シクロクロス東京参戦など国内でもお馴染みの米国CX王者ジェレミー・パワーズが駆るフォーカスのシクロクロスバイク「MARES」がフルモデルチェンジ。ロードのハイエンドモデル「IZALCO MAX」のテクノロジーを取り入れ、より乗りやすく軽量に進化している。



フォーカス MARES CX

フォーカス MARES CX 0.0 TEAM DISCフォーカス MARES CX 0.0 TEAM DISC photo:Yuya.Yamamoto
3度のCX世界王者であるマイク・クルーゲ氏が立ち上げたフォーカスにおいて、そのCXバイクラインナップのハイエンドに位置付けられているのが「MARES CX」。2015モデルでは使用するマテリアルとフレーム形状の両方をアップデートすることで、そのレーシング性能を更に高めている。

レバーを90°ひねるだけでロック&リリースが可能という画期的な「Rapid Axle Technology」レバーを90°ひねるだけでロック&リリースが可能という画期的な「Rapid Axle Technology」 チェーン落ちによるフレーム破損を防ぐガードが標準装備されているチェーン落ちによるフレーム破損を防ぐガードが標準装備されている 素材にはロードの超軽量フラッグシップ「IZALCO MAX」と共通のP2T 10カーボンを採用する。そして各チューブの太さや形状もIZALCO MAXと同じくやや細身にシェイプアップすることで軽量化を図り、フレーム単体で1,000gとロードフレーム並の重量を実現した。

一方で、テーパードヘッドチューブやPF30規格のマッシブなBBシェルによってプロライダーが満足する剛性や運動性能を確保。フレームと同様に細身となったフロントフォークや、エンデュランスロードCAYOと共通する後方にオフセットしたリアエンドによってショック吸収性を高めている。

また、ディスクブレーキ仕様ではR.A.T(Rapid Axle Technology)というフォーカスが独自に開発した新たなスルーアクスル機構を搭載したこともトピックスだ。これまでがスルーアクスル先端の雄ねじをフレーム側に設けられた雌ねじにねじ込んでいたのに対して、R.A.Tはスルーアクスル先端をT字のフックとしてフレーム側の専用形状の受けに引っ掛けることでホイールの固定を行うというもの。

これによって、レバーをたった90°ひねるだけで脱着可能となり、ホイール交換に擁する作業時間の大幅な短縮を実現すると同時に、従来のスルーアクスルよりも固定力が向上したという。因みに、これはRapha-FOCUSからのフィードバックから生まれたもの。頻繁にホイールを脱着する必要のあるレースシーンでの使い勝手を考えた末に開発されたテクノロジーであり、そのアイデアは権威あるユーロバイクアワードにも輝いている。

フォーカス MARES CX 1.0 TEAM DISCフォーカス MARES CX 1.0 TEAM DISC (c)グローブライドフォーカス MARES CX 3.0フォーカス MARES CX 3.0 (c)グローブライド


そんなレース現場からの意見はクランク周りにも。軽量化を追求した一方でチェーン落ちによるフレーム破損のリスクを考慮し、クランクとフレームの間には金属製プロテクターが、チェーンステーの根本には金属製プロテクターシールが配されているのだ。

フレームサイズは日本人にもフィットしやすい48cm、51、54 cmの3種類がラインナップされる。もちろん、フォーカスが得意とするSSPSテクノロジーも適用され、サイズごとにダウンチューブ径を変えることで剛性感をそれぞれに最適化している。

新型MARES CXを駆るジェレミー・パワーズ(アメリカ、アスパイアーレーシング)新型MARES CXを駆るジェレミー・パワーズ(アメリカ、アスパイアーレーシング) photo:Tim de Waele
ラインナップはフロントシングルで話題スラム FORCE CX1を搭載した「0.0 TEAM DISC」、シマノULTEGRAと105のミックスコンポーネントを装備「1.0 TEAM DISC」、未だ愛用者の多いカンチブレーキ仕様の「3.0(※ホイールの固定はQRレバー)」の3種類。なお、「1.0 TEAM DISC」と「3.0」にはフレームセットも設定される。


フォーカス MARES CX 0.0 TEAM DISC
フレーム:MARES CX P2T 10 CARBON DISC
フォーク:MARES CX P2T 10 CARBON T4 DISC
コンポーネント:スラム FORCE CX1(フロント44T)
ブレーキ:スラム FORCE HDR CX1(油圧ディスク)
ホイール:DT スイス RC38 DISC
タイヤ:シュワルベ ROCKET RON EVO FOCUS EDITION
ハンドル:フィジーク CYRANO R3
ステム:フィジーク CYRANO R1
サドル:フィジーク ANTARES R3 k:ium
シートポスト:フィジーク CYRANO R1
サイズ:48、51、54 cm
カラー:CARBON - BLUE
価 格:899,000円(税抜)

フォーカス MARES CX 1.0 TEAM DISC
フレーム:MARES CX P2T 10 CARBON DISC
フォーク:MARES CX P2T 10 CARBON T4 DISC
コンポーネント:シマノ ULTEGRA/105ミックス
ブレーキ:シマノST-RS685/BR-RS785
ホイール:DT スイス R23 SPLINE DISC
タイヤ:シュワルベ ROCKET RON EVO FOCUS EDITION
ハンドル:フィジーク CYRANO R5
ステム:コンセプト CPX CARBON
サドル:フィジーク ANTARES
シートポスト:コンセプト CPX CARBON
サイズ:48、51、54 cm
カラー:CARBON-RED
価 格:529,000円(税抜)、319,000円(税抜、フレームセット)

フォーカス MARES CX 3.0
フレーム:MARES CX P2T 10 CARBON DISC
フォーク:MARES CX P2T 10 CARBON T4 DISC
メインコンポーネント:シマノ 105
ホイール:フルクラム WH-CEX 7.0
タイヤ:シュワルベ ROCKET RON EVO FOCUS EDITION
ハンドル、ステム、シートポスト、サドル:コンセプト EXシリーズ
サイズ:48、51、54 cm
カラー:WHITE-RED-BLUE
重 量:8.7kg(51cm)
価 格:359,000円(税抜、完成車)、299,000円(税抜、フレームセット)



フォーカス MARES AX

フォーカス MARES AX 1.0フォーカス MARES AX 1.0 (c)グローブライド
カーボンモデルと同時にフルモデルチェンジとなったアルミモデルの「MARES AX」。上位モデルのフォルムを踏襲するシャープなデザインのフレームにはトリプルバテッド加工が施されており、強度と剛性を保ちつつ軽量化を実現。ハイドロフォームチュービング製法によって肩に担ぎやすい形状に成型されたトップチューブや、ハンドリング性能を高めるテーパードヘッドチューブなどエントリーモデルながらレーシーな仕上がりとなっている。

そして、走行性能の要となるフロントフォークはハイエンドモデルMARES CX 0.0 TEAMと共通で、ロードのフラッグシップモデルIZALCO MAXのフレーム素材P2T 10カーボンを採用。加えて、レバーを90° 回すだけで簡単に素早くホイールの脱着を行えるフォーカス独自の「R.A.Tスルーアクスル」を搭載した。ブレーキはディスクブレーキを標準装備。シクロクロスを始めたいライダーやロード選手のウインタートレーニング用にピッタリな1台である。

フォーカス MARES AX 2.0フォーカス MARES AX 2.0 (c)グローブライドフォーカス MARES AX 3.0フォーカス MARES AX 3.0 (c)グローブライド


ラインナップはコンポーネント別に3グレード。1.0にはスラム APEXと油圧ブレーキHDR 700が、2.0には11速のシマノ105とワイヤー/油圧変換のディスクブレーキTRP HY-RDが、3.0にはシマノ TIAGRAがアッセンブルされる。サイズは1.0は48、51、54cmの3種類、2.0と3.0が56cmを加えた4種類という展開だ。


フォーカス MARES AX 1.0、2.0、3.0
フレーム:RACE CROSS V2 トリプルバテッド アルミ DISC
フォーク:MARES CX P2T 10 CARBON T4 DISC
コンポーネント:スラム APEX/HDR 700(1.0)、シマノ 105/TRP HY-RD(2.0)、シマノ TIAGRA(3.0)
ホイール:コンセプト DISC
タイヤ:シュワルベ ROCKET RON FOCUS EDITION
ハンドル、ステム、シートピラー、サドル:コンセプト EX
サイズ:48、51、54、56cm(1.0は54cmまで)
重 量:9.6kg(1.0、サイズ51cm)
価 格:269,000円(税抜、1.0)、229,000円(税抜、2.0)199,000円(税抜、3.0)