9月7日よりイギリス全土を舞台とする8日間のステージレース、ツアー・オブ・ブリテンが開幕。リバプールを発着する第1ステージは集団スプリントに持ち込まれ、追い上げをかわしたマルセル・キッテルが優勝。リーダージャージに袖を通した。



マスコットキャラクターと写真に収まるベン・スウィフトとイアン・スタナードマスコットキャラクターと写真に収まるベン・スウィフトとイアン・スタナード photo:www.tourofbritain.co.ukサインをするブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)サインをするブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:www.tourofbritain.co.uk

「リバービルディング」前を通過する選手たち「リバービルディング」前を通過する選手たち photo:www.tourofbritain.co.uk


快晴に恵まれたツアー・オブ・ブリテン第1ステージ快晴に恵まれたツアー・オブ・ブリテン第1ステージ photo:www.tourofbritain.co.ukイギリス最大のステージレース、ツアー・オブ・ブリテン(2.HC)の幕が今年も切って落とされた。例年と変わらずコース全体の難易度は低く、8日間の内訳は平坦ステージ2、クラシックステージ4、頂上ゴール2(うち1つが1級山岳頂上ゴール)、個人タイムトライアル1。開幕ステージはリバプール市街地に設定された13.1kmのコースを周回するクリテリウム形式で行われた。

マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)と二コラ・ルッフォーニ(イタリア、バルディーニ・CSF)が接戦を繰り広げるマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)と二コラ・ルッフォーニ(イタリア、バルディーニ・CSF)が接戦を繰り広げる photo:www.tourofbritain.co.uk地元イギリスが誇るチームスカイなど、8つのプロツアーチームを始めとする20チームが参加し、ゼッケン1は昨年度の優勝者であるブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)。ほかにマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)やマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)など、ブエルタを回避したスター選手もエントリーリストに名を連ねた。

表彰台に立つマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)表彰台に立つマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ) photo:www.tourofbritain.co.ukレースはスタート後早々に逃げが決まり、リチャード・ハンドリー(イギリス、ラファコンドールJLT)、マーク・マクナリー(イギリス、アンポスト・チェーンリアクション)、ソニー・コロブレッリ(イタリア、バルディーニ・CSF)という3名が1分半差で逃げる展開で後半まで推移。コース途中にある3級山岳ポイントで点を集めたマクナリーが山岳賞の首位に立つ。

中間スプリント賞 ソニー・コロブレッリ(イタリア、バルディーニ・CSF)中間スプリント賞 ソニー・コロブレッリ(イタリア、バルディーニ・CSF) photo:www.tourofbritain.co.ukスピーディーな展開で後半戦に移行すると、カヴェンディッシュを勝たせたいオメガファーマ・クイックステップがペースアップを開始する。逃げを捉える寸前でスティーブ・クミングス(BMCレーシング)やアレックス・ダウセット(モビスター)といったイギリス勢が攻撃するも失敗に終わり、代わってウィギンズやネットアップ・エンデューラ勢主導のもと残り1kmのゲートをくぐった。

各チームが思うようにトレインを組めずにいる中、残り300mで仕掛けたのはアダム・ブライス(イギリス、NFTO)。しかしその勢いは最後まで持続せず、トム・フィーラース(オランダ)の好アシストを受けたキッテルが発進。追いすがる二コラ・ルッフォーニ(イタリア、バルディーニ・CSF)とカヴェンディッシュを振り切ってゴールに飛び込んだ。

「再び勝つことができた!1ヶ月半前のシャンゼリゼ以来の勝利だ。最終盤はかなり殺伐としていたけれど、トム(フィーラース)が素晴しい働きで僕を引き上げてくれた。この勝利で次のステージからリラックスして走ることができる。これから勝てなかった分を取り戻していくよ;-) 」とはキッテル。ボーナスタイムを-10秒稼いだことでリーダージャージにも袖を通した。

地元での勝利を狙っていたカヴェンディッシュは、序盤に見舞われた不運によって思う通りスプリントができなかった。「チームカーの後ろを走っていたとき、その前で誰かがパンクして急ブレーキ。左に避けたら別のクルマに強く左脚をぶつけてしまったんだ。復帰にも時間が掛かったし、脚には強い痛みを感じていた。座ったままスプリントをするほかに術が無く、3位という結果になってしまった。」と語っている。怪我は大事に至らず、第2ステージ以降も出走予定だ。

キッテルのコメントはオフィシャルサイトより。



ツアー・オブ・ブリテン2014 第1ステージ結果
1位 マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)              2h16'35"
2位 二コラ・ルッフォーニ(イタリア、バルディーニ・CSF)
3位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
5位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
6位 マーカス・バリー(オランダ、ベルキン)
7位 ダニエル・マクレー(イギリス、イギリスナショナルチーム)
8位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、IAMサイクリング)
9位 ニコライ・トルソーフ(ロシア、ティンコフ・サクソ)
10位 エンリケ・サンズ(スペイン、モビスター)

個人総合成績
1位 マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ) 
2位 ソニー・コロブレッリ(イタリア、バルディーニ・CSF)
3位 二コラ・ルッフォーニ(イタリア、バルディーニ・CSF)
4位 ジョン・モールド(イギリス、NFTO)
5位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 リチャード・ハンドリー(イギリス、ラファコンドールJLT)
7位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
8位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
9位 マーカス・バリー(オランダ、ベルキン)
10位 ダニエル・マクレー(イギリス、イギリスナショナルチーム)
2h16'25"
+01"
+04"

+06"
+07"
+10"





ポイント賞
マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)

山岳賞
マーク・マクナリー(イギリス、アンポスト・チェーンリアクション)

text:So.Isobe
photo:www.tourofbritain.co.uk

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