2012年のツール覇者であるブラドレー・ウィギンズ(イギリス)がチームスカイのツール出場メンバーから外れたことを認めた。また、再びツールを走るためにチームを移籍する意向を示した。



現地時間金曜朝、イギリスBBCテレビのインタビューに「このままでは、恐らくツールのスタートラインには立てない」と語ったウィギンズ。「フルームにはツールで2勝目を挙げる大きな可能性があるし、チームも連覇のためにフルームを中心としたサポート体制を敷くだろう。だから、がっかりだけど僕はツールには出場できないだろう」。

ツアー・オブ・カリフォルニア2014で総合優勝を果たしたブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)ツアー・オブ・カリフォルニア2014で総合優勝を果たしたブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) 2012年のツールでウィギンズをアシストするクリス・フルーム。すでに確執が噂されていた2012年のツールでウィギンズをアシストするクリス・フルーム。すでに確執が噂されていた photo:Makoto Ayanoウィギンズはドーフィネの代わりにツール・ド・スイスへの出場を予定。その後はグラスゴーで7月に開催されるコモンウェルスゲームに、個人とチームの両方でパシュート競技に参加する。そして、8月に開幕するブエルタ・ア・エスパーニャへの参加を希望しているという。

「勘違いしないでほしいのだが、僕のモチベーションは高いし、この冬はかなりハードなトレーニングを積んできた。2年前にツールを勝ったときと同じぐらい調子がいいけど、ロードレースがチームスポーツであり、要するにチームで勝利することが重要であることも理解している。だからチームはディフェンディングチャンピオンのクリスをツールに参加させるんだ」

また、金曜日のレキップ紙によれば、木曜日にウィギンズはパリで行われたイベントに姿を現し、再びツールに出場するためにチームを離れることを示唆したという。チームスカイとの契約が今シーズン末に終了するウィギンズは、2016年のリオデジャネイロ五輪にトラックのチームパシュートで参加するため、残りの2年間をトラック競技復帰へのトレーニング期間に充てるとしていた。

しかし、「この冬にトラック競技に復帰しようと計画していたけど、調子が良いのにツールに出場できなかったことをキッカケに、オリンピックに本当に出場したいのかという疑問を抱くようになった。」と語るウィギンズはトラック競技への復帰を取りやめる意向を示した。

「だからこの冬はトラック競技には復帰しないつもりだし、ロードレースに集中していく。そして、パリ~ルーベに再び挑戦し、強力なアシストとしてツールを戦い、マイヨジョーヌを後ろに従えてシャンゼリゼに凱旋したい。でも、スカイでは僕の願いは叶わないだろう。だから今は様々な可能性を考えているし、現状ではスカイからのオファーは未だない。」

ウィギンズはこれまでにオリカ・グリーンエッジのみと話し合いを持ったことを認めているが、マシュー・ホワイト監督との間では具体的な契約交渉はまだ行っていないという。
「今年ツールに出場できなかったら、来年以降もきっと同じはずだ。もし、僕がツールを走りたいと考えているなら、自らスカイを去る」と語るウィギンズ。今後の去就に注目が集まる。

text:Yuya.Yamamoto