今年もツール・ド・台湾(UCI.2.1)が開幕。台北市の中心街で繰り広げられた52kmのスピードレースで、ルーク・キーオ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)が勝利。日本ナショナルジャージを着た黒枝士揮が6位に入った。



台北市庁舎前をスタートしていく台北市庁舎前をスタートしていく photo:tourdetw3月9日に開幕したツール・ド・台湾。昨年までは全7ステージで開催されていたが、今年は3月13日までの5日間スケジュールへと変更されている。

今年の総走行距離は台北〜台南の西海岸ルートを通る計643kmで、日数の変更に合わせて平坦ステージが2つ、山岳を組み込んだステージが3つ(内第3ステージは頂上フィニッシュ)と昨年よりも難易度を下げている。

逃げたレミ・ディグレゴリオ(フランス)やブグラス・アポストロス(ギリシャ、SPテーブルウェア)逃げたレミ・ディグレゴリオ(フランス)やブグラス・アポストロス(ギリシャ、SPテーブルウェア) photo:tourdetw/Sonoko.Tanaka雨降る台北市のスタートラインに並んだのは20チーム、計100名の選手達。今年は唯一のUCIプロツアーチームであるキャノンデールを筆頭に、ドラパックサイクリングやノヴォノルディスク、ユナイテッドヘルスケアといったプロコンチネンタルチーム勢に加え、日本からは宮澤崇史、内間康平、中島康晴、黒枝士揮、中根英登というメンバーで構成されたナショナルチームが出場した。

台北101の横を通過するメイン集団台北101の横を通過するメイン集団 photo:tourdetw/Sonoko.Tanaka台北市内を駆け巡るクリテリウムで幕開けたツール・ド・台湾。コースは台北101横から発着しメインストリートを往復する1周10.4kmのフラットなもので、ここを計5周、計52kmで争われた。

厚い雲から霧雨が降り注ぐ台北市内。まずレースは禁止薬物所持の疑いが晴れ、今年からラポムマルセイユに所属するレミ・ディグレゴリオ(フランス)やブグラス・アポストロス(ギリシャ、SPテーブルウェア)のアタックが決まり、キャノンデールがメイン集団の統率を図る形で最終周回までレースは進んだ。

スプリントに向けて各チームが入り乱れて体制を整える中、雨に濡れ、トリッキーなコーナーが続くゴール前ではいくつもの落車が連続して発生するカオスな状態となる。

そんな中で3名を残したユナイテッドヘルスケアが主導権を握った状態でスプリントへ。ラスト500mのコーナーでは先頭付近で落車が発生して集団が割れ、前方に位置していたルーク・キーオ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)がワウテル・ウィッパート(オランダ、ドラパックサイクリング)を下して勝利した。



集団前方で走る宮澤崇史と中根英登(日本ナショナルチーム)集団前方で走る宮澤崇史と中根英登(日本ナショナルチーム) photo:tourdetw/Sonoko.Tanakaキャノンデールがメイン集団のペースメイクを担当するキャノンデールがメイン集団のペースメイクを担当する photo:tourdetw/Sonoko.Tanaka

雨のスプリントを制したルーク・キーオ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)雨のスプリントを制したルーク・キーオ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) photo:tourdetw/Sonoko.Tanaka


「昨年、コンディションの似た同じコースで落車を経験しているので、今日僕がやることは分かっていた。」と語るのケノーは国際レースでの初勝利。「最後はややクレイジーな感じで、幾つかのクラッシュでチームメイトが巻き込まれてしまった。それでも2人が最後までアシストしてくれたから、勝利できた。彼らの働きはパーフェクトだったんだ。」と加えた。

記者会見に望むルーク・キーオ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)記者会見に望むルーク・キーオ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) photo:tourdetw/Sonoko.Tanakaリーダージャージに袖を通したルーク・キーオ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)リーダージャージに袖を通したルーク・キーオ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) photo:tourdetw/Sonoko.Tanakaまた、ゴール前の落車を回避した黒枝士揮(日本ナショナルチーム)は6位に入る。「ゴールまで1キロのとこで落車しかけるがもちなおし、集団スプリントにそなえる。が、ラスト500メートルの左コーナーで落車が発生。でも行くしかない!と思いイン側に突っ込み、なんとか落車を回避してスプリント。落車した選手の前にいた4、5人と少し距離が空いてしまい、最後はそれをつめただけで終わった。結果は6位。

最初のステージにしては、感触はよかったがスプリントの時、エースの宮澤さんと連携を取れなかったので、明日からスプリントになる時はちゃんと側にいて連携を取れるようにしたい。」と自身のFacebookでコメントした。

以下は宮澤崇史(日本ナショナルチーム)のコメント。
「残り1kmから3番手の位置につけるが・・・、後ろからコーナーで突っ込んできた選手が落車をし、そのすぐ後ろについていたため、避けるのが精一杯。残念ながら勝負に絡むことはできなかった。 コーナーでインに突っ込めた黒枝が6位でゴール。日本チームとしては、落車をしない事、チームとしてまとまって走り、集団前方でレースを展開する。これらの動きは全てで来たと思う。明日以降のステージでチーム一丸となって勝利を目指したい。応援お願いいたします。」


ツール・ド・台湾2014第1ステージ結果
1位 ルーク・キーオ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)               1h06'24"
2位 ワウテル・ウィッパート(オランダ、ドラパックサイクリング)
3位 ジョルジオ・ブグラス(ギリシャ、SPテーブルウェア)
4位 ギヨーム・ボワヴァン(カナダ、キャノンデール)
5位 シアオ・シーシン(台湾、チームグスト)
6位 黒枝士揮(日本ナショナルチーム)
7位 ヤン・ディエテレン(チームストルティング)
8位 マルコ・ザノッティ(イタリア、パークホテル・ファルケンブルグ)
9位 ベンジャミン・ジロー(フランス、ラポムマルセイユ)
10位 クリストフ・シュワイツァー(ドイツ、シナジーバクサイクリング)

個人総合成績
1位 ルーク・キーオ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
2位 ブグラス・アポストロス(ギリシャ、SPテーブルウェア)
3位 レミ・ディグレゴリオ(フランス、ラポムマルセイユ)
4位 ワウテル・ウィッパート(オランダ、ドラパックサイクリング)
5位 ジョルジオ・ブグラス(ギリシャ、SPテーブルウェア)
6位 ウー・ポーフン(台湾、センター・メリダ)
7位 ウー・ナン(中国、ジャイアント・チャンピオンシステム)
8位 ギヨーム・ボワヴァン(カナダ、キャノンデール)
9位 シアオ・シーシン(台湾、チームグスト)
10位 黒枝士揮(日本ナショナルチーム)


1'06'14"
+02"
+03"
+04"
+06"
+08"
+09"
+10"




ポイント賞
ルーク・ケノー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)

チーム総合成績
シナジーバクサイクリング

text:So.Isobe
photo:tourdetw/Sonoko.Tanaka