CXシーズンも折り返しに差し掛かった12月20日(土)、神奈川県平塚市は馬入川河川敷の特設コースで今年の湘南ベルマーレシクロクロスが開幕。C1はパワーに勝る辻善光(Team Zenko)が池本真也(和光機器)との一騎打ちを制し、今シーズン初優勝を飾った。



辻善光(Team Zenko)らを先頭にC1カテゴリーがスタート辻善光(Team Zenko)らを先頭にC1カテゴリーがスタート Gakuto.Fujiwara
終盤まで辻善光(Team Zenko)と池本真也(和光機器)の2人が逃げ続ける終盤まで辻善光(Team Zenko)と池本真也(和光機器)の2人が逃げ続ける photo:Makoto.AYANO序盤から淡々とペースを刻み先頭を追走する集団序盤から淡々とペースを刻み先頭を追走する集団 photo:Makoto.AYANO


湘南ベルマーレシクロクロスの2014-2015年シーズンの開幕戦の舞台となったのは、JR平塚駅からも近くアクセスが良好な平塚競輪場の第3・4駐車場(馬入川河川敷)に設けられた新コースだ。

熾烈な争いを繰り広げた3位集団。向山浩司(SNEL CYCLOCROSS TEAM)がシケインでペースを上げる熾烈な争いを繰り広げた3位集団。向山浩司(SNEL CYCLOCROSS TEAM)がシケインでペースを上げる photo:Makoto.AYANO辻善光(Team Zenko)が落車し、単独走行となった池本真也(和光機器)辻善光(Team Zenko)が落車し、単独走行となった池本真也(和光機器) photo:Makoto.AYANO独走を開始する辻善光(Team Zenko)。ジャージには落車の後が残る独走を開始する辻善光(Team Zenko)。ジャージには落車の後が残る photo:Makoto.AYANO南北に長い河川敷にコーステープを張り巡らせて作られた周回コースは、ストレートとコーナーを無数につなぐ平坦なもの。路面は芝と砂利のミックスで、レースが進むに連れて土の路面が掘り起こされていき、朝から降り続く雨によって刻々とコースコンディションが変化。後半にかけては泥と芝の絡まるハードな戦いとなった。

雨が小康状態になった頃スタートしたC1レースは辻善光(Team Zenko)と池本真也(和光機器)の2人の抜け出しから始まる。ホールショットを決めた2人が終始リードする形でレースは展開していく。「パワーに勝る辻、テクニックに勝る池本」とお互いが認めるように、辻が常にストレートで前に出て、池本が真後ろにぴったりとつく形で後続との差は徐々に拡大する。

後続の追走パックを形成するのは3位争いは根本学(Cycleclub3UP)、青木誠(gruppo acqua tama)、向山浩司(SNEL CYCLOCROSS TEAM)、澤木紀雄(GIANT/MET/T-serv)、鈴木祐一(Rise-Ride)という実力者5名。3周目、5周目に向山が、先頭2人とのジョインを図るも集団に吸収されてしまう。6周目には前の2人に追い付くことだけを考えて踏み続けました」という澤木が先頭2人を上回るペースで追走するも、ベテランらしい安定した走りを見せる辻、池本との合流は叶わず。優勝争いは辻、池本に絞られた。

しかし、15周のうちの8周目で「スピードを落とさずコーナに侵入したため滑ってしまった」という辻が落車し、池本が単独先頭に。一時タイム差は10秒まで広がるが、コーナーの度に力強いダッシュを繰り返す辻は、10周目でややペースを落とした池本に追いつくと同時に、更に加速し独走を開始する。

「一発で仕留めないと追いつかれると思い、一気にペースを上げた」と言うとおり11周目に最速ラップタイムを叩き出し池本を突き放した辻。その後も序盤と変わらないハイペースでリードを築き、最終的に7秒差で今シーズン初優勝。10月の現役引退まで所属していた湘南ベルマーレのフラッグを掲げ、フィニッシュラインを切った。

今シーズンまで湘南ベルマーレに所属していた辻善光(Team Zenko)がフラッグを掲げフィニッシュする今シーズンまで湘南ベルマーレに所属していた辻善光(Team Zenko)がフラッグを掲げフィニッシュする photo:Makoto.AYANO
実は左手親指を骨折しながらも走行していた辻善光(Team Zenko)実は左手親指を骨折しながらも走行していた辻善光(Team Zenko) photo:Makoto.AYANO2位はパンクを喫しながらも後を抑えた池本真也(和光機器)2位はパンクを喫しながらも後を抑えた池本真也(和光機器) photo:Makoto.AYANO


関西クロス・マキノで負った怪我に苦しみ、この日も左手親指の骨折が癒えない中で強行出場した辻。「序盤に2人で抜け出せたことで、落ち着いて走行できたのが良かったですね。いつ仕掛けようか考えていたところで落車してしまいました。その時、冷静になって色々と考えることができたので、追いついた所でアタックを決めることができました。今日のレースを反省し、直せるところを直して今後に繋げたいですね」とレースを振り返った。

後方は追走パックから再度飛び出した澤木が、最終周回のパンクで大幅にペースを落とした池本に迫るも、あと数メートル届かず。池本が2位、澤木が3位に入った。

CM1 2位を振り切り勝利した小田島貴弘(Club Sy-Nak)CM1 2位を振り切り勝利した小田島貴弘(Club Sy-Nak) photo:Makoto.AYANOCL1 後続を振り切り勝利した綾野桂子(cycleclub 3UP)CL1 後続を振り切り勝利した綾野桂子(cycleclub 3UP) photo:Gakuto.Fujiwara

C2は圧倒的な力を見せつけた藤田 拓海(SNEL CYCLOCROSS TEAM)が優勝C2は圧倒的な力を見せつけた藤田 拓海(SNEL CYCLOCROSS TEAM)が優勝 photo:Makoto.AYANOC3午後の部は川田優作(Honda栃木)がスプリントを制し優勝C3午後の部は川田優作(Honda栃木)がスプリントを制し優勝 photo:Makoto.AYANO


CL1は森美穂子(BOUNCE)を振り切った綾野桂子(cycleclub 3UP)が優勝。マスターズのCM1は実力者の小田島貴弘(Club Sy-Nak)が水竹真一(チームスキップ)との一騎打ちを制している。
C2は序盤から単独で飛び出し圧倒的な走りを見せた藤田拓海(SNEL CYCLOCROSS TEAM)が優勝し、2位には後方からの追い上げを魅せた宮崎景涼が入っている。

レースオーガナイザーの内山靖樹さんレースオーガナイザーの内山靖樹さん photo:Makoto.AYANOオーガナイザー 内山靖樹さん
「どのコースもキャラクターが立っていて面白いレースになるでしょう」

河川敷ということもあって最初は単調なコースになると想定していましたが、雨が降ったことで難しくなり、走行してみて面白いコースになったと思います。来シーズンは最終戦がこの平塚大会になる予定です。今年については例年通り、第2、4戦はスピードコースとなる開成水辺スポーツ公園で、第3戦は高低差もある中井中央公園で開催します。それぞれキャラクターが立っていて面白いレースになるでしょう。



湘南ベルマーレシクロクロス 第1戦結果
C1
(15周回)
1位 辻善光(Team Zenko)
2位 池本真也(和光機器)
3位 澤木紀雄(GIANT/MET/T-serv)
4位 根本学(Cycleclub3UP)
5位 青木誠(gruppo acqua tama)
6位 向山浩司(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
7位 鈴木祐一(Rise-Ride)
8位 橋口潤一郎(TEAM 轍屋)
9位 箭内秀平(日本ろう自転車競技協会)
10位 竹田佳行(kei'spower!)
1:02'49"
+07"
+08"
+21"
+21"
+39"
+1'52"
+2'18"
+2'22"
+2'40"


L1(8周回)
1位 綾野桂子(cycleclub 3UP)
2位 森美穂子(BOUNCE)
3位 橋口陽子
4位 鈴木美香子
5位 坂本沙弥(TeamCUORE)
+38'04"
+16"
+54"
-1Lap
-1Lap"


マスターズ1(8周回)
1位 小田島貴弘(Club SY-Nak)
2位 水竹真一(チームスキップ)
3位 瀬戸幸正(ベーグルワン)
4位 曽我聡(ベーグルワン)
5位 有持真人(Team ARI)
34'08"
+04"
+24"
+34"
+45"


マスターズ2(4周回)
1位 池畑陽一郎(内房レーシング)
2位 北沢純(チームARI)
3位 藤巻忠秀
18'34"
+23"
+42"


C2(9周回)
1位 藤田拓海(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
2位 宮崎景涼
3位 中曽佑一(Team Cuore)
4位 坂手潤一(BOUNCE)
5位 祖川雄司
39'15"
+57"
+1'29"
+1'36"
+1'38"


C3午前(7周回)
1位 鈴木雄助
2位 高橋誠(イナーメ信濃山形)
3位 森天孝
4位 早瀬憲太郎(TeamARI)
5位 屋田憲吾(Pinazou Test Team)
29'36"
+06"
+13"
+50"
+59"


C3午後(6周回)
1位 川田優作(Honda栃木)
2位 鈴木龍(SEKIYA)
3位 江越昇也(WESTBERG/ProRide)
4位 小清水拓也(TOKYO VENTOS)
5位 神谷知明(GIANT/MET/T-SERV.)
27'08"
+0"
+24"
+25"
+31"


C4午前(6周回)
1位 佐藤為
2位 中島康博(ERATEH)
3位 岩瀬正典
4位 小嶋渓円(湘南ベルマーレクラブ)
5位 内海健人(ACQUA TAMA)
26'42"
+05"
+11"
+13"
+1'18"


C4午後(6周回)
1位 青木太郎
2位 小嶋渓円(湘南ベルマーレクラブ)
3位 佐藤為
4位 中野江一郎
5位 久保田玲(内房レーシングクラブ)
27'41"
+0"
+04"
+34"
+35"


L2(4周回)
1位 香西杏子(なるしまフレンド)
2位 辻瑞穂(Heart View)
3位 斉藤佳寿実
4位 曽我江里子(ベーグルワン)
5位 早瀬久美
19'54"
+01"
+03"
+47"
+1'16"


U17(4周回)
1位 江越海玖也 (Team VAPOR)
2位 高清水天翔(湘南ベルマーレクラブ)
3位 藤巻玲央
19'23"
+42"
+4'17"


U15(4周回)
1位 林宝健人(ベーグル ワン)
2位 畑直宏(湘南ベルマーレクラブ)
3位 相原士穏(湘南ベルマーレクラブ)
21'09"
+23"
+2'24"


小学4〜6年生(3周回)
1位 綾野尋 (Team-K)
2位 野崎隼(湘南ベルマーレ・ユース)
14'41"
+3'03"


小学1〜3年生(2周回)
1位 江越柾也 (WESTBERG/ProRide)
2位 小暮勘士(悪ガキッズ)
3位 林宝美希歩(ベーグル ワン)
10'29"
+10"
+9'59"


text:Gakuto.Fujiwara
photo:Makoto.AYANO,HIRO,Gakuto.Fujiwara

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