6月20〜22日の3日間、フランス南部でルート・ドゥ・スッド (UCI2.1)が開催され、第2ステージで独走勝利したニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)がリードを保ち総合優勝。新城幸也(ユーロップカー)は総合36位でレースを終えている。



ルート・ドゥ・スッド第2ステージプロフィール。トゥールマレーを通過したルート・ドゥ・スッド第2ステージプロフィール。トゥールマレーを通過した 第1ステージのスタートラインに並ぶ新城幸也(ユーロップカー)第1ステージのスタートラインに並ぶ新城幸也(ユーロップカー) photo:Miwa.Iijima集団をコントロールするモビスター集団をコントロールするモビスター photo:La Route du Sudミディ・ピレネー(フランス中南西部)で行われる3日間の山岳ステージレース、ルート・ドゥ・スッド。毎年ツールの開催2週間前に開催され、コースにはツールの山岳ステージの一部が組み込まれることが特徴だ。

2位争いのスプリントはアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)に軍配2位争いのスプリントはアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)に軍配 photo:La Route du Sudこのためツールへと照準を合わせるトップ選手が参加し、今年はユーロップカー、AG2Rラモンディアール、モビスター、FDJ.fr、ティンコフ・サクソという5つのプロチームを含む15チームが参戦。

スタート前に談笑するマイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)スタート前に談笑するマイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:La Route du Sudモビスターがアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)をエースに主力級メンバーを揃えたほか、ニコラス・ロッシュやマイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)、ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)が参加。ユーロップカーからは新城幸也が参戦し、ディフェンディングチャンピオンであるトマ・ヴォクレール(フランス)が不参加のためゼッケン1を引き継いだ。

新城幸也(ユーロップカー)ら8名が逃げる新城幸也(ユーロップカー)ら8名が逃げる photo:Miwa.Iijima今年は第2ステージが頂上ゴールとなり、その序盤にはツールの第18ステージにも組み込まれているカテゴリー1級のトゥールマレー峠を通過するというレイアウト。レースはティンコフ・サクソとモビスターが支配することとなる。

レクトールからペイオールへの171kmで開催された開幕ステージは、アクセル・ドモン(フランス、AG2Rラモンディアール)ら4名の逃げでスタートした。モビスター勢がペースを刻むメイン集団は終盤にエスケープをキャッチし、後半の3級山岳で集団は40名ほどにまで縮小し、残り4kmから飛び出したヘスス・エラーダ(スペイン、モビスター)が独走勝利。新城は6秒遅れの集団内でゴールし、「ジロ以来のレースにしては上出来」とコンディションを確認した。

翌第2ステージは序盤に標高2115mのトゥールマレー峠をパスし、140km地点で1級山岳アスパン峠、そしてゴールに同じく1級のヴァル・ルーロン峠が待ち構えるというクイーンステージ。序盤から9名のエスケープが形成され、トゥールマレーはミカエル・ドラージュ(フランス、FDJ.fr)が先頭通過した。アスパンで逃げがキャッチされると、最後の峠でニコラス・ロッシュの登坂力が炸裂。バルベルデを含む精鋭グループを45秒引き離して独走勝利し、総合優勝を引き寄せた。

そして6月22日(日)に行われた第3ステージでは、全日本チャンピオンジャージを着て走る新城が序盤にアタック。8名で逃げグループを形成すると、後半になって追い上げるメイン集団を嫌うように単独で抜け出し、ここに集団からブリッジを掛けたアドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター)とジョシュア・エドモンソン(イギリス、チームスカイ)が合流に成功。3人でのスプリントに持ち込まれるかと思いきや、残り2kmからマローリがアタック。元イタリアTT王者の独走力を発揮し、単独でゴールに飛び込んだ。新城とエドモンソンはゴール手前300mで吸収され、86位でフィニッシュしている。

結果的に第2ステージで稼いだ45秒差をロス無く守り切ったロッシュが総合優勝。総合3位にはマイケル・ロジャースが入り、ティンコフ・サクソは総合ワン・スリーでチーム総合成績でも優勝。ステージ2勝をマークしたモビスターと共にチーム力の高さを見せつけた。

ロッシュがステージレースで総合優勝するのは今回が初めてのこと。「フィニッシュした時は何とも言えない感情に満ちていた。チームメイトに感謝したいし、これは彼らの勝利でもある。ツール前に良いパフォーマンスを発揮できて良かったし、出場を楽しみにしている」と語っている。

また、新城は「勝ちたかった…。本当に残念。でも最後まで積極的に攻めた結果だ。ジロ以来のレースで、3日間で徐々にコンディションも上がり、次のレースに向けて良い感触もつかめた。このジャージを着てツール、ジロなどヨーロッパのレースやワールドツアーを走り日本人選手もこの舞台で走っていることをアピールできてうれしかった。」と口にした。

ロッシュのコメントはチーム公式サイト、新城のコメントはTeamユキヤ通信 より。



6月20日(金)第1ステージ レクトール〜ペイオール 171.7km

第1ステージを制したヘスス・エラーダ(スペイン、モビスター) 第1ステージを制したヘスス・エラーダ(スペイン、モビスター)  photo:La Route du Sud
1位 ヘスス・エラーダ(スペイン、モビスター)                       4h22'07"
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)                   +06"
3位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
4位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)
5位 ロメン・ハーディ(フランス、コフィディス)
29位 新城幸也(ユーロップカー)



6月21日(土)第2ステージ バニェール・ド・ビゴール〜ヴァル・ルーロン 178.6km

独走でゴールに飛び込むニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)独走でゴールに飛び込むニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ) photo:La Route du Sud
1位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)
2位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 
4位 ケニー・エリッソンド(フランス、FDJ.fr)
5位 メルハウィ・クドス(エリトリア、MTNキュベカ)
37位 新城幸也(ユーロップカー)
5h17'04"
+45"



+8'01"




6月22日(日)第3ステージ サン=ゴーダンス〜カストル 179.4km

新城幸也(ユーロップカー)らを振り切ってゴールに飛び込むアドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター)新城幸也(ユーロップカー)らを振り切ってゴールに飛び込むアドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター) photo:La Route du Sud
1位 アドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター)                   4h07'51"
2位 ベンジャミン・ジロー(フランス、ラポムマルセイユ)                 +05"
3位 マキシム・ダニエル(フランス、AG2Rラモンディアール)
4位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
5位 トニ・ウレル(フランス、ユーロップカー)
86位 新城幸也(ユーロップカー) 



個人総合成績

総合成績トップスリー。マイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)が中央に総合成績トップスリー。マイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)が中央に photo:La Route du Sud
1位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 
3位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)
4位 カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームスカイ)
5位 メルハウィ・クドス(エリトリア、MTNキュベカ)
6位 ステファン・ロゼット(フランス、ビッグマット)
7位 ケニー・エリッソンド(フランス、FDJ.fr)
8位 ダヴィ・アローヨ(スペイン、カハルーラル)
9位 イアン・ボスウェル(アメリカ、チームスカイ)
10位 ジュリアン・ベラール(フランス、AG2Rラモンディアール)
36位 新城幸也(ユーロップカー)
13h47'07"
+45"
+49"
+53"
+55"


+1'25"
+1'32"
+1'49"
+8'08"


山岳賞
アレクシ・ヴュイエルモーズ(フランス、AG2Rラモンディアール)

ポイント賞
ニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)

ヤングライダー賞
メルハウィ・クドス(エリトリア、MTNキュベカ)

チーム総合成績
ティンコフ・サクソ

text:So.Isobe
photo:La Route du Sud

最新ニュース(全ジャンル)