2011年から3年連続タイムトライアル世界チャンピオンに輝いた29歳のトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)が、2015年シーズン中にアワーレコードに挑戦することが分かった。



トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Riccardo Scanferla2014年の世界選手権タイムトライアルでブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)に敗れて大会4連覇を逃したものの、マルティンが世界最高峰のTTスペシャリストであることに疑いの余地はない。ツール・ド・フランスでステージ4勝、ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ2勝、さらにエネコツアーやパリ〜ニース、ツアー・オブ・北京、ツアー・オブ・ベルギーで総合優勝を果たしている29歳が、キャリアに欠けている大きなタイトル獲得に挑む。

世界選手権タイムトライアル、2位トニ・マルティン(ドイツ)、優勝ブラドレー・ウィギンズ(イギリス)、3位トム・ドゥムラン(オランダ)世界選手権タイムトライアル、2位トニ・マルティン(ドイツ)、優勝ブラドレー・ウィギンズ(イギリス)、3位トム・ドゥムラン(オランダ) photo:Tim de Waele地元ドイツのラートシュポルトニュースの中でマルティンは「ロードシーズンの目標に影響しない時期に(アワーレコードに)挑戦する予定でいる。ロードのコンディションを保ちながら挑戦への準備期間が必要だ。12月にチームと話し合って、来シーズンの空いている日程を見つけたい」とコメントしている。

UCI(国際自転車競技連合)のルール改正後、9月18日にイェンス・フォイクト(ドイツ、トレックファクトリーレーシング)が51.110kmの新記録を樹立し、さらに10月30日にはマティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)が51.852kmをマーク。アワーレコードへの注目度は高まっており、その後も挑戦を表明する選手が後を絶たない。TT世界チャンピオンのウィギンズも2015年夏に挑戦することを決めている。

マルティンは「トラック競技出身のウィギンズには経験という大きなアドバンテージをもっている。だから彼よりも長い準備期間が必要だ。実際にトラックを走ってみて挑戦が現実的なのかどうか判断したい」と語る。ウィギンズとマルティンという二強のどちかかがアワーレコードを更新することは想像に容易い。

text:Kei Tsuji

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