計測精度、豊富な計測項目、クランクとしての性能、軽量性で昨年の登場以来注目を集めてきたローターのパワーメーター「ROTOR POWER」。その利点を残しつつ、ルイ・コスタ(ランプレ・メリダ)らサポートライダーの意見を取り入れ軽量化を図った「ROTOR POWER LT」が登場している。



ローター ROTOR POWER LT ローター ROTOR POWER LT  (c)ダイアテックプロダクツ
剛性と軽量性のバランスに優れるローターのアルミ製クランク「3D」シリーズをベースとしたローターのパワーメーター「ROTOR POWER」。クランクとセンサーの一体デザインによる高い計測精度、左右のバランスやスムーズネス(負方向の力の検知)などセンサーを左右それぞれに装備したことによる豊富な計測項目などで、トレーニングデバイスとして高い評価を得てきた。

しかし、2013年ロードレース世界チャンピオンのルイ・コスタ(ポルトガル)ら2014シーズンからサポートを開始したランプレ・メリダからはレース機材として「もっとシンプルで軽量なモデルを」というリクエストが。それに応え誕生したのが「ROTOR POWER LT」だ。センサーを左側のみとしたことや、Q-RINGSをより細やかに調整できるエアロ形状のMASから一般的な5アームデザインに変更したことにより、ノーマルモデルと比較して50gの軽量化に成功している。

左アームに装着されるセンサーユニットはLT専用設計品左アームに装着されるセンサーユニットはLT専用設計品 photo:Yuya.Yamamotoクランクシャフトは30mm径のアルミ製。クランクとしての性能も高められているクランクシャフトは30mm径のアルミ製。クランクとしての性能も高められている (c)ダイアテックプロダクツ

バッテリーはCR2477ボタン電池で、容易に交換できるバッテリーはCR2477ボタン電池で、容易に交換できる (c)ダイアテックプロダクツノーマルタイプのno-Qチェーンリング(52×36T)が付属するノーマルタイプのno-Qチェーンリング(52×36T)が付属する (c)ダイアテックプロダクツ


ROTOR POWERとROTOR POWER LTの性能比較図ROTOR POWERとROTOR POWER LTの性能比較図 (c)ダイアテックプロダクツ一方で、豊富な計測項目はそのままで、センサーはノーマルモデルとは異なるLTの専用品を採用。左右のペダリングバランスは計測不可なものの、ペダリングのスムーズさやトルク効率は左側の測定データを基に、独自開発のプロトコルによってデータ化され、専用ソフトウェアで表示することができる。外気温や変速時のショックに左右されづらい高い計測精度もノーマルモデルより踏襲される。

また、バッテリー交換が安易にできる点もノーマルモデルと共通だ。電池は家電量販店などで簡単に入手可能なボタンタイプのCR2477で、ランタイムは300~400時間。加えて、「感度が高すぎるが故に車の振動程度でセンサーが起動してしまうことから使用していない時にもバッテリーが消費してしまう」というランプレ・メリダが指摘した問題点は新ソフトウェアによって解消され、1.5kgの負荷を感知することで起動する用にアップデートされているとのこと。

もちろん、通信規格はANT+でガーミンEdge510/810をはじめ、パワー(W)が表示できるサイクルコンピューターを使用してデータを表示/収集が可能だ。また収集したデータは、ローターが配信している専用ソフトウェアのほか、各社の解析ソフトを使用してさらに細かなデータ解析ができる。

専用ウェアもROTOR POWER LT用にアップデートされており、よりシンプルで見やすくなっている専用ウェアもROTOR POWER LT用にアップデートされており、よりシンプルで見やすくなっている (c)ダイアテックプロダクツ外気温による誤差が発生しない信頼性高い計測精度も特徴だ外気温による誤差が発生しない信頼性高い計測精度も特徴だ (c)ダイアテックプロダクツ

ペダリングロスの原因となる負の力も検出できるペダリングロスの原因となる負の力も検出できる (c)ダイアテックプロダクツROTOR POWER LTを使用する2013ロードレース世界チャンピオンのルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)ROTOR POWER LTを使用する2013ロードレース世界チャンピオンのルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ) (c)CorVos


ラインナップはPCD別に110mmと130mm(発売時期未定)の2種類、長さ別に170mm、172.5mm、175mmの3種類が揃う。重量はPCD110mm/長さ170mmで535gと軽量で、ベースとなった3D+からの重量増は80gに抑えられている。シャフト径は30mmで、ローターがリリースしている各種BBと組み合わせることで、さまざな規格を採用するフレームに取り付け可能だ。

また、付属品としてPCD110mmには非エアロタイプの真円チェーンリングno-Q(ギア比52×36T)がセットされる。価格は146,000円(税別)とパワーメーターとしては非常にお手頃で、パワートレーニングに興味のある方や、既にペダリングスキルの高い上級者にオススメだ。取り扱いはダイアテックプロダクツ。



ローター ROTOR POWER LT
アクスル:アルミニウム製、直径30mm
サイズ:170mm、172.5mm、175mm
PCD:110mm、130mm(130PCDは発売時期未定)
重 量:535g (110PCD/170mm)
使用電池:CR2477
電池寿命:300~400時間
付属品:真円チェーンリングno-Q(110PCDの場合は52×36T)
価 格:146,000円(税別)