最終ストレートでのスプリント対決。11月9日にベルギーで開催されたスーパープレスティージュ第3戦で、終盤にかけて積極的にレースを進めたトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)がスプリントで勝利した。



周回後半に登場した砂セクション周回後半に登場した砂セクション photo:Tim de Waele


観客が詰めかけたベルギー・ロッデルヴォールデの会場観客が詰めかけたベルギー・ロッデルヴォールデの会場 photo:Tim de Waeleベルギーのロッデルヴォールデで行なわれたスーパープレスティージュ第3戦。コースの大半はスリッピーな泥を纏った芝で、乗車で乗り切る選手とバイクを担ぐ選手に分かれる泥のキャンバーや砂セクションが組み合わされている。

落ち着いたレース運びのスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)落ち着いたレース運びのスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク) photo:Tim de Waeleこの日もオランダチャンピオンのラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)がホールショット。ここにトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)とクラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)が合流し、3名で先頭パックを形成してレース序盤を駆ける。

ラップされることなく27位でレースを終えた竹之内悠(ベランクラシックドルチーニ)ラップされることなく27位でレースを終えた竹之内悠(ベランクラシックドルチーニ) photo:Tim de Waeleこの先頭パックに最初に追いついたのはベルギーチャンピオンのスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)で、続いてケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)とコルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア)がジョイン。さらにマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)とイェンス・アダムス(ベルギー、ファストフートサービス)も追いつき、先頭では8名が一列棒状で周回を重ねた。

最終周回にペースを上げるトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)最終周回にペースを上げるトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) photo:Tim de Waele序盤からアグレッシブな走りを見せていたファンデルハールだったが、前走者ファンケッセルの落車にファンデルハールが巻き込まれて脱落。しかし数周にわたる追走の末にファンデルハールは先頭復帰する。先頭8名の均衡の中から残り2周を前に飛び出したのはファンデルポールだった。

今シーズンすでにスーパープレスティージュ第1戦で勝利している19歳ファンデルポールがプッシュしたものの決定的なリードは生まれない。最終周回で一旦7名に戻った先頭パックはコーナー毎にスプリントを繰り返し、メーウセン先頭でテクニカルパートをハイスピードでこなしていく。

周回後半の砂セクションで先頭は4名に絞られ、メーウセン、ファントルノート、ファンデルポール、ネイスがパックを形成したまま最終コーナーを立ち上がる。先頭でコーナーを抜けたメーウセンがそのままスプリントでライバルを押さえ込んだ。

スーパープレスティージュで自身4勝目を飾った26歳のメーウセンは「シーズン序盤は出遅れたものの、徐々にコンディションは上がっている。ようやく勝利を手にすることが出来て嬉しいよ。シクロクロスは若さだけで闘えない。テクニックや戦略がとても重要なんだ」と語る。直近のレースでは4〜5位ばかり。僅差で表彰台を逃し続けていた。

スーパープレスティージュ第3戦を終えて、シリーズランキングトップはこの2位のファンデルポール。僅か1ポイント差でネイス、2ポイント差でファンデルハールが続いている。

全日本チャンピオンの竹之内悠(ベランクラシックドルチーニ)は4分31秒遅れの27位。フルラップで終えたスーパープレスティージュを「常に2人か3人でレースを展開できていた。おかげですごく緊張感のある張り合いのあるレースにできた。今までよくわからずにとりあえず必死に走って気がついたらゴールってレースばかりしてたけど、今回はまた違ったレースができた」と振り返っている。

選手コメントはSport.beより。



最終スプリントを繰り広げる4名最終スプリントを繰り広げる4名 photo:Tim de Waele
スプリントで先頭を譲らなかったトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)スプリントで先頭を譲らなかったトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) photo:Tim de Waele2位マテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)、優勝トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)、3位クラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)2位マテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)、優勝トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)、3位クラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) photo:Tim de Waele


スーパープレスティージュ2014-2015第3戦結果
1位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)           1h03'06"
2位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)
3位 クラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)
4位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)
5位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)          +12"
6位 イェンス・アダムス(ベルギー、ファストフートサービス)            +15"
7位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)       +30"
8位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア)           +57"
9位 ジョエリ・アダムス(ベルギー、ファストフートサービス)           +1'06"
10位 バルト・アールノーツ(ベルギー、コレンドン・クワドロサイクリング)    +1'09"

27位 竹之内悠(日本、ベランクラシックドルチーニ)               +4'31"

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele

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