ツアー・オブ・ブリテン最終日は午前中に8.8kmの個人タイムトライアル、午後に88.8kmのロードレースを行なうハーフステージ方式。イギリスチャンピオンジャージを着るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)が最速タイムで表彰台に登った。



第8aステージ スタートを待つブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)第8aステージ スタートを待つブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:www.tourofbritain.co.uk


第8aステージ ロンドン市街地コースに繰り出すブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)第8aステージ ロンドン市街地コースに繰り出すブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:www.tourofbritain.co.uk午前中の個人タイムトライアルは総合成績をひっくり返す実質的に最後のチャンス。ロンドン市内を駆け抜けるコースで最速タイムを叩き出したのは地元ロンドン子(出身はベルギー)のウィギンズだった。

シルヴァン・シャヴァネル(フランス、IAMサイクリング)を8秒、スティーブ・クミングス(イギリス、BMCレーシング)を9秒差で下したウィギンズのタイムは9分50秒で、平均スピードは53.7km/h。この好成績によってウィギンズは総合3位にジャンプアップする。

「ロンドンで勝てて嬉しい。この個人TTは総合成績と並んで重要な目標だった。世界選手権を前に調子の良さを感じている。時間をかけて調整してきたので、調子の良さを確認出来てよかった」とウィギンズ。

リーダージャージを着て走ったディラン・ファンバールレ(オランダ、ガーミン・シャープ)は25秒差のステージ11位と健闘。ステージ6位に入ったミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)に10秒差に迫られながらも総合首位を守った。



第8aステージ トップタイムで優勝したブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)第8aステージ トップタイムで優勝したブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:www.tourofbritain.co.uk第8aステージ リーダージャージのディラン・ファンバールレ(オランダ、ガーミン・シャープ)はステージ11位第8aステージ リーダージャージのディラン・ファンバールレ(オランダ、ガーミン・シャープ)はステージ11位 photo:www.tourofbritain.co.uk
第8aステージ 最速タイムで優勝したブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)第8aステージ 最速タイムで優勝したブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:www.tourofbritain.co.uk
第8bステージ リーダージャージを着て走るディラン・ファンバールレ(オランダ、ガーミン・シャープ) 第8bステージ リーダージャージを着て走るディラン・ファンバールレ(オランダ、ガーミン・シャープ)  photo:www.tourofbritain.co.uk第8bステージ 攻撃を仕掛けるミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)第8bステージ 攻撃を仕掛けるミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) photo:www.tourofbritain.co.uk


第8bステージ 先頭でフィニッシュするマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)とマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)第8bステージ 先頭でフィニッシュするマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)とマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ) photo:www.tourofbritain.co.uk個人タイムトライアルと共通の市街地周回コースで行なわれた午後のロードレースは、開始直後からペースが全く落ちないハイスピードな展開に。アレックス・ダウセット(イギリス、モビスター)らが果敢にアタックを仕掛けた。

第8bステージ ガッツポーズするマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)第8bステージ ガッツポーズするマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ) photo:www.tourofbritain.co.uk中盤にかけてスティーブ・クミングス(イギリス、BMCレーシング)を含む4名の先頭グループが形成されたものの、タイム差は1分以内に押さえ込まれる。ガーミン・シャープやオメガファーマ・クイックステップの集団牽引によって残り6km地点で逃げは捉えられ、そこからリードアウトトレインが発進した。

ジャイアント・シマノとオメガファーマ・クイックステップが先頭で競り合いながら残り1km。最終コーナーを先頭で抜けたマーク・レンショー(オーストラリア、オメガファーマ・クイックステップ)がリードアウトし、その後ろからマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)とマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)が加速した。

ほぼ同じタイミング、ほぼ同じ残り150mでスプリントを開始したカヴとキッテル。一進一退の攻防の末、両者横並びでフィニッシュラインを切る。先着したのはキッテルだった。今シーズン13勝目を飾ったキッテルは「初日と最終日に勝てて良かった。しかもロンドンなので格別だ。シーズン終盤のレースに向けて士気が高まるよ。今日は強力なリードアウトのおかげで勝つことが出来た」とコメントする。キッテルは同じくロンドンにフィニッシュしたツール・ド・フランス第3ステージでも勝利している。

そして10秒差を守り抜いたファンバールレが総合優勝。ビッグネームを下した22歳のネオプロがキャリア最大の勝利を手にした。



第8bステージ 総合表彰台に登るクヴィアトコウスキー、ファンバールレ、ウィギンズ第8bステージ 総合表彰台に登るクヴィアトコウスキー、ファンバールレ、ウィギンズ photo:www.tourofbritain.co.uk


第8aステージ結果 8.8km個人タイムトライアル
1位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)             9'50"
2位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、IAMサイクリング)           +08"
3位 スティーブ・クミングス(イギリス、BMCレーシング)             +09"
4位 ヤン・バルタ(チェコ、ネットアップ・エンデューラ)             +14"
5位 マティアス・ブランドル(オーストリア、IAMサイクリング)          +15"
6位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)+16"
7位 ライアン・ミューレン(アイルランド、アンポスト・チェーンリアクション)   +20"
8位 アレックス・ダウセット(イギリス、モビスター)
9位 クリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、ティンコフ・サクソ)     +24"
10位 マルティン・コーラー(スイス、BMCレーシング)               +25"

第8bステージ結果 88.8kmロードレース
1位 マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)           1h50'33"
2位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ニコラ・ルッフォニ(イタリア、バルディアーニCSF)
4位 エンリケ・サンス(スペイン、モビスター)
5位 リック・ツァベル(ドイツ、BMCレーシング)
6位 イアン・ウィルキンソン(イギリス、チームラレー)
7位 ダニエル・マクレー(イギリス、イギリスナショナルチーム)
8位 ニコライ・トルソーフ(ロシア、ティンコフ・サクソ)
9位 アダム・ブライス(イギリス、NFTO)
10位 シェーン・アーチボルド(ニュージーランド、アンポスト・チェーンリアクション)

個人総合成績
1位 ディラン・ファンバールレ(オランダ、ガーミン・シャープ)        32h22'50"
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) +10"
3位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)               +22"
4位 エドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF)           +37"
5位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)            +42"
6位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)                   +46"
7位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、IAMサイクリング)            +50"
8位 アレックス・ダウセット(イギリス、モビスター)                +54"
9位 ヤン・バルタ(チェコ、ネットアップ・エンデューラ)             +1'09"
10位 ディラン・テウンス(ベルギー、BMCレーシング)              +1'10"

ポイント賞
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)

山岳賞
マーク・マクナリー(イギリス、アンポスト・チェーンリアクション)

チーム総合成績
IAMサイクリング

text:Kei Tsuji
photo:www.tourofbritain.co.uk

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