スペインのAS紙にホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)のインタビューが掲載。3月のボルタ・ア・カタルーニャで総合優勝を飾りながら、ジロ・デ・イタリアを落車リタイア。ツール・ド・フランスで山岳賞争いに加わり、ブエルタ・ア・エスパーニャで総合4位に入った35歳クライマーがシーズンを振り返っている。



ボルタ・ア・カタルーニャの山頂フィニッシュを制したホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)ボルタ・ア・カタルーニャの山頂フィニッシュを制したホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Tim de Waele


カタルーニャで2度目の大会制覇を果たしたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)カタルーニャで2度目の大会制覇を果たしたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Tim de WaeleQ: 2014年はキャリアの中で最悪のシーズンでしたか?

A: 一番厳しいシーズンだったかもしれない。努力しなければもっと酷いシーズンになっていた。厳しい中でも最善を尽くせたと思っている。落車を繰り返し、復活したと思ったらまた落車した。結果でチームを納得させることは出来なかった。

Q: シーズンの中で80日間、合計12,981kmを走った感想は?

A: 今シーズンは3つのグランツールを走った。ここまで長い距離を走ったのは初めて。ジロはリタイアに終わったものの自宅で距離を乗り込んだ。間違いなく最長距離を走ったシーズンだった。

Q: 4月のアムステルで落車して肋骨2本を折り、ジロで肋骨1本と指を骨折。休養のためにツールを欠場すべきだったのでは?

A: ツールには最初から出場する予定だったんだ。シーズン前半がトラブル続きだったので、結果を残す必要があった。肋骨と指の骨折の影響でさすがにパワーが欠けていたけど、山岳賞3位という結果は悪くない。予想以上に良い状態でツールを終えることが出来たのでブエルタに出場することにした。

ジロ第6ステージで落車したホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)ジロ第6ステージで落車したホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Kei TsujiQ:学ぶことが多いシーズンだったと?

A: 沢山のことを学んだよ。これまでエースとして走り続けていたけど、今シーズンはアシストに回ることもあり、チームメイトと協力して一緒に喜びを共有した。焦らずタイミングを見極めることも学んだし、その結果、良い動きに入ることも出来た。結果を残すには力が足りなかったけど。

Q: 来年は6年間所属したカチューシャで最後のシーズンになる?

A: 確かに契約は切れるけど、僕もチームも関係を継続したいと願っている。あと何年この関係が続くか分からないけど、チームとの関係はすこぶる良いんだ。

Q: 16年目という長いキャリアについては?

A:満足のいくキャリアを送っているよ。若い時にプロ入りして、それからずっとこの職業を楽しんでいる。でもある時から家族との時間がかけがえのないものに感じるようになってきた。

ツールで果敢に山岳賞を狙ったホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)ツールで果敢に山岳賞を狙ったホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Tim de WaeleQ: 3月のカタルーニャ総合優勝の時点では素晴らしい1年になると思いましたか?

A: カタルーニャの総合優勝は想定外だった。オフシーズンのトレーニングは順調だったものの、ティレーノ〜アドリアティコで総合優勝したアルベルト・コンタドールも出場していたし、レースペースはとても速かった。カタルーニャの総合優勝によってトレーニングの成果を感じることが出来たけど、アムステルでの落車で歯車が狂ってしまった。

Q: リハビリはタフだったと想像出来ます。

A: ジロに向けて早く回復する必要があったものの、肋骨の回復には時間がかかる。痛みも消えなかったし、呼吸にも影響があった。2週間後のジロに間に合わせるのは本当にキツかった。

Q: ブエルタ総合4位&山岳賞8位という成績については?

A: 正直言うと、もっと良い成績を残せると思っていた。でもキンタナやフルーム、バルベルデ、コンタドールが揃っていたのでレースレベルが極めて高かった。総合4位という結果には満足しているよ。シーズンの中で一番楽しい時間だった。

Q: 2015年シーズンをどう闘いますか?

ブエルタを総合4位で終えたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)ブエルタを総合4位で終えたホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Tim de WaeleA: 特にいつもと何も変わらない。2014年は決して悪いシーズンではなかったし、パワーの欠如はあったものの感触も良かった。オフシーズンのトレーニングについて変更を加えるつもりはないよ。今から何か新しいものを生み出すつもりはない。

Q: 2015年のツールを気に入っていると聞きましたが?

A:ツールのコースはとても好き。何もトラブルが起こらなければツールに出場する。とても危険度が高いコースだけど間違いなくクライマー向きのツールであり、タイムトライアルの距離が短い。自分向きのコースなので出場しないわけにはいかない。

Q: その他のグランツールについては?

A: 最初はジロとブエルタに出場しようと思っていたけど、今はツールとブエルタに出場するつもり。シーズン前半は例年通り。リエージュ〜バストーニュ〜リエージュを走ってから少し休んで、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネかツール・ド・スイスに出場する。2月から3月にかけては(カナリア諸島のテネリフェ島の)テイデ山でトレーニングを積むよ。闘志を剥き出しにして、心の平静を保ちながら闘いたい。

translation:Kei Tsuji