11月2日、3日に DOWNIHLL SERIES #4 SRAMPARK が開催された。第4戦目はまたしても雨。会場となった愛知県瀬戸市にある SRAM PARK は、今年の DOWNHILL SERIES 開催会場のなかで唯一完成したばかりのコースである。



難しいコンディションで驚異的な走りを見せた井本はじめ(LoveBikes)難しいコンディションで驚異的な走りを見せた井本はじめ(LoveBikes) (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa
現役時代は4X を得意とした増田直樹(DTP)、リズムとバームのスムーズさ は今でもトップクラスだ現役時代は4X を得意とした増田直樹(DTP)、リズムとバームのスムーズさ は今でもトップクラスだ (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa2位となった永田隼也(AKI FACTORY TEAM)。多くのライダーを苦しめたク ランクを攻略する2位となった永田隼也(AKI FACTORY TEAM)。多くのライダーを苦しめたク ランクを攻略する (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa




元々は、SRAM代理店であるダートフリーク社の部品開発のためのテストコースとして採石場跡地を買い取り、整備されてきた。現在は、会員制のモトクロスバイク&MTB 専用のライディングパークとして一般にも解放されており、今回はお披露目イベントでもある。会場には 16 社もの出展ブースが立ち並んだ。

見渡しのいい斜面に造られたダウンヒルコースは、標高差 48m、全長が 395m と短め。しかし、クネクネのバンクとジャンプを組み合わせたレイアウトは、ダウンヒルのテクニックや BMX、ジャンプスキルなどバイクコントロールのあらゆる要素が問われる、シンプルながら奥の深い構成となっている。

マウンテンバイクライディングの基礎的な要素がタイムの鍵を握るこのコースは、ある意味ライダーの実力を問われる、ごまかしのきかないコースとも言える。そんな文句をうたっていたが、土曜日は「雨ときどき土砂降り」と言うほどの天。泥は重く、そして滑り、コブは泥で隠れた。



コースは雨によって深いマッドとなったコースは雨によって深いマッドとなった (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa今回のレースでは搬送の軽トラックが用意された。山頂までスムーズに参加 者を送り届ける今回のレースでは搬送の軽トラックが用意された。山頂までスムーズに参加 者を送り届ける (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa

SRAM PARK 全景。中央部分はモトクロスコースとして整備されているSRAM PARK 全景。中央部分はモトクロスコースとして整備されている (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa
過酷なコンディションは機材の性能、適正を知る良い機会となったはずだ過酷なコンディションは機材の性能、適正を知る良い機会となったはずだ (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa排水溝を備えた洗車場も用意されている。山を切り崩したバイクパークだが、 水洗トイレや電源など、山で遊ぶ環境ながら、快適さを兼ね備えていた排水溝を備えた洗車場も用意されている。山を切り崩したバイクパークだが、 水洗トイレや電源など、山で遊ぶ環境ながら、快適さを兼ね備えていた (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa



同日開催されていた「MTB 最強店長選手権」では、まず、会場内に作られたショート XC コースを 24 人の店長たちが泥だらけになって走る。滑るなんてもんじゃない。進まない。そんななか、XC 部門では三上和志店長(サイクルハウス MIKAMI)が、DH 部門では堀田昌希店長(HOTTSPIN)が優勝した。詳細は11月20日発売のサイクルスポーツ 1月号に掲載されるとのこと。

そして夜には雨が止み、日曜日の朝。「瀬戸の土は瀬戸物を作ってたってだけあってすごく水はけがいいから、昼間にはドライになるかも!」なんて噂はどこへやら。「これなら雨が降り続いた方がよかった…」とため息が聞こえるほど、ぐちゃぐちゃ、ぬたぬたのコースができあがっていた。



同時開催されたサイクルスポーツ最強店長選手権、ダウンヒルの部で優勝し たホットスピンの堀田昌希。本戦ではエリートクラスを走る同時開催されたサイクルスポーツ最強店長選手権、ダウンヒルの部で優勝し たホットスピンの堀田昌希。本戦ではエリートクラスを走る (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawaスイッチバックのバームを攻める浦上太郎(Transition/CLEAT)スイッチバックのバームを攻める浦上太郎(Transition/CLEAT) (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa

本戦のスタートを待つファーストタイマークラスの参加者達。洗車をし、綺 麗なジャージでこの一本に挑んだ本戦のスタートを待つファーストタイマークラスの参加者達。洗車をし、綺 麗なジャージでこの一本に挑んだ (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa5位入賞を果たした地元愛知の林佳亮(DIRTFREAK FACTORY RACING)5位入賞を果たした地元愛知の林佳亮(DIRTFREAK FACTORY RACING) (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa



試走と本戦の間には、フリースタイルモトクロスのデモンストレーションも行われた。本戦の始まる頃には、アクセスの良さからからロードバイク姿の観戦者や、家族連れの姿も目立つ。スタートからゴールまでを見渡すことの出来るコース半ばの尾根には観戦者がズラリと並びんだ。

エリート男子クラスは、前日のタイムドセッションで大転倒、出走者中最下位になった井本はじめ(LoveBikes)が早い段階で出走。58 秒という好タイムでホットシートに座る。順調なスピードを刻んでいた九島勇気(玄武/MONDRAKER)は、観客のいちばん集まるコーナーで転倒。その後も、DOWNHILL SERIES 歴代優勝者たちが次々と降りてくるが、スリップダウンや転倒が相次ぎ、タイムが伸びない。



プラクティスではスタート直後のドロップオフで苦戦していた井本はじめ (LoveBikes)だったが、決勝では上手く攻略し優勝を果たしたプラクティスではスタート直後のドロップオフで苦戦していた井本はじめ (LoveBikes)だったが、決勝では上手く攻略し優勝を果たした (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa
今回はBMX レースの日本代表である三瓶将廣(SystematicBMX)も参戦。バ ランス力優れた走りを見せたが、転倒で18 位に今回はBMX レースの日本代表である三瓶将廣(SystematicBMX)も参戦。バ ランス力優れた走りを見せたが、転倒で18 位に (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa.押し上げでピンポイントのセクションを練習する三瓶将廣(SystematicBMX)コンディションは悪かったが、トップライダーであるほど、気になるセクショ ンの攻略に時間をかけていた.押し上げでピンポイントのセクションを練習する三瓶将廣(SystematicBMX)コンディションは悪かったが、トップライダーであるほど、気になるセクショ ンの攻略に時間をかけていた (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa



エリート男子表彰式エリート男子表彰式 (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawaチャレンジ男子表彰式チャレンジ男子表彰式 (c)DOWNHILL SERIES / Hiroyuki Nakagawa注目の BMX ライダー三瓶将廣(SystematicBMX)も1分12秒に沈んだ。最後のランは、前日に雨の中での56秒台というスピードを見せつけた優勝候補の加藤将来(LOVEBIKES RACING/ACCEL)。だが、フィニッシュした瞬間、首を振る。井本はじめの初優勝が決まった。

井本はレース後、「序盤が上手くいきました。後半は少し苦手だったので最後のUターンで力みすぎてグリップ回っちゃってスリップダウンしそうになったり。でも、マッドのおかげで楽しさだけじゃなく、難しさがプラスされておもしろかったです!」と語った。2位には永田隼也(AKI FACTORY TEAM)が、3位には DOWNHILL SERIES 初出場の九島賛汰(玄武 NinjaTV)が入った。

できたてほやほやの短いコースながらも、「おもしろかった!」と声を揃えた参加者たち。「次はドライコンディションで走りに来たい!」とも。来年は、ドライになるだろうか。そのときに勝つのは誰だろうか。

雨は雨で、見応えと、ドラマと、次回への期待をくれる。次戦は2 週間後の 11 月 22 日?23 日。舞台は兵庫県たつの市の菖蒲谷森林公園・特設コースにて行われる。

report:DOWNHILL SERIES
photo:Hiroyuki.Nakagawa/SLmedia/atuyr(http://ryutaiwasaki.weebly.com)

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