雨と風に見舞われたエネコ・ツアー第2ステージでゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)が勝利。大会連覇を狙うチェコチャンピオンが総合首位に立った。



オランダ南部の平野部を行くオランダ南部の平野部を行く photo:Cor Vos


逃げるアレクシ・グジャー(フランス、AG2Rラモンディアール)ら3名逃げるアレクシ・グジャー(フランス、AG2Rラモンディアール)ら3名 photo:Cor Vosオランダ南部のワールウェイクとフレイメンを中心にした大小の周回コースで行なわれたエネコ・ツアー第2ステージ。ほぼ真っ平らなコースで、進行方向が小刻みに変化する様は初日の第1ステージと共通だ。

メイン集団を牽引するベルキンメイン集団を牽引するベルキン photo:Cor Vosこの日はパヴェル・ブラット(ロシア、カチューシャ)、アレクシ・グジャー(フランス、AG2Rラモンディアール)、ケヴィン・ファンメルセン(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)の3人がエスケープを試みる。序盤からタイム差が6分まで広がる平坦ステージらしい展開に。スプリントポイントでボーナスタイムを連取したブラットが総合4位まで順位を上げる結果となった。

ケヴィン・ファンメルセン(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)らが最大6分リードで逃げるケヴィン・ファンメルセン(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)らが最大6分リードで逃げる photo:Tim de Waele最も積極的に集団を牽引したのはフィニッシュ地点フレイメンが地元のラース・ボーム(オランダ)擁するベルキンだった。昨年ボームは同じフレイメンにフィニッシュするステージで勝利を目指したもののアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)らにその野望を阻止されている。

スプリントでベルキン勢を振り切るゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)スプリントでベルキン勢を振り切るゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Tim de Waele風と雨を伴うナーバスなコンディションの中、リードを失った先頭グループでは残り12km地点からブラットの独走が始まる。一方のメイン集団では総合優勝候補の一角トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)がパンク。ホイール交換によって1分を失ったドゥムランをジャイアント・シマノが全力で引き上げた。続いて落車したマッテオ・トレンティン(イタリア)をオメガファーマ・クイックステップが引き上げるシーンも。

スプリントを制したゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)スプリントを制したゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Tim de Waele先頭ブラットは残り5kmを切って吸収。その時点でメイン集団は中切れによって細分化されており、ベルキンやオメガファーマ・クイックステップが人数を揃えてペースを上げ続ける。20名ほどに縮小した集団によるステージ優勝争いが始まった。

残り1kmでボームとスティバル、マヌエル・クインツィアート(イタリア、BMCレーシング)の3名が飛び出したが、キャノンデールの牽引によって引き戻される。続いてバウク・モレマ(オランダ、ベルキン)がボームのためにリードアウト。その後ろからスティバルが荒々しくスプリントを開始した。

ボームとファンマルクのベルキンデュオを振り切って、チェコチャンピオンジャージが先行。大会連覇が懸かった現シクロクロス世界チャンピオンが貫禄のステージ優勝を飾った。

「ラース(ボーム)とクインツィアートがロングスパートを仕掛けたので迷わず反応した。パーフェクトな展開だったよ」と勝者は語る。ボーナスタイムによってスティバルが総合首位に立ち、ボームが1秒差で続く展開となった。

翌日は9.6kmの個人タイムトライアル。総合2位ボームが有利だということはスティバルも認めるところだ。「自分はTTのスペシャリストではない。でも幸い個人TTの距離が長過ぎず、オフシーズンにかけてTTバイクでトレーニングを積んだので全力を尽くすよ。明日は自分にとって大きな試練になる。今年はタフなステージがいくつも設定されているので連覇は難しいかも。でも調子は良いんだ」。

昨年大会総合2位のドゥムランは懸命の追走も届かず14秒遅れ。スティバルやボームが総合リードを広げる中、総合争いにおいてディスアドバンテージを被ってしまった。

選手コメントはレース公式サイトより。



リーダージャージに袖を通したゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)リーダージャージに袖を通したゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Tim de Waele



エネコ・ツアー2014第2ステージ
1位 ゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 ラース・ボーム(オランダ、ベルキン)
3位 セプ・ファンマルク(ベルギー、ベルキン)
4位 マルコ・マルカート(イタリア、キャノンデール)
5位 マヌエル・クインツィアート(イタリア、BMCレーシング)
6位 ロイ・ヤンス(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
7位 ダヴィデ・アッポローニオ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
8位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)
9位 ジュリアン・ヴェルモト(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 スティグ・ブロークス(ベルギー、ロット・ベリソル)
4h06'16"










個人総合成績
1位 ゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 ラース・ボーム(オランダ、ベルキン)
3位 セプ・ファンマルク(ベルギー、ベルキン)
4位 パヴェル・ブラット(ロシア、カチューシャ)
5位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
6位 マルコ・マルカート(イタリア、キャノンデール)
7位 ニコライ・トルソーフ(ロシア、ティンコフ・サクソ)
8位 ロイ・ヤンス(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
9位 アイディス・クルオピス(リトアニア、オリカ・グリーンエッジ)
10位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)
8h29'39"
+01"
+06"
+07"
+09"
+10"





ポイント賞
ラース・ボーム(オランダ、ベルキン)

スプリント賞
ケニース・ファンビルセン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)

チーム総合成績
ベルキン

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele

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