激闘の幕を閉じたジャパンカップ。2度めの勝利に歓喜するネイサン・ハースら上位3人と、アジア人最高位の別府史之、そして26位に終わった新城幸也らのレース後のコメントを紹介する。



フィニッシュラインに向けてバイクを投げ合うネイザン・ハース、グレガ・ボーレ、エドヴァルド・ボアッソンハーゲンフィニッシュラインに向けてバイクを投げ合うネイザン・ハース、グレガ・ボーレ、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン photo:Makoto.AYANO
2011年大会に続く2度目のジャパンカップ制覇 ネイサン・ハース(オーストラリア、ガーミン・シャープ)

ネイザン・ハース(ガーミン・シャープ)がVサインを繰り出すネイザン・ハース(ガーミン・シャープ)がVサインを繰り出す photo:Makoto.AYANO1月のツアー・ダウンアンダーからシーズンが始まって、2つのグランツールを走った長いシーズンだった。その最後のレースだから、どれだけ自分が調子を維持できているか判らなかった。でも昨日のクリテリウムを走って調子を確認。今日も走ってみて序盤にいいコンディションであることで自信が持てた。チームメイトたちが今日は僕のために走ると言ってくれたんだ。

最終ラップに入るメイン集団を強力に引く(ダニエル・マーティン)最終ラップに入るメイン集団を強力に引く(ダニエル・マーティン) photo:Makoto.AYANO最終盤のマーティンのサポートの走りはすごかった。彼はワールドクラスの選手で、その彼が全力で僕をアシストしてくれるんだから、僕には勝利以外の選択肢はなかった。2位というのは考えられなかったよ。彼は本当にウェポン(武器)だ。本当なら彼が勝つレース。彼にサポートされて、ラストのコーナーで飛び出した時、僕はすでに勝利を確信していたよ。

2011年のとき、コンチネンタルレベルのチーム、ジェネシスのライダーとして初来日してジャパンカップに勝った。だから日本は僕にとって特別な場所。日本が大好きなんだ。どの勝利も素晴らしいけど、この最高の国・日本で勝てた2つの勝利はどちらも素晴らしい。そして最後を勝利で締めくくって家に帰るのは本当に素晴らしいよ。

ジャパンカップは世界最高のレースで、ここにいる観客は地球上でベストだよ! 僕にとって心から大事なものだ。毎年このレースは大きくなっている。僕は毎年ここに帰ってくるよ。

僅差の2位 初出場のエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)

2位のエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)2位のエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ) photo:Makoto.AYANO本当に僅差の2位だった。当然勝ちたかったけれど、この場所にいるのは嬉しい。これがシーズン最後のレースで、素晴らしい体験になった。日本は初めて。観客が多くて応援の多さに驚いた。コースも良かった。2位になれて光栄だね。

3位のグレガ・ボーレ(スロベニア、ヴィーニファンティーニNIPPO)

僕らのチームにとってスポンサーのひとつであるNIPPOの国ということで、大切なレースの一つ。ホームレースなんだ。そのレースで良い走りができ、ワールドツアーのチームの選手たちと闘って表彰台に登れたことは、NIPPOにも誇りに思ってもらえるのではないかと思う。本当に多くの観客と応援。素晴らしいレースだった。

アジア人最高位の14位フィニッシュ 別府史之(トレックファクトリーレーシング)

トレックブースで別府史之がファンたちの声援に応えるトレックブースで別府史之がファンたちの声援に応える photo:Makoto.AYANO
観客の声援が途切れること無く、力をもらったので、走っていて本当に楽しかった。応援があまりにすごくて泣いちゃうかと思うぐらいの応援でした。今年はジロ・デ・イタリアとジャパンカップに重きをおいていたので、結果としては残念なものでした。作戦としてはアレドンドが先に山で行って、僕が少し遅れてから追いつくというのが作戦だったけど、僕が追いつくことができなかった。ジャパンカップは選手たちが幸せに思えるレースでした。

26位に終わった新城幸也(ユーロップカー)

集団内で走る新城幸也(ユーロップカー)集団内で走る新城幸也(ユーロップカー) photo:Makoto.AYANO昨日の時点でたくさんの人から応援してもらっていて、「頑張らなくては」って思っていました。最初からペースが速くて、久々のジャパンカップに「こんなんだっけ?」と思ったほどです。途中はワールドツアーのチームがコントロールしてペースを作っていて、集団内で最後のペースアップに備えながら楽に走れました。しかし、最後の1周のペースは速かったですね。

ユキヤはカメラを見つけると満面の笑みで好調をアピールユキヤはカメラを見つけると満面の笑みで好調をアピール photo:Makoto.AYANO世界選手権を走ってからレースが無い期間が空いてしまったので、そこで自分の中のパンチ力を失ってしまったというか、ギアを掛けて行くことができなかった。そこで着いて行けなかったのはちょっと残念です。直前までツアー・オブ・北京、ヨーロッパならロンバルディアを走っていた連中のレースペースに対応できなかった。

悔しいですね。先頭じゃなかったけど100%の力は出したんです。敗因はいっぱいありますね。でも負けたのは一人じゃないし、勝ったのは一人。レース中の脚の調子は良かったし、勝つつもりで走っていました。最後の登り勝負になることは判っていたので、最後に遅れたことがすべてです。

3年ぶりにジャパンカップに呼んでもらって、オルガナイザーに感謝しています。まださいたまクリテがあるので完全に休むわけにはいかないんですが、とりあえずは長いシーズンが終わったので、身体を休めてまた来年いい走りができるようにしたいと思います。今夜はパーティがあるんですが、祝勝会にならなかったのは残念。でもみなさんとおいしい食事と楽しめればと思います。

今後の目標は、来年もオーストラリアのツアー・ダウンアンダーから入る予定なので、どこかで1勝を挙げられれば。皆さんを楽しませることができたらと思います。

宮澤さんの引退はびっくりしました。ずっと一緒に走ってきたので、「引退かぁ」という感じです。でもそれは宮澤さんが決めたことなので...。(今はチームが違っても)タイ合宿なども一緒に楽しく走ってきた仲なので、居なくなるのは寂しいです。

※表彰台および記者会見、チームピットなどでのコメントから編集しています。

photo&text:Makoto.AYANO

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