チームスカイのリクエストによって誕生したピナレロのグランフォンド/北のクラシック用レースバイク「DOGMA K」がフルモデルチェンジを果たした。その最大のトピックスはカーボンにあり、新開発の制振素材を採用することで快適性を追求。加えて空力性能の向上をも実現している。



ピナレロ DOGMA K Think2(960/ブラックレッド)ピナレロ DOGMA K Think2(960/ブラックレッド) (c)ピナレロ・ジャパン
新型DOGMA Kに乗ってパリ~ルーベを走るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)新型DOGMA Kに乗ってパリ~ルーベを走るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.AYANO今回フルモデルチェンジした「DOGMA K」は、今年4月のパリ~ルーベで実戦投入され、ブラドレー・ウィギンズやゲラント・トーマス(共にイギリス、チームスカイ)の好走を支えたレーシングバイク。その特徴は石畳を走る北ヨーロッパのクラシックレースを勝つために開発され、快適性と走行性能を高バランスで両立したこと。加えてブルベや山岳グランフォンドの様な過酷なロングライドにも対応するなど高い寛容性をもつ。

新型の最大の変更点は東レがDOGMA Kのために開発した新素材を採用し、快適性を向上させたこと。カーボンのグレードは2014モデルと変わらず、大きな荷重がかかる部分に65tグレードのベリーハイモジュラスカーボンファイバーを使用する一方で、コンポジットを構成するマトリクス樹脂を、制振効果を持つ新開発のマトリクスレジンに変更。東レ独自のNanoalloyテクノロジーを応用することで、一般的にマトリクス樹脂に混ぜ物をした際に起こる重量増加や強度低下を招くことなく振動吸収性を高めることに成功した。

加えてエアロダイナミクスを向上させたこともトピックス。従来モデルでフレーム及びフォークの表面に設けられていた波状のリブを廃し、スムーズなエアフローを実現。シートチューブは円形断面から翼断面へと変更し空気抵抗の低減を図っている。これに伴い、シートポストも翼断面の専用品となっている。また他モデルと同様に、BBシェルがPF30規格から、信頼性に優れるイタリアン規格に変更されたことも見逃せないポイントだ。

翼断面に変更されたシートチューブ及びシートポスト翼断面に変更されたシートチューブ及びシートポスト (c)カワシマサイクルサプライ波状のリブを廃しスムーズなエアフローを実現したフロントフォーク波状のリブを廃しスムーズなエアフローを実現したフロントフォーク (c)ピナレロ・ジャパン


その他は従来モデルと共通で、ピナレロのアイデンティティであるアシンメトリックデザインを採用し高い駆動効率を達成。フロントフォークはDOGMA K専用のONDAデザインとし、下側1-1/2インチのテーパードヘッドや安定性重視のCenturyRideジオメトリーと併せて、堅実なハンドリング特性を実現した。一方でシートステーは大きくなベンドを持つCenturyRideシートステーとし、新素材との相乗効果によって振動吸収性を更に高めている。コンポーネントはThink2システムにより電動/機械式コンポーネントのいずれにも対応する。

販売パッケージはフレームセットのみ。サイズは42SL、45SL、48.5SL、51SL、52SL、53SL、54SL、55SLの8種類で、全てスローピングとなる(54SL及び55SLは受注生産)。カラーは960/ブラックレッドの1色展開だ。

パリ~ルーベで実戦投入されたピナレロ 新型DOGMA K(写真はブラドレー・ウィギンズのバイク)パリ~ルーベで実戦投入されたピナレロ 新型DOGMA K(写真はブラドレー・ウィギンズのバイク) photo:Makoto.AYANO

ピナレロ DOGMA K Think2(フレームセット)
フレーム素材:Carbon 65HM1K Nanoalloy Torayca
フロントフォーク:ONDA K Carbon 65HM 1K Nanoalloy Torayca
BBシェル:スレッド・イタリアン
対応コンポーネント:Think2(電動式/機械式両対応)
サイズ:42SL、45SL、48.5SL、51SL、52SL、53SL、54SL、55SL(C-C、全てスローピング)
カラー:960/ブラックレッド
価 格:599,000円(税抜)