JCFが日本ナショナルMTBチームの公式ジャージを発表した。XC用は先に発表されたナショナルジャージに即したもので、DH用は富士山と日の丸をイメージした新デザイン。記者会見では新しいジャージに袖を通した選手たちが意気込みを語った。



新しいジャージをまとった中村美佳、中川弘佳、沢田時。右側は中田明ウエイブワン代表と鈴木雷太コーチ新しいジャージをまとった中村美佳、中川弘佳、沢田時。右側は中田明ウエイブワン代表と鈴木雷太コーチ photo:So.Isobe


契約締結について語る中田明氏(ウエイブワン代表)契約締結について語る中田明氏(ウエイブワン代表) photo:So.Isobe記者会見が行われたのは東京・表参道にある「バイクフォーラム青山」。ちょうど6年後の2020年、東京オリンピックが開幕する7月24日に合わせ、ウエイブワンとJCFのMTB公式ユニフォーム契約・新ジャージ発表会が行われた。

ウエイブワンのレーシング用ハイエンドモデル「レジェフィットPRO」ウエイブワンのレーシング用ハイエンドモデル「レジェフィットPRO」 契約は東京オリンピックが開催される2020年までの6年間。「この協力体制を選手強化の基盤とし、東京オリンピックまでの6年間で最高の成果を出していきたい」とJCFはリリース内でコメントする。会見ではMTB唯一のオリンピック競技であるXCO(クロスカントリー)用ジャージはもちろん、新たなDH(ダウンヒル)用の新デザインジャージもデビューを飾った。

新しくなったダウンヒルジャージ。日の丸と富士山をモチーフとしたインパクトのあるデザイン新しくなったダウンヒルジャージ。日の丸と富士山をモチーフとしたインパクトのあるデザイン photo:So.Isobeクロスカントリー競技用に供給されるのは、ウエイブワンのレーシング用ハイエンドモデル「レジェフィットPRO」グレードのウェア。イタリア語で「軽さ」を意味する通り、バタつきを低減するため素材の伸縮性を考慮し、専用のカッティングでフィット感を追求した軽量ジャージだ。

「国としての力をアップし東京五輪でメダルを獲りたい」鈴木雷太コーチ「国としての力をアップし東京五輪でメダルを獲りたい」鈴木雷太コーチ photo:So.Isobeデザインは昨年のサイクルモードで発表されたものと同様で、そのコンセプトは「ゼブラに学ぶ"知性"と野性的な"強さ"の両面を兼ね備えるデザイン」。バイオミミクリー(生物模倣)と呼ばれ高機能ウェア開発の最先端をいくもので、シマウマの柄模様を参考に白と黒の温度差でジャージ表面に発生する冷却効果を狙ったものだ。

「東京五輪をしっかりと意識して取り組んでいきたい」沢田時(ブリヂストン・アンカー)「東京五輪をしっかりと意識して取り組んでいきたい」沢田時(ブリヂストン・アンカー) photo:So.Isobeまた、ダウンヒル競技のジャージはXC用のデザインを考慮しつつ、全面に日の丸と富士山をあしらったインパクトの強いデザインに。こちらは従来品よりもスリムなカッティングを採用した未発売モデルで、追って市販化も行いたいという。

ウエイブワン代表を務める中田明氏はジャージについて、「選手の負担をなるべく軽減し、かつパフォーマンスを発揮してもらうように設計している。これからの協力体制の中で選手達から積極的にフィードバックを得て、更に高品質な製品を2020年までに作りたい。」とコメント。

また「MTB競技の発展のためには選手が活躍できる場を作り、それをたくさんの企業がサポートしなければならない。若手選手には積極的に海外へと出て、2020年にメダルを獲れるよう頑張ってもらいたい」と加えた。

この発表会には先のMTB全日本選手権で男子U23カテゴリー2連覇を飾った沢田時(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)とMTB・ダウンヒル競技で活躍する中川弘佳(Lovespo.com/ laugh laugh)、中村美佳(福井和泉MTB PARK)という各選手、そしてナショナルチームの鈴木雷太コーチが参加。

鈴木コーチは「日本をモチーフとした、非常に海外からの反響も良さそうなジャージだと思います。ジャージに伴う結果も出していきたい」と語る。リオ五輪に向けては「現在は山本幸平選手が個人ランキングで13位につけているため参加枠を一つ確保しています。今後は国としての力をアップし東京五輪でメダルを獲りたい。これがMTBの人気を高めるために必要なことです。」と意気込んだ。


新しいジャージをまとった中村美佳、中川弘佳、沢田時新しいジャージをまとった中村美佳、中川弘佳、沢田時 photo:So.Isobe


沢田選手はジャージについて、「普段チームジャージとして使っているウェアなので気に入っています。フィッティングや通気性も良いですし、トレイルでもポケットから物が落ちません」と好評価。26歳という年齢で迎える東京五輪については「まずはアンダー世代のうちに力を伸ばし、UCIポイントを1つでも多く獲得して国別ランキングに貢献したい。東京までの6年は長いようであっと言う間だと思います。それをしっかりと意識して取り組んでいきたいですね。」と語った。

text&photo:So.Isobe
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