2014/10/23(木) - 11:18
クリテリウム優勝、そしてロードレース2位。ガーミン・シャープとともにジャパンカップを大いに盛り上げたイギリスのチームスカイは、チームキャンプ参加のためレース翌朝に宇都宮を発った。2年連続出場で見せ場を作ったチームスカイの日本滞在6日間を振り返ります。
水曜日、選手5名を含む総勢12名が成田空港に降り立った。メンバー全員がツアー・オブ・北京からの転戦組で、時差ボケが無いため到着するなり元気だ。ジャガー・ランドローバー・ジャパンの協力により用意されたジャガーXJ Supersport ロングホイールベースと、ランドローバーのディスカバリーとレンジローバースポーツに乗って都内に向かう。「ようやく空気を肺一杯に吸い込める」なんて半分本気の冗談を飛ばしながら湾岸線を行くうちに、遠くに東京の明かりが見えてきた。
週明けにイギリス・ロンドン近郊でチームキャンプ(メインはヨットでのセーリング)が行なわれるため、レース後のスケジュールはかなりタイト。そのため、東京に住む知人に会うエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(通称エディ)を除いて、選手たちはレース前に東京観光を済ませることにした。
半日観光ツアーの行き先は浅草寺とスカイツリーというコテコテの観光地。「日本に来たくてたまらなかった。実際に来てみて本当に最高な国だと感じた」と眼を輝かせるイアン・ボスウェル(通称ボズ)や「模造品でもいいから日本刀を買いたい」というドクターを先頭に仲見世通りを練り歩く。
本堂前にある常香炉で熱心に煙を頭から被っていたのはクリストファー・サットン(通称CJ)とケアラーのマルコ・ジャロ(元スキル・シマノのマッサーで土井雪広と旧知の仲)。終始メンバーの仲で冗談が飛び交い、とにかく仲が良い。
本堂で率先しておみくじに手を伸ばしたベルンハルト・アイゼル(通称バーニー)が引き当てたのは末吉だった。「良い春を迎えられる」という内容だったらしく「これで来年の春のクラシックは俺のもの」と笑う。良いご利益がありますように。ベン・スウィフト(通称スウィフティ)の結果は教えてくれなかった。
浅草寺からスカイツリーまで浅草線で2駅分地下鉄に乗る予定が、間近に見えるという理由で(実際は案外離れている)スカイツリーに徒歩移動。「ショッピング組」「スカイツリー組」「グルメ組」に別れて午後のひと時を過ごした。
北参道にあるRapha Cycle Club Tokyoに立ち寄ってファンとの交流や買物を楽しんだ後は、六本木ヒルズでのパーティーに参加。金曜日の宇都宮入りを前に選手たちは東京の夜を楽しんだようだ。
クリテリウムとロードレースでの活躍は既報の通り。両レースとも、プロトンの先頭に立って最も長い時間コントロールしていたのはアイゼルだ。おそらく観客が撮ったプロトン写真のほとんどにアイゼルが写り込んでいるはず。
逃げグループとのタイム差を計りながらペースをコントロール。一緒に集団をコントロールしたボスウェルにペース配分のダメ出しをし、空気を読まずに飛び出したヨーロッパ選手を叱り飛ばすシーンも。まさにプロトンのボスとして振る舞ったアイゼルは残り2周の古賀志林道で遅れ、引退する宮澤崇史(ヴィーニファンティーニNIPPO)とカルステン・クローン(オランダ、ティンコフ・サクソ)のために最終周回は再び風よけとなった。
観客の多さに驚きながらも、プロ選手としては当然のことだが、出来る限りファンとの時間を大事にする。土曜日も日曜日もレース後には観客をかき分けてスポンサーのRaphaブースに脚を運ぶ。
「レースの結果も良かったし、内容の濃い6日間だった。でもやはりもっとじっくり日本を堪能したかった。また来るしかない」。今シーズン途中で現役引退したガブリエル・ラッシュ監督(通称ガバ)は名残惜しそうにそう語る。最後までジェントルマンぶりを見せながら、チームスカイは月曜日朝5時発の羽田行きバスに乗り込んだ。
text&photo:Kei Tsuji
水曜日、選手5名を含む総勢12名が成田空港に降り立った。メンバー全員がツアー・オブ・北京からの転戦組で、時差ボケが無いため到着するなり元気だ。ジャガー・ランドローバー・ジャパンの協力により用意されたジャガーXJ Supersport ロングホイールベースと、ランドローバーのディスカバリーとレンジローバースポーツに乗って都内に向かう。「ようやく空気を肺一杯に吸い込める」なんて半分本気の冗談を飛ばしながら湾岸線を行くうちに、遠くに東京の明かりが見えてきた。
週明けにイギリス・ロンドン近郊でチームキャンプ(メインはヨットでのセーリング)が行なわれるため、レース後のスケジュールはかなりタイト。そのため、東京に住む知人に会うエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(通称エディ)を除いて、選手たちはレース前に東京観光を済ませることにした。
半日観光ツアーの行き先は浅草寺とスカイツリーというコテコテの観光地。「日本に来たくてたまらなかった。実際に来てみて本当に最高な国だと感じた」と眼を輝かせるイアン・ボスウェル(通称ボズ)や「模造品でもいいから日本刀を買いたい」というドクターを先頭に仲見世通りを練り歩く。
本堂前にある常香炉で熱心に煙を頭から被っていたのはクリストファー・サットン(通称CJ)とケアラーのマルコ・ジャロ(元スキル・シマノのマッサーで土井雪広と旧知の仲)。終始メンバーの仲で冗談が飛び交い、とにかく仲が良い。
本堂で率先しておみくじに手を伸ばしたベルンハルト・アイゼル(通称バーニー)が引き当てたのは末吉だった。「良い春を迎えられる」という内容だったらしく「これで来年の春のクラシックは俺のもの」と笑う。良いご利益がありますように。ベン・スウィフト(通称スウィフティ)の結果は教えてくれなかった。
浅草寺からスカイツリーまで浅草線で2駅分地下鉄に乗る予定が、間近に見えるという理由で(実際は案外離れている)スカイツリーに徒歩移動。「ショッピング組」「スカイツリー組」「グルメ組」に別れて午後のひと時を過ごした。
北参道にあるRapha Cycle Club Tokyoに立ち寄ってファンとの交流や買物を楽しんだ後は、六本木ヒルズでのパーティーに参加。金曜日の宇都宮入りを前に選手たちは東京の夜を楽しんだようだ。
クリテリウムとロードレースでの活躍は既報の通り。両レースとも、プロトンの先頭に立って最も長い時間コントロールしていたのはアイゼルだ。おそらく観客が撮ったプロトン写真のほとんどにアイゼルが写り込んでいるはず。
逃げグループとのタイム差を計りながらペースをコントロール。一緒に集団をコントロールしたボスウェルにペース配分のダメ出しをし、空気を読まずに飛び出したヨーロッパ選手を叱り飛ばすシーンも。まさにプロトンのボスとして振る舞ったアイゼルは残り2周の古賀志林道で遅れ、引退する宮澤崇史(ヴィーニファンティーニNIPPO)とカルステン・クローン(オランダ、ティンコフ・サクソ)のために最終周回は再び風よけとなった。
観客の多さに驚きながらも、プロ選手としては当然のことだが、出来る限りファンとの時間を大事にする。土曜日も日曜日もレース後には観客をかき分けてスポンサーのRaphaブースに脚を運ぶ。
「レースの結果も良かったし、内容の濃い6日間だった。でもやはりもっとじっくり日本を堪能したかった。また来るしかない」。今シーズン途中で現役引退したガブリエル・ラッシュ監督(通称ガバ)は名残惜しそうにそう語る。最後までジェントルマンぶりを見せながら、チームスカイは月曜日朝5時発の羽田行きバスに乗り込んだ。
text&photo:Kei Tsuji
Amazon.co.jp
Inside Team Sky (English Edition)
Simon & Schuster UK
The Team Sky Way
HarperSport