第95回ミラノ~トリノ。ゴールへと至る登りの序盤で抜け出したジャンパオロ・カルーゾとリナルド・ノチェンティーニがコンタドールやアルら強豪勢を振り切ってゴール勝負へと持ち込み、先行したカルーゾが自身久々の栄冠を掴んだ。



ブエルタ覇者アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が出場したブエルタ覇者アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が出場した photo:Riccardo Scanferla10月1日に開催されたミラノ~トリノ(1.HC)。第1回開催は1876年まで遡るほど非常に歴史が深く、「イタリア最古のレース」と呼ばれる大会だ。2008年から2011年にかけては開催を見送られていたものの、2012年に復活。今年は95回目の開催を迎えた。

チームメイトを率いて走るアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)チームメイトを率いて走るアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Riccardo Scanferlaその名の通りコースはりイタリア北部の都市ミラノから西進し、ピエモンテ州の州都であるトリノを目指す193.5km。序盤から後半にかけては緩やかな平坦路を行くものの、170km地点からは距離4km、獲得標高450mのトリネーゼの丘が、そしてほぼ同じスペックでゴールに上り詰めるスペルガの丘が用意される。

集団から抜け出したセルゲイ・チェルネツキ(ロシア、カチューシャ)とジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)、リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、AG2Rラモンディアール)集団から抜け出したセルゲイ・チェルネツキ(ロシア、カチューシャ)とジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)、リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、AG2Rラモンディアール) photo:Riccardo Scanferlaphoto:Riccardo Scanferlaそのため登坂能力に長けるオールラウンダーやパンチャータイプの選手に有利で、昨年の優勝者はディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)。今年は2012年に優勝を飾ったアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)やホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)など、ブエルタ・ア・エスパーニャで活躍した選手や、今週日曜日に控えるロンバルディアを見据えるビッグネームがスタートラインに並んだ。

スピーディーな展開で幕開けたレースは40km以上にも渡るアタック合戦の末、ジェローム・ピノー(フランス、IAMサイクリング)をはじめとする4名が先頭グループを形成。すぐさま5分ほどのリードを稼ぎだし席を急ぐ。

一方のメイン集団ではブエルタを総合5位で終えたファビオ・アル(イタリア)率いるアスタナがコントロールを開始し、ここにコンタドールを2年ぶりの勝利に導きたいティンコフ・サクソが加わったことで、タイム差は縮小の一途をたどる。最後まで逃げていたピノーも170km地点から始まるトリネーゼの登りで吸収された。

リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、AG2Rラモンディアール)を引き離したジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)が久しぶりの勝利リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、AG2Rラモンディアール)を引き離したジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)が久しぶりの勝利 photo:Cor.Vos人数の縮小したメイン集団からはジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)やアルベルト・ロサダ(スペイン、カチューシャ)らが飛び出してリードを得たものの、ティンコフ・サクソの追走によってスペルガの登り序盤で集団に飲み込まれる。

次いでセルゲイ・チェルネツキ(ロシア)とジャンパオロ・カルーゾ(イタリア)のカチューシャ2名、リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、AG2Rラモンディアール)がアタック。この動きがレースを左右する決定的な動きに繋がった。

コンタドールやアル、ロドリゲスなどエース級選手がペースアップとスローダウンを繰り返す中、先頭3名は15秒差で逃げ続ける。チェルネツキが残り1kmで脱落し、勝負はノチェンティーニとカルーゾに委ねられる。最後は渾身のアタックを2度繰り出したカルーゾが栄冠を手にした。

「今シーズンは惜しい所で何度も勝利を逃してきた。でも遂にやったんだ。」とは優勝したカルーゾ。雨のジロ・デ・イタリア第6ステージで落車リタイアを喫した後はブエルタに出場し、総合15位でフィニッシュするなど調子を上げていた。今回は2009年以来となる久しぶりの勝利だ。このレースでカチューシャは1位、3位(モレーノ)、5位(ロドリゲス)、7位(チェルネツキ)とトップ10に4人を送り込む大躍進。4位のアルや6位のコンタドールも好調ぶりをアピールした。



ミラノ〜トリノ2014表彰台 1位ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)、2位リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、AG2Rラモンディアール)、3位ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)ミラノ〜トリノ2014表彰台 1位ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)、2位リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、AG2Rラモンディアール)、3位ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) photo:Cor.Vos


ミラノ〜トリノ2014結果
1位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)
2位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
3位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
4位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
5位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
6位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
7位 セルゲイ・チェルネツキ(ロシア、カチューシャ)
8位 ダヴィデ・レベリン(イタリア、CCCポルサット)
9位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)
10位 マウロ・フィネット(イタリア、ネーリソットリ)
4h30'12"
+03"
+09"
+13"
+14"
+17"
+19"
+24"
+40"
+42"


text:So.Isobe
photo:Cor.Vos

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