブル世界戦制覇を狙うポリーヌ・フェランプレヴォ(フランス)など、強豪選手が競い合う。ケイティ・コンプトン(アメリカ)は持病の喘息を懸念材料に抱える。

各カテゴリーのスタートリストはシクロクロス世界選手権の公式ホームページ内PDFを参照のこと。ジュニアエリート女子U23男子エリート男子。また、J SPORTSではエリート男子レースの模様を生中継する予定だ。放送はJ SPORTS3で2月1日(日)午後09:50から。詳しくは番組ホームページにて。
なおYOUTUBEのUCIチャンネルではすべてのクラスのストリーミング放送が閲覧できる。


text:So.Isobe