標高2945mの峠まで登りっぱなしの山岳個人タイムトライアルで、リーダージャージを着るティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)が快走。1年前に自身が塗り替えたコースレコードを35秒も更新する圧倒的な走りを披露した。



トップタイムを叩き出したリーダージャージのティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)トップタイムを叩き出したリーダージャージのティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング) photo:Tim de Waele


USAプロチャレンジ2014第6ステージUSAプロチャレンジ2014第6ステージ image:USA Pro ChallengeUSAプロチャレンジ第6ステージは山間の街ヴェールを舞台にした個人タイムトライアル。全長16.1kmのコースは登りっぱなしで、コース全体の平均勾配は3%。前半は平坦基調で、後半にかけて5%ほどの斜面が続く。

大歓声を受けて登りを進むイェンス・フォイクト(ドイツ、トレックファクトリーレーシング)大歓声を受けて登りを進むイェンス・フォイクト(ドイツ、トレックファクトリーレーシング) photo:Tim de Waele実質的に総合優勝者を決めるこの最終日前日の個人TTで、リーダージャージのヴァンガーデレンが他を圧倒した。

ステージ2位に入ったトム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ)ステージ2位に入ったトム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ) photo:Tim de Waele逆転を狙う総合2位トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ)も好走したが、ヴァンガーデレンが更にその上を行く。終わってみればステージ2位のダニエルソンを53秒も引き離すタイムでステージ優勝。本降りの雨もヴァンガーデレンを止めることは出来なかった。

同じコースで行なわれた昨年の個人TTでヴァンガーデレンは25分02秒のコースレコードをマークしてステージ優勝。当時、2011年にリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ)がマークしたコースレコードを46秒も上回る圧倒的なタイムだった。しかし今回は更にそのコースレコードを36秒も塗り替えてみせた。

「ヴェールでの個人TTはこれが3回目。初めて走った時は前半から追い込み過ぎ、後半に失速してリーダージャージを失った。去年は何とか総合首位を守ったけど、苦しみながらハンドルにしがみついているような状態だった。今回はスタートからフィニッシュまで脚に力を感じ、落ち着いて走ることが出来たんだ」と、大会連覇に王手をかけたヴァンガーデレンはコメントしている。

ステージ2位のダニエルソンが総合2位を守り、ステージ3位に入ったセルゲイ・トヴェトコフ(ルーマニア、ジェリーベリー・マキシス)がラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)を退けて総合3位に浮上。現役最後のタイムトライアルを走ったイェンス・フォイクト(ドイツ、トレックファクトリーレーシング)はステージ18位だった。

選手コメントはレース公式サイトより。



ステージ4位に入ったラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)ステージ4位に入ったラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waeleシエラネバダペールエールを獲得したトップスリーシエラネバダペールエールを獲得したトップスリー photo:Tim de Waele



USAプロチャレンジ2014第6ステージ結果
1位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
2位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ)
3位 セルゲイ・トヴェトコフ(ルーマニア、ジェリーベリー・マキシス)
4位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
5位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)
6位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング)
7位 バルトス・フザルスキー(ポーランド、ネットアップ・エンデューラ)
8位 ジョゼフ・ロスコプフ(アメリカ、ヒンカピースポーツウェア)
9位 マシュー・ブッシュ(アメリカ、トレックファクトリーレーシング)
10位 カーター・ジョーンズ(アメリカ、オプティム・ケリーベネフィット)
24'26"
+53"
+1'08"
+1'29"
+1'40"
+1'55"
+2'07"
+2'17"
+2'20"
+2'21"


個人総合成績
1位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
2位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ)
3位 セルゲイ・トヴェトコフ(ルーマニア、ジェリーベリー・マキシス)
4位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
5位 マシュー・ブッシュ(アメリカ、トレックファクトリーレーシング)
6位 ジョゼフ・ロスコプフ(アメリカ、ヒンカピースポーツウェア)
7位 バルトス・フザルスキー(ポーランド、ネットアップ・エンデューラ)
8位 カーター・ジョーンズ(アメリカ、オプティム・ケリーベネフィット)
9位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング)
10位 ブルーノ・ピレス(ポルトガル、ティンコフ・サクソ)
17h20'22"
+1'32"
+1'45"
+1'49"
+3'11"
+3'31"
+3'35"
+3'43"
+3'44"
+5'35"


ポイント賞
キール・レイネン(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)

山岳賞
ベン・ジャックメイネス(アメリカ、ジェーミス・ハーゲンスベルマンス)

ヤングライダー賞
クレメン・シェヴリエ(フランス、ビッセルデヴェロップメント)

チーム総合成績
BMCレーシング

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele