ツアー・オブ・カリフォルニアも開催一週間目。第7ステージは集団スプリントに持ち込まれ、ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)が持ち前の瞬発力で優勝。ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)は総合優勝にあと一歩まで迫った。



カリフォルニア州南部の山岳地帯を走るカリフォルニア州南部の山岳地帯を走る photo:Cor.Vos
逃げたベン・キング(アメリカ、ガーミン・シャープ)逃げたベン・キング(アメリカ、ガーミン・シャープ) photo:Cor.Vosツアー・オブ・カリフォルニアは全ての難関山岳ステージを終え、残すは2つステージのみ。5月17日に開催された第7ステージは、カリフォルニア州南部の街サンタクラリタからパサデナへと至る142.8kmで開催された。

ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)が登りをこなすペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)が登りをこなす photo:Cor.Vos州道2号線をひた走るこの日のコースは、スタート直後から一気に標高差1200mを登り詰め(ミルクリーク・サミット、カテゴリー3級)、すぐさまアッパー・ビッグ・トゥジュング(カテゴリー2級)へ。このKOMポイントからゴールまでの50kmは下りと平坦で構成されている。

アルゴス・シマノが牽く集団が最終周回に入るアルゴス・シマノが牽く集団が最終周回に入る photo:Cor.Vos獲得標高は2300mを越えるものの難易度はそれほど高くなく、"上れるスプリンター"ならば問題なく勝負ができるコースレイアウト。114名の選手達は11時40分にサンタクラリタからスタートしていった。

この日は逃げがなかなか決まらず、序盤にテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)らが逃げたものの吸収され、次いで飛び出したベン・キング(アメリカ、ガーミン・シャープ)やフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)ら7名が飛び出し、集団はこれを見送った。

先頭7名はチームスカイがコントロールする集団に対して2分を稼ぎだすと、山岳ではアタックが勃発。メンバーを減らしながらダウンヒルをこなし、ゴールラインを目指していく。

ダウンヒルと平坦を経て、ゴールまで残り30km地点でタイム差は35秒。次々とメンバーを切り離していく先頭はキングとファンアフェルマートの2名のみとなるが、スプリントへの意欲を高める集団を引き離すには至らず。すぐ後ろにキャノンデールが牽く集団を従えた状態でパサデナの周回コースに突入した。

集団からはヨス・メンデス(ポルトガル、ネットアップ・エンデューラ)が2人にブリッジを仕掛けたが、序盤から逃げた2人はペースが上がらない。吸収のタイミングが近づくと、今度は集団からエロイ・テルエル(スペイン、ジェーミス・ハーゲン)がアタックするも、残り周回のカウントミスで沈黙。「勝利を望むことができた。誰も見ていないから良いけど(爆)」と自身のTwitterでコメントしている。

残り3kmを切ると、スプリントを狙うジャイアント・シマノやトレック・ファクトリーレーシングが争うようにして集団の先頭に立つ。単独で飛び出した総合9位のアレクシス・アセヴェド(コロンビア、ガーミン・シャープ)の動きは封じられ、BMCレーシング優勢で残り1kmを切った。



待望の勝利を挙げたペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)待望の勝利を挙げたペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール) photo:Cor.Vos


祝福を受けるペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)祝福を受けるペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール) photo:Cor.Vosコーナーが左右に連続するテクニカルなコースで、一足先に仕掛けたのはリードアウトを受けたトル・フースホフト。しかしその横をペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール) が追い抜いていく。サガンの勢いはそのまま留まらず、ポイント賞リーダーが力強くガッツポーズを披露した。

「今日勝つことができてとてもハッピーだよ。」とはサガン。第1ステージでは4位、第4ステージは8位、そして第5ステージでは逃げ切ったフィニーの後ろでスプリントを制して2位。コンスタントにカリフォルニアで結果を残しながらも勝利に見放されていたが、ようやく勝利をたぐり寄せた。「チームがものすごい働きをしてくれた。この勝利はみんなのものだ。今はただただ嬉しい。」



総合優勝に王手をかけたブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)総合優勝に王手をかけたブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Cor.Vosステージ上位3名の表彰ステージ上位3名の表彰 photo:Cor.Vos



また、リーダージャージのブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)は問題なく集団内でゴールしており、総合優勝に大手をかけた。翌最終ステージはサウザンド・オークス市街地でのサーキットコースで争われる。華やかなスプリント勝負に期待がかかる。



ツアー・オブ・カリフォルニア2014 第7ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)              3h24'33"
2位 トル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシング)
3位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)
4位 ザッカリ・デンプスター(オーストラリア、ネットアップ・エンデューラ)
5位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
6位 マッテオ・トレンティン(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
7位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)
8位 ニッキー・ファンデルライク(オランダ、ベルキン)
9位 キエル・レイネン(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
10位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)

個人総合成績
1位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)
2位 ローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
3位 ローソン・クラドック(アメリカ、ジャイアント・シマノ)
4位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、ネットアップ・エンデューラ)
5位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
6位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、BMCレーシング)
7位 エスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
8位 ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン)
9位 アレクシス・アセヴェド(コロンビア、ガーミン・シャープ)
10位 ダビ・デラクルス(スペイン、ネットアップ・エンデューラ)
25h28'15"
+30"
+1'48"
+2'02"
+2'14"
+2'30"
+2'39"
+3'01"
+3'05"
+3'06"


ポイント賞
ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)

山岳賞
ウィル・ルートレー(カナダ、オプタムp/bケリーベネフィット)

新人賞
ローソン・クラドック(アメリカ、ジャイアント・シマノ)

チーム総合成績
ガーミン・シャープ

text:So.Isobe
photo:CorVos


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