まだまだ続くユーロバイクフォトレポート。今回も世界中からショーに集まったニューモデル&面白いプロダクトをジャンルレスに紹介していこう。(ユーロバイク2014の記事インデックスはこちらから)



リッチー(アメリカ)

ディスクブレーキ化されたSWISS CROSSディスクブレーキ化されたSWISS CROSS
溶接するトム・リッチーのイラストが描かれたおなじみのステッカー溶接するトム・リッチーのイラストが描かれたおなじみのステッカー 溶接痕をなるべく小さく抑えることで強度低下を防いでいる溶接痕をなるべく小さく抑えることで強度低下を防いでいる


アメリカのコンポーネントブランドであるリッチーはバイク、ホイール、コンポーネントの各ジャンルでニューアイテムを発表。ブースには創業者であるトム・リッチー氏が姿を現し、来場する各国のディストリビューターやメディアへのプロモーションに努めていた。

ファットバイク人気の波に乗ってリッチーもリリースするファットバイク人気の波に乗ってリッチーもリリースする コンパクトなシャローベンド採用するカーボンエアロハンドルWCS CLASSIC STREAMコンパクトなシャローベンド採用するカーボンエアロハンドルWCS CLASSIC STREAM

独自のサドル固定方式を搭載したSUPER LOGICシリーズ独自のサドル固定方式を搭載したSUPER LOGICシリーズ ポリッシュ仕上げが特徴的なCLASSICシリーズには新型が登場ポリッシュ仕上げが特徴的なCLASSICシリーズには新型が登場


バイクでは、シクロクロスバイク「SWISS CROSS」にディスクブレーキ仕様が登場。フレーム形状は大部分がカンチブレーキモデルと共通ながら、リアブレーキ台座周辺は大幅な変更が加えられている。セットされるフォークもストレートではなく、ベンドタイプに変更されている様だ。

ロード用エアロホイールAPEXシリーズには60mmハイトが追加されたロード用エアロホイールAPEXシリーズには60mmハイトが追加された
ブースに姿を現した創業者のトム・リッチー氏ブースに姿を現した創業者のトム・リッチー氏 トレンドのワイドプロファイルを採用する。ニップルは整備性の良い外出しトレンドのワイドプロファイルを採用する。ニップルは整備性の良い外出し


ホイールではトレンドのワイドプロファイルリムを採用したAPEXシリーズに60mmハイトが登場。コンポーネントではポリッシュ仕上げの「CLASSIC」シリーズにC260ステムやシャローベンドながらリーチとドロップ共にコンパクトなNEO CLASSICが追加されたのがトピックス。他にも、独自のヤグラを採用したSUPER LOGICシリーズのサドル&シートポストなども展示されていた。



フォーカス(ドイツ)

フルモデルチェンジを果たしたコンフォートバイク「CAYO」。フォーカスとしては初のディスクブレーキロードだフルモデルチェンジを果たしたコンフォートバイク「CAYO」。フォーカスとしては初のディスクブレーキロードだ
地元ドイツ国内でも屈指の規模を誇るフォーカス。最大のトピックスはロードのコンフォートモデル「CAYO」がフルモデルチェンジしたことで、細身のフォークをはじめレーシングモデル「IZALCO MAX」のデザインコンセプトを踏襲し走行性能を高めているようだ。

薄く扁平したシートステー。剛性維持のためか、シートステーブリッジは残されている薄く扁平したシートステー。剛性維持のためか、シートステーブリッジは残されている IZALCO MAXの流れを汲む細身のフォークIZALCO MAXの流れを汲む細身のフォーク

R.A.T.と名付けられた進化初のスルーアクスルを採用するR.A.T.と名付けられた進化初のスルーアクスルを採用する キャリパーブレーキモデルも用意されるキャリパーブレーキモデルも用意される


そして同社初となるディスクブレーキロードが新型CAYOにはラインナップされる。ホイールの固定に「R.A.T.」と呼ばれる独自のスルーアクスルを採用。これは反レバー側の先端にネジを切るのでは無く、T字として台座に引っ掛けることでホイールを脱着する際の時間短縮を実現するというもの。同時に固定力の向上も実現しており、ユーロバイクアワードを獲得した。

XCバイクRAVENは早くも電動XTRに対応したXCバイクRAVENは早くも電動XTRに対応した ブース外に置かれていたフォーカスのバイクに乗るAG2Rのチームカー。ユーロバイク前週に開催されたヴァッテン  フォール・サイクラシックスのプレートが貼られたままの状態で展示されていたブース外に置かれていたフォーカスのバイクに乗るAG2Rのチームカー。ユーロバイク前週に開催されたヴァッテン フォール・サイクラシックスのプレートが貼られたままの状態で展示されていた

CXバイクMARESもIZALCO MAXのテクノロジーを投入しフルモデルチェンジCXバイクMARESもIZALCO MAXのテクノロジーを投入しフルモデルチェンジ
そして、今年初めから話題となっていたCXバイクの新型MARESも正式に発表された。CAYO同様にIZALCO MAXのテクノロジーを取入れており、ホイールの固定は従来の一般的なQRレバーからR.A.T.スルーアクスルに変更されている。その他、MTBクロスカントリーのハイエンドモデル「RAVEN」が早くもシマノM9050系XTR Di2の内装ケーブル対応となった。



スラム・クオーク・ジップ・ロックショックス(アメリカ)

フロントシングルのシクロクロス用コンポーネントForce CX1フロントシングルのシクロクロス用コンポーネントForce CX1 油圧キャリパーブレーキも復活する油圧キャリパーブレーキも復活する

REDやFORCEと共通のレバー形状を採用するRIVALREDやFORCEと共通のレバー形状を採用するRIVAL フルモデルチェンジを果たしたRIVALはリア11sにフルモデルチェンジを果たしたRIVALはリア11sに


スラムは大きな注目を浴びてデビューを果たしながらもリコールによって供給がストップしていたロード/CX用油圧ブレーキシステムを再リリース。従来は2グレードのみの展開だったが、2015ラインナップではFORCEとRIVALを加えた4グレードに。この1年でシマノが急激にシェアを伸ばしたジャンルなだけに、スラムがどこまで奪い返すことができるかは業界全体の大きな関心事の1つになっている。

そして、メーカー純正コンポーネントとしては初となるフロントシングルの「FORCE CX1」も注目を集めており、バイクメーカーブースで展示されていたCXバイクの多くに取り付けられていた。また、サードグレードのRIVALがリア11速化と共にフルモデルチェンジを果たしている。

リムを拡幅し更なるエアロダイナミクスの向上を図ったジップ 404Firestrikeリムを拡幅し更なるエアロダイナミクスの向上を図ったジップ 404Firestrike
少し前までのカーボンクリンチャーにありがちだった危うさを微塵も感じさせない堅実な造り少し前までのカーボンクリンチャーにありがちだった危うさを微塵も感じさせない堅実な造り DURA-ACEのチェーンリングと互換性を持つクオーク Elsa RsDURA-ACEのチェーンリングと互換性を持つクオーク Elsa Rs


スラム傘下のパワーメータブランドであるクオークからは、ロード用新型モデル「Elsa Rs」が発表された。その最大の特徴は4アームのシマノ9000系DURA-ACEの純正チェーンリングに対応していること。ライバルメーカーのパーツを流用するなど奇想天外と考える方は多いと思われるが、かねてよりロードとMTBの両コンポーネントでシマノとの互換性を持たせているスラムらしい発想だ。

ジップは近年各社がラインナップを強化するカーボンクリンチャーホイールの新モデル「404 Firestrike」を投入。従来モデルとの差異はリム幅にあり、26.4mmに拡幅することでエアロダイナミクスの向上を図っている。また、トレッド面のディンプルが特徴的だったタイヤ「TANGENTE」も新型となり、リムとの段差をなくしたサイドウォール形状によって空力性能を高めつつ、転がり抵抗を低減しているとのこと。

世界初のファットバイク用サスペンションBluto。既に会場内の多くの展示車に取り付けられていた世界初のファットバイク用サスペンションBluto。既に会場内の多くの展示車に取り付けられていた 話題の倒立式XC用フォークRS-1話題の倒立式XC用フォークRS-1 重力的な軽さではなく動作の軽さを重視している重力的な軽さではなく動作の軽さを重視している


ロックショックスは話題の倒立式XC用軽量フォーク「RS-1」と世界初のファットバイク用サスペンション「Bluto」が大きなトピックス。早くも両モデルとも多くのブランドの完成車にスペックインされていた。



デダチャイストラーダ(イタリア)

デダチャイストラーダの新作エアロフレームATLETAデダチャイストラーダの新作エアロフレームATLETA
臼式シートクランプとすることで空気抵抗を低減臼式シートクランプとすることで空気抵抗を低減 ダウンチューブはオーソドックスな翼断面ダウンチューブはオーソドックスな翼断面


デダチャイのバイクフレーム部門であるデダチャイストラーダは、新型エアロロード「ATLETA」を発表。翼断面のチューブ形状を用いたオーソドックスかつシンプルなデザインは国内でも人気を呼びそうだ。重量は980gとチューブのボリュームとは裏腹に軽量に仕上がっている。

シンプルなデザインのアルミフレームAlluminioシンプルなデザインのアルミフレームAlluminio テーパーヘッドなどモダンなデザインでまとめたクロモリフレーム Acciaio Zero Replicaテーパーヘッドなどモダンなデザインでまとめたクロモリフレーム Acciaio Zero Replica

チタンフレームK-19 TitaniumチタンフレームK-19 Titanium チューブメーカーとしての側面も残っているチューブメーカーとしての側面も残っている


自社ブランドのフレームとしてはカーボンがメインとなっているが、ピナレロを始めとした数々のバイクブランドに金属パイプを供給していた時代の名残は残っており、今回のユーロバイクでもアルミ、チタン、クロモリなど各素材で意欲的な新型フレーム及びチューブを展示していた。



text&photo:Yuya.Yamamoto