2014年6月28日に北イタリアのトレンティーノ=アルト・アディジェ州で開催されたイタリア選手権ロードレースで、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)がダヴィデ・フォルモロ(キャノンデール)とのスプリントを制して勝利。キャリア初のイタリアチャンピオンジャージを手にした。



メイン集団をコントロールするアスタナやキャノンデールメイン集団をコントロールするアスタナやキャノンデール photo:Riccardo Scanferla


リンゴ畑が広がる丘陵地帯が舞台リンゴ畑が広がる丘陵地帯が舞台 photo:Riccardo Scanferla例年トロフェオ・メリンダとして開催されているワンデーレースが今年はイタリア選手権として開催。距離は例年よりも長い220.5kmで、起伏に富んだコースが用意された。

先頭グループを率いるマッテーオ・ラボッティーニ(イタリア、ネーリソットリ)やミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)先頭グループを率いるマッテーオ・ラボッティーニ(イタリア、ネーリソットリ)やミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ) photo:Riccardo Scanferlaレースは序盤に形成された7名の逃げを大集団が追う展開となり、キャノンデールやアスタナの追撃によってタイム差は縮小。UCIコンチネンタルチームを中心にした逃げが早々に吸収されると、UCIプロチームによる闘いが始まる。

フォルモロを振り切ってフィニッシュするヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)フォルモロを振り切ってフィニッシュするヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Riccardo Scanferlaオメガファーマ・クイックステップやキャノンデール、アスタナ、AG2Rラモンディアール勢のアタックによって集団は縮小。先頭ではニーバリやミケーレ・スカルポーニ(アスタナ)、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(AG2Rラモンディアール)、マッテーオ・ラボッティーニ(ネーリソットリ)、ダヴィデ・フォルモロ(キャノンデール)、イヴァン・サンタロミータ(オリカ・グリーンエッジ)という強力なグループが形成される。

一旦は後続グループが追いつき、残り10kmの時点で先頭は11名に。ここからスカルポーニによる強力なペースアップが始まる。最後の登りに差し掛かり、残り2kmでラボッティーニのアタックを切っ掛けに先頭グループは崩壊。そこから更にニーバリが加速すると、食らいつけたのは21歳のフォルモロだけだった。

ツール・ド・スイス総合7位という成績を残したネオプロと、ツール・ド・フランスを見据えるニーバリによる一騎打ち。2人が先頭交代を繰り返しながら残り1kmを切り、ゴールスプリントに持ち込まれる。経験で勝るニーバリがフォルモロを振り切った。

今シーズンここまで未勝利が続き、イタリアメディアの矢面に立っていたニーバリが、ツールを前にした大きなタイトル。「これでようやく解放される」とは新イタリアチャンピオンの声だ。

「今日はチーム同士のゲームだった。スカルポーニをはじめ、チームメイトに感謝している。ツール前の良いコンディションを無駄にしたくなかった。このトリコローレが大きなモチベーションに繋がるよ。ツールだけではなく、1年間このジャージに敬意を払って走りたい」。ニーバリはイタリアチャンピオンジャージを着てツールに挑む。

選手コメントはガゼッタ紙より。



トリコローレを獲得したヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)トリコローレを獲得したヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Riccardo Scanferla


イタリア選手権2014ロードレース結果
1位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)
2位 ダヴィデ・フォルモロ(キャノンデール)
3位 マッテーオ・ラボッティーニ(ネーリソットリ)
4位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(モビスター)
5位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール)
6位 ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)
7位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(AG2Rラモンディアール)
8位 サルヴァトーレ・プッチォ(チームスカイ)
9位 マウロ・フィネット(ネーリソットリ)
10位 イヴァン・サンタロミータ(オリカ・グリーンエッジ)
5h40'54"

+06"
+07"
+12"

+23"
+25"
+29"
+41"



text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla