サンルイス名物の難関山岳、ミラドール・デル・ソルへと登りつめる第6ステージは、好調のジュリアン・アレドンドがダニエル・ゴドイらをはねのけて今大会ステージ2勝目を飾った。総合はナイロ・キンタナがキープし、総合優勝を手中に収めている。



荒涼とした山岳地帯を背にレースを進めるメイン集団荒涼とした山岳地帯を背にレースを進めるメイン集団 (c)www.toursanluis.comツール・ド・サンルイスはいよいよ最終山岳決戦を迎えた。1月25日に開催された第6ステージは、ラ・チャクラから周囲の街を経由し、名物の難関山岳ミラドール・デル・ソルへと至る166kmの行程で争われた。

イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)やケニー・デハース(ベルギー、ロット・ベリソル)らを含む7名の逃げ集団イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)やケニー・デハース(ベルギー、ロット・ベリソル)らを含む7名の逃げ集団 (c)www.toursanluis.comスタートから終盤までは勾配が緩めのアップダウンが続くイージーなコースプロフィールだが、ゴール手前7km地点から始まるミラドール・デル・ソル(=太陽の展望台)は平均勾配8.75%、残り3kmからはおよそ15%の急勾配が2km続くというもの。大会も最終盤に迫り、疲労の溜まった選手達の脚を試すサンルイスの名物峠だ。

最終局面へむけて人数を減らしていくメイン集団最終局面へむけて人数を減らしていくメイン集団 (c)Cor.Vosこの日のアーリーブレイクを決めたのは、これまで逃げの主役を張っていた南米選手ではなく、イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)やケニー・デハース(ベルギー、ロット・ベリソル)、アントニー・デュラプラス(フランス、ブルターニュ・エンヴァイロメント)といった面々。しかし最終決戦の場であるこの日、彼ら7名による逃げ集団のチャンスは無かった。

メイン集団のペースを整えたのは、好調のダニエル・ゴドイ(アルゼンチン)を抱え地元の威信を見せたいサンルイス・ソモストドスや、ナイロ・キンタナ(コロンビア)を擁するモビスターら。順調にタイムギャップを削り取り、ミラドール・デル・ソルに差し掛かったところで全ての逃げメンバーをキャッチした。

ハイペースをキープしたメイン集団は距離を経るに連れて急速に人数を減らしていき、最終局面の急勾配区間が始まる時点ではアレドンドやキンタナ、ゴドイやホセ・セルパ(コロンビア、ランプレ・メリダ)などを含む精鋭メンバーに絞られていく。

距離を残してアタックしたセルパの攻撃は不発に終わるが、ここから満を持してアレドンド、キンタナ、ゴドイの3名が抜け出し、そのまま3名でゴールへ。最後は早がけしたアレドンドが2名を力強く引き離してガッツポーズ。強豪選手を向こうに回しての頂上ゴール2勝目を飾った。

ダニエル・ゴドイ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)を振り切ってゴールしたジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング)ダニエル・ゴドイ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)を振り切ってゴールしたジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング) (c)www.toursanluis.com


ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング)のコメント


信じられない!またしても勝つことができて本当に嬉しいよ。ナイロ(キンタナ)は僕らコロンビア人選手にとってはすごい選手だし、尊敬の念を持っている。僕らはお互いの手の内を良く知っているし、彼は最終局面で高速をキープしていたね。

ステージ表彰台に立つジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング)らステージ表彰台に立つジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング)ら (c)www.toursanluis.com最初のプランでは逃げ集団で登りをこなして、スプリントで勝利を狙うつもりだった。予定通りではなかったけれど、それが(むしろ)僕にフィットしたんだ。この時期にこのレベルの走りをできるなんて期待していなかったけれど、今日は僕のような選手にチャンスがあった。

また、チームの皆はとてもよくやってくれた。若手とベテランライダーの混成メンバーが上手くはまったんだ。皆に感謝したいし、特に経験豊富な僕のルームメイト、アイマル・スベルディアには大きな感謝をしなくちゃならないね。



ツール・ド・サンルイス2014第6ステージ結果
1位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング)  4h16'54"
2位 ダニエル・ゴドイ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)          +01"
3位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)                +05"
4位 クレバーソン・ウェーバー(ブラジル、チクリズモ・ボッテキア)         +09"
5位 ホセ・セルパ(コロンビア、ランプレ・メリダ)                 +10"
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル)        +12"
7位 トム・ダニエルソン(アメリカ・ガーミン・シャープ)              +14"
8位 フィリップ・ガイモン(アメリカ・ガーミン・シャープ)
9位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)             +30"
10位 エデュアルド・セピヴェダ(アルゼンチン、ブルターニュ・エンヴァイロメント)

個人総合成績
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)              21h35'13"
2位 フィリップ・ガイモン(アメリカ・ガーミン・シャープ)              +35"
3位 ダニエル・ゴドイ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)          +1'57"
4位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング)    +2'54"
5位 ジョシュ・モヤーノ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)         +2'59"
6位 エデュアルド・セピヴェダ(アルゼンチン、ブルターニュ・エンヴァイロメント)  +3'38"
7位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、BMCレーシング)              +3'46"
8位 マルク・デマール(オランダ領キュラソー、ユナイテッドヘルスケア)       +3'51"
9位 ダーウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング)              +3'52"
10位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル)       +4'03"

山岳賞
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)

新人賞
アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)

チーム総合成績
ユナイテッドヘルスケア


text:So.Isobe
photo:Cor.Vos、www.toursanluis.com