2016年アジア選手権ロード&トラック、パラサイクリングが日本で開催される。ロードは伊豆大島、トラックはベロドロームが会場となる。リオ五輪の出場資格獲得を決める重要な大会だ。



2013年はインド・ニューデリーで開催されたアジア選手権ロードレース 2013年はインド・ニューデリーで開催されたアジア選手権ロードレース (c)Kenji NAKAMURA/JCF
トラックの舞台は国際規格を誇る伊豆ベロドロームだ(写真はジャパントラックカップより)トラックの舞台は国際規格を誇る伊豆ベロドロームだ(写真はジャパントラックカップより) photo:Hideaki Takagi10月3日、JCF・日本自転車競技連盟の入る自転車総合ビルにおいて2016年アジア選手権の記者発表会が行われ、開催概要が紹介された。会には2014アジア大会スプリントで金メダルを獲得した中川誠一郎、世界選手権女子ジュニアロードで13位に入った坂口聖香選手(日本体育大学)が出席した。

日本開催となる2016アジア選手権は、ロードレースを東京都大島町、トラックレースを静岡県伊豆市伊豆ベロドロームにて開催する。その双方においてパラサイクリング大会も実施する計画だ。開催日程はロードが1月19日〜24日。トラックが1月26日〜30日となる。

「生のレースの迫力を観に来て欲しい」と語る2014アジア大会スプリント金メダリストの中川誠一郎選手(JPCA熊本)「生のレースの迫力を観に来て欲しい」と語る2014アジア大会スプリント金メダリストの中川誠一郎選手(JPCA熊本) (c)MakotoAYANO伊豆大島ではトライアスロン大会の開催実績もすでに26年あり、サイクリストも多く訪れるため自転車レースの開催に意欲的だ。また、昨年10月の土砂災害からの「復興」の一環としての意味合いも持ち、大会開催を通じて全国のサイクリストを受け入れる「自転車の聖地」の発信を目指している。
おなじみの伊豆ベロドロームは国際規格のトラックとして世界に誇れる施設だ。

リオ五輪への出場資格がかかる重要な大会

「リオ五輪参加権を獲得できるように走りたい」と語る坂口聖香選手(日本体育大学)「リオ五輪参加権を獲得できるように走りたい」と語る坂口聖香選手(日本体育大学) (c)MakotoAYANOアジア選手権は、アジア自転車競技連合(ACC)が主催するアジア最高峰の自転車競技大陸選手権で、毎年開催されている。日本での開催は過去4回で、2008年奈良大会以来となる。
参加資格を持つACC加盟国は現在41カ国。アジア選手権はアジアナンバー1の選手を決める大会であると同時に、2016年オリンピック・リオデジャネイロ大会への参加権利を獲得する上で重要な大会となる。

伊豆大島、伊豆・修善寺、成田・羽田空港からのアクセス概念図伊豆大島、伊豆・修善寺、成田・羽田空港からのアクセス概念図 リオ五輪への参加資格が得るためには、ロード男子についてはワールド/アジア国別ランキングで上位に入ることが必要だが、女子ロードに関してはこの大会での優勝者の国にリオ五輪参加資格が与えられる(レース時点でランキングポイントによる参加資格未達の場合)。
またトラックレース上位入賞国にはリオ五輪参加資格獲得に算入されるUCIポイントが与えられるため、出場資格獲得への重要なステップとして位置づけらる。またパラサイクリング選手権大会においてもトラック種目のリオ・パラリンピック参加資格獲得に重要なポイントが与えられる。

伊豆大島がロードレース&TTの会場

ロードレース会場となるのは伊豆大島。東京・竹芝桟橋から高速船で1時間45分の好アクセスでありながら、美しい海岸線と登坂をもつロードレースに適した地形はUCI規則に準拠したコースが設定可能だ。

中川誠一郎、坂口聖香選手らを囲んでのフォトセッション中川誠一郎、坂口聖香選手らを囲んでのフォトセッション (c)MakotoAYANOタイムトライアルの舞台となるのは大島空港の西海岸沿い「サンセットパームライン」。伊豆大島トライアスロンのメインコースであり、数々のスポーツイベントが開催されている。周回コースの距離は10.2km、最大標高差25mのフラットなコースだ。往復折り返しによる周回路を、種目ごとに設定された周回数を走ることになる。

ロードレースのコースは島の西部、大島空港周辺の一般公道だ。スタート・フィニッシュ地点は元町地区中心の大島支庁前。スタートしてすぐ三原山登山道路を登り、椿花ガーデン、リス村・町営牧場を経てサンセットパームラインに入るという、伊豆大島の有名観光地を巡るパノラミックでテクニカルな一周11.9kmのコースだ。一周の獲得標高は193mと厳しい。両レースのスタート地点ともに元町港からは徒歩圏内だ。

記者会見では、主催者からの開催概要、大島町と伊豆市の各開催地に関する説明に加え、インチョン2014アジア大会スプリント金メダリストの中川誠一郎(JPCA熊本)と、坂口聖香(日本体育大学)がリオ参加枠獲得に向けた抱負を語った。
また、伊豆大島からは「椿の女王」、伊豆市より伊豆の踊子に扮した2人が駆けつけ、大会のメッセージを語った。

大会開催期間の1月下旬は寒さがもっとも厳しい時期となるため、ロードレースは必然的に厳しい闘いとなりそうだ。開催国の地の利を生かすという点では他国より有利であるとも言える。また、伊豆大島は都心からのアクセスも良く、観光地であるためファンたちも観戦に駆けつけやすいだろう。

開催概要
■名称
第36回アジア自転車競技選手権大会
第23回アジア・ジュニア自転車競技選手権大会
第4回アジア・パラサイクリング自転車競技選手権大会

■主催
アジア自転車競技連合(ACC, Asian Cycling Confederation)
公益財団法人日本自転車競技連盟(JCF, Japan Cycling Federation)
■主管 2016年アジア自転車競技選手権日本大会実行委員会
■共催(申請予定)東京都、大島町、静岡県、伊豆市

■開催日時    
ロードレース
東京都大島町 2016年1月19日(火)〜24日(日)
サンセットパームライン(タイムトライアル)
大島町西海岸コース(ロードレース)

トラックレース 
静岡県伊豆市 2016年1月26日(火)〜30日(土)
伊豆ベロドローム

タイムトライアル レース日程
1月19日(火) パラサイクリング
1月20日(水) 男子ジュニア 女子エリート
1月21日(木) 男子U23 男子エリート

ロードレース レース日程
1月22日(金) パラサイクリング 男子ジュニア
1月23日(土) 女子エリート 男子U23
1月24日(日) 女子ジュニア 男子エリート


photo&text:Makoto.AYANO