イグリンスキー兄弟のEPO陽性に続き、下部組織であるコンチネンタルチームの若手2人のドーピング陽性が発覚したアスタナ。UCIワールドツアーライセンスに暗雲が立ち込める中、エースのヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)が口を開いた。



ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Kei Tsuji


ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Tim de Waele「インターネットで(4人目のドーピング陽性の)ニュースを見てから、かれこれ2日間はPCを開いていない。もうPCを開きたくないぐらいの気持ちだ」。イタリアのガゼッタ・デッロ・スポルト紙のインタビューの中でニーバリはそう語っている。

ツール・ド・フランスを制したアスタナツール・ド・フランスを制したアスタナ photo:Makoto AYANO「彼らがどうしてそのような行為に走るのか全く理解出来ない。彼らは大きな代償を払うべきだ。今回の件と私を結びつけようとするメディアもあるけど、それは全くの的外れ。違反した4人は愚か者だ。私は全く関与していない」。ニーバリは自身の関与を否定するとともに、プロトンの浄化を歓迎する。「全てのドーピング違反者が捕まってほしい。仮にこれから更に10人が捕まればハッピーだ。何故ならそれはドーピング検査が機能している証拠だから」。

2ヶ月のうちに実に4人のドーピング違反者を出したアスタナに対し、UCI(国際自転車競技連合)は何らかの処分を下すと見られている。アスタナは2015年度のUCIワールドツアーライセンスを保有しているが、UCIのライセンス委員会はライセンスの見直しを発表。条件付きのライセンス付与もしくはライセンス取消の可能性が出ている。

アスタナのジュゼッペ・マルティネッリ監督は「今回のドーピング陽性が、お手本のような選手であるニーバリやアルのイメージに繋がってしまうことを残念に思う」とコメント。ニーバリは「明白な良心をもって私は自分のすべきことをする。彼らが犯した罪に責任は取れない。コンチネンタルチームの2人の顔も知らないぐらい。チームぐるみのドーピングなんて存在しない。ライセンス取消なんて間違った判断だ」と締めくくっている。

text:Kei Tsuji