来季コフィディスへの移籍が決まっているナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)によるゴールスプリント制覇。ブエルタ・ア・エスパーニャ2日目を終えた選手たちのコメントをお届けします。

ゴールスプリントを制したナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)

登り基調のスプリントで勝利したナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)登り基調のスプリントで勝利したナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr) photo:Tim de Waeleチームをプレッシャーから解くために、出来るだけ早く勝利を掴みたかった。これからはリラックスしてレースに挑めるよ。これは大事なことだ。フランス選手権以降、エネコツアーでステージ1勝しただけだったので、この勝利は自分に自信を与えてくれる。コンディションはこれから上向きになるだろう。チャンスがあれば迷わず狙っていく。

まだ第2ステージなので何とも言えないけど、グリーンジャージ(ポイント賞)を守るためには中間スプリントも狙う必要が出てくるだろう。でもジャージに囚われることはないよ。次なる目標はステージ2勝目だ。

昨日のフランス選手権ジュニアロードレースで弟のラヤン(18歳)が勝ったんだ。自分の勝利のように嬉しくて、なかなか寝付けなかった。弟は自分にとって大事な存在。彼の勝利のおかげで、今日何としても勝ちたいという欲求が沸いたんだ。

追い上げ届かず2位に終わったジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)

先頭でスプリントを開始するナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)先頭でスプリントを開始するナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr) photo:Tim de Waeleチームとして少し先頭に出るタイミングが早すぎた。その結果、肝心なところでパワー不足になったんだ。後方に追いやられ、前を塞がれてしまった。残り1kmでラモン(シンケルダム)が前を塞がれて脱落したことも敗因になった。FDJの走りこそジャイアント・シマノが計画していた走り。好機を逃したことは悔しいけどまだチャンスは残されている。今回の反省を踏まえて、より強い体制で勝負に挑みたい。

スプリント3位のロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)

トップスリーに絡めたことには満足している。ブアニの走りは抜きん出ていた。今日は最終コーナーの順番で勝負が大方決まっていたと思う。かと言ってめちゃくちゃ離されたわけじゃない。これから数日間はステージ優勝のチャンスがある。

ステージ4位に入ったヤスパー・ストゥイフェン(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)

初出場のグランツールでこの成績は嬉しいよ。でもまだスペシャルなことを成し遂げたわけじゃないい。

ステージ5位のフランチェスコ・ラスカ(イタリア、カハルーラル)

満足感を得ているものの、本当の満足感を得ることが出来るのは1人(勝者)だけだ。フィニッシュラインで両手を突き上げたい。有力スプリンターが多く出場している中での5位は悪くない。コーナーが連続する今日のレイアウトはブアニ向きだった。彼が俊敏であることは誰もが知っている。

マイヨロホを手にしたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

マイヨロホを獲得したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)マイヨロホを獲得したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Tim de Waeleリーダージャージを着るのはいつだって興奮する。終盤に小さな丘が登場する明日のステージでは、優勝を狙うか、ジャージを手放すべきかまだ分からない。今日はチームメイトの誰がリーダージャージを獲得してもおかしくない状態で、中切れでタイムを失わないように位置取りした結果、自分に出番が回ってきた。正直言うとアシストの選手がリーダージャージを手にして欲しかったんだけど。

ジャージを守るためにボーナスタイムを争うなんてことはしない。ステージ優勝すれば自動的にボーナスタイムが付いてくる。自分が勝とうがナイロ(キンタナ)が勝とうが、来季以降もモビスターで走ることを決めている。

逃げに乗り、マイヨコンビナーダを手にしたヴァレリオ・コンティ(イタリア、ランプレ・メリダ)

逃げグループを形成するジャック・ヴァンレンスバーグ(南アフリカ、MTNキュベカ)ら4名逃げグループを形成するジャック・ヴァンレンスバーグ(南アフリカ、MTNキュベカ)ら4名 photo:Tim de Waele今日は監督の指示通りに走って、ブエルタ最初の逃げに乗った。スタート後すぐに登りが始まったので、逃げグループに入るのは決して簡単なことではなかった。残り20kmで捕まるまで上手く協調体制を築けていたと思う。

開幕の2〜3日前に、ブエルタ出場の出番が回ってくるかも知れないと告げられたんだ。金曜日の朝、つまり開幕前日の朝に出場が決まり、すぐに荷物をまとめてスペインに飛ぶように言われた。慌ただしかったけど、プレッシャーを感じることなく初グランツールを迎えることが出来たよ。ナンバー1を付けての出場だけど、自分はホーナーのような偉大なチャンピオンではないし、少なくとも今年はブエルタで総合優勝することなんて出来ない。まだ21歳で、3週間の闘いで身体がどんな反応を見せるのか分からない。とにかく完走したいと思う。

山岳賞ジャージを手にしたネイサン・ハース(オーストラリア、ガーミン・シャープ)

コースブックを見て、最初のKOMがスタートからたった10kmの位置だったので、逃げに乗って頂上を先頭で通過しようと思った。だから自分のレースは最初の10kmで終わった。ガーミン・シャープのブエルタ出場の目的はダニエル・マーティンとライダー・ヘシェダルの総合成績なんだ。だから風が吹くステージ後半に彼らをサポートする必要があった。初出場のブエルタで初のジャージ獲得。とても名誉なことだけど、ジャージをキープするために明日のステージで動くことはないよ。

text:Kei Tsuji