東北シクロクロスプロジェクト第4戦が磐梯南ヶ丘牧場を舞台に開催され、最高峰カテゴリーは山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)が優勝し、前日の猪苗代に続く連勝を飾った。



起伏に富む猪苗代町・磐梯高原 南ヶ丘牧場が舞台となった起伏に富む猪苗代町・磐梯高原 南ヶ丘牧場が舞台となった 東北シクロクロスお決まりの集合写真をパチリ東北シクロクロスお決まりの集合写真をパチリ

C1スタートC1スタート


激登りを駆け上がる山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)と中間森太郎(TEAM edoco×グラファイトデザイン×GIRO)激登りを駆け上がる山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)と中間森太郎(TEAM edoco×グラファイトデザイン×GIRO) 舞台となったのはマウンテンバイカーにはおなじみのジンギスカップが毎年行われている磐梯南ヶ丘牧場。JCFセレクションレースを兼ねた第3戦が行われた前日の陽気から一転、2日の夕方から降り始めた雨は止むことなく降り続けコースをマディに変貌させ、加えて冷たい風がより一層寒さを助長し過酷なコンディション中のレースとなった。

後続を徐々に引き離す山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)後続を徐々に引き離す山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム) 今年のシクロクロス全日本選手権が行われる菅生のコースを仮想して設定されたコースは激しいアップダウンがあり、マッドコンディションも相まって誰一人として楽に走れるコースではなかったようだ。

常設のマウンテンバイクのクロスカントリーのコースとして設定してある箇所と新たにセクションを付け加え全長約2.7kmのコースの中には『激落ちくん』とネーミングされているドロップオフを逆に上るいわゆる「忍者返し」があったが、試走開始前の主催者側コースチェックで協議した結果カテゴリー1のみの使用となった。

単独2位を走行する松本駿(TEAM SCOTT)単独2位を走行する松本駿(TEAM SCOTT) レースが進むにつれスタートゴール付近から見渡せる丘に設定されたキャンバーセクションでは土の中に隠れていた木の根が露わになり、タイヤのグリップを突如として奪い、ライダーたちを苦しめる。下りのシングルトラックでは繊蜜なブレーキングコントロールが要求され転倒者を続出させる。C2以下のカテゴリーでは1度も転ばなかったライダーは一人もいなかったのではないだろうか。カテゴリー1のレース周回数がわずか5周というのを見れば、どれだけ厳しいコースだったのかを窺い知ることができる。

前日のレースに比べると半数以下の出走となった最高峰クラスのカテゴリー1は第4レースとして冷たい雨が降ったり止んだりの中で開始。スタートから飛び出したのは前日のレースを制しJCXランキングダントツのトップとなった弱虫ペダルシクロクロスチームの山本和弘。それに中間森太郎(TEAM edco×グラファイトデザイン×GIRO)とTEAM SCOTTの松本駿が続く。


3位を走る國井敏夫(MilePost BMC Racing)3位を走る國井敏夫(MilePost BMC Racing) 毎周ピットでバイク交換を行った山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)毎周ピットでバイク交換を行った山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)

2位に34秒差で逃げ切った山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)2位に34秒差で逃げ切った山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)


山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)と松本駿(TEAM SCOTT)が健闘を讃え合う山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)と松本駿(TEAM SCOTT)が健闘を讃え合う スタートから差を広げるも『激落ちくん』ならぬ『激登りくん』で中間森太郎が山本カズの文字通り背後まで詰め寄るも再び引き離される。中間を交わして2位に順位を上げた松本が山本カズを追い上げる。その差は2周回目で7秒。しかしそれ以上は詰め寄ることはできず、毎周回ピットでバイクを交換する山本カズに徐々に引き離され最終的は35秒差で山本和弘が2日連続優勝。2位には松本駿。3位には最終周回に順位をあげた國井敏夫(Mile Post Racing)が入った。

C1ポディウムC1ポディウム 優勝した山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)のコメント

L1 独走で優勝した武田和佳(Team CHAINRING)L1 独走で優勝した武田和佳(Team CHAINRING) 「今日は(松本)駿さんのプレッシャーがいい刺激になったので最後まで集中して走ることができたので駿さんにも國井さんにも感謝しています。この大会は今年の全日本のコースに似ていると言うことで参加を決めました。」

マスターズ 優勝した江川嘉宏(PEDAL NATION)マスターズ 優勝した江川嘉宏(PEDAL NATION) 「またマウンテンバイク選手時代は何度もこのコースを走ったことがあって、このコースを作っているスタッフの皆さんとも繋がりが強く、それもあって来たいなという気持ちがあったので、その皆さんの前でレースを走れたことがうれしいです。全日本選手権に繋がるいろいろな練習ができたなと思っていて、今年は全日本を勝ちに行きますので、皆さん応援お願いします。」

C2 ホールショットを決めた織田聖(Bottles and Chains)が終止独走C2 ホールショットを決めた織田聖(Bottles and Chains)が終止独走 また、C2、マスターズ、L1、L2の混走となった第3レースはC2の織田聖(Bottles and Chains)がスタートから独走し優勝。2位には前日の天神浜でシクロクロス初出走ながらC3で優勝したU17ロードレースとタイムトライアルの全日本覇者である沢田桂太郎(Team CHAINRING Espoir)沢田とチームメイトの久保田冬吾が3位になった。1位、2位はまだジュニア世代の為、U23世代の久保田がカテゴリー1への昇格切符を獲得。C2の表彰台は高校生の独占となった。

マスターズクラスは東北オヤジの星、江川嘉宏(PEDAL NATION)が最終周回に3位から一気に逆転し1年ぶりに優勝。L1クラスは2名だけの出走だったが、武田和佳(Team CHAINRING)が余裕のある冷静な走りで優勝。L2クラスでは第一回全日本選手権王者の武内典子(旧姓:川崎)が2日間連続優勝した。なお、C2の織田、L1の武田も2日間連続の勝利だ。

若者の『オヤジ狩り』はC2だけではとどまらず、C3でも1位の積田連(Team CHAINRING Espoir)、2位の小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM)の2人の中学生が上位に入った。

東北シクロクロスプロジェクトのシリーズは残す1戦は1月にスポーツランド菅生西コースで予定されている。その前に東北地区初開催となるシクロクロス全日本選手権のホストとしてスタッフの気持ちも引き締まる。

これまで何度かレースが行われた菅生モトクロスコース。一度たりとも同じコンディションはなく、季節がらマッドコンディションは避けられないであろう。その中で繰り広げられるであろうエリート男子の壮絶なバトルが楽しみだ。



リザルト
Category1(5周回)

1位 山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム) 55:33
2位 松本駿(TEAM SCOTT) +0:34
3位 國井敏夫(MilePost BMC Racing) +4:51
4位 中間森太郎(TEAM edoco×グラファイトデザイン×GIRO) +5:57
5位 佐復真人(WildBoars) +7:26
6位 國吉 正紀(BRIDLER) +8:33
7位 朽木聡(subtleSworks) +10:18
8位 澤田泰征(VOLCA転倒虫) +12:14
9位 山田夏樹(equipe mistral) +14:38
10位 金井仁(デラピスタ) -1LAP

Category 2(4周回)
1位 織田聖(Bottles and Chains) 45:04
2位 沢田桂太郎(Team CHAINRING Espoir) +2:02
3位 久保田冬吾(Team CHAINRING Espoir) +2:08

Category 3(3周回)
1位 積田連(Team CHAINRING Espoir) 31:58
2位 小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM) +2:58
3位 山田圭二(サガミ商会) +3:01

Category Master(4周回)
1位 江川嘉宏(PEDAL NATION) 49:42
2位 坂田智徳(あぶくまサイクリングクラブ) +0:35
3位 水竹真一(チームスキップ) +1:17

Category L1(3周回
1位 武田和佳(Team CHAINRING) 42:06
2位 林口幸恵(SNEL CYCLOCROSS TEAM) +4:43

Category L2(2周回)
1位 武内典子(宮城県遠田郡) 29:43
2位 高橋織江(PEDAL NATION) +1:38
3位 長谷川貴子(RIDE ON ウキウキバウア) +3:23

photo&text:Satoshi Oda(Kasukabe Vision FILMz)


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