2週間前に圧倒的な独走力を見せたビセンテ・ガルシア(マトリックスパワータグ)が、今度はゴールスプリントで優勝。極めて高い個人のポテンシャルを見せつけたガルシアはこれでJプロツアー2連勝だ。

ビセンテ・ガルシア(マトリックスパワータグ)が優勝ビセンテ・ガルシア(マトリックスパワータグ)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
今年で17回目を数えるいわきクリテリウム。運動公園内の園路を使うもので2箇所の短い上り、石畳、狭い区間など変化のあるコース。東日本大震災の2011年だけ開催されなかったが昨年から再開している。2年前に加え9月20日に震度5強の地震があり、ふたたび被害を受けてコースも影響を受けた。

花の谷を走る智野真央(MUUR zero Velofutur)と伊藤杏菜(Ready Go JAPAN)花の谷を走る智野真央(MUUR zero Velofutur)と伊藤杏菜(Ready Go JAPAN) photo:Hideaki TAKAGI伊藤杏菜(Ready Go JAPAN)がスプリントを制する

10月5日(土)に行われた女子は21周25.83kmのレース。2周目に智野真央(MUUR zero Velofutur)が仕掛け、伊藤杏菜(Ready Go JAPAN)とともに先頭集団を作る。終盤に智野がパンクでニュートラル適用し復帰、2人でのゴールスプリントとなり、これを伊藤が制し優勝した。

Fクラス 25.83km
1位 伊藤杏菜(Ready Go JAPAN)45分16秒
2位 智野真央(MUUR zero Velofutur)+01秒
3位 鈴木梢(湘南ベルマーレクラブ)+2分03秒

P1 スタートP1 スタート photo:Hideaki TAKAGI予選を勝ちあがった40人
10月6日(日)に行われたP1クラス決勝は34周55.42km。。前日の予選と当日朝の敗者復活戦を勝ち上がった40人で競われた。チーム右京は8人全員が決勝に上がり大久保陣をスプリント時のエースに据える。宇都宮ブリッツェンは2010年までいわき4連覇の鈴木真理を、シマノレーシングは吉田隼人を、そしてマトリクスパワータグはビセンテ・ガルシアをそれぞれエースに。
後半になってもチーム右京がコントロール後半になってもチーム右京がコントロール photo:Hideaki TAKAGI
序盤は各チームが単発で動いて決定的なものにはならない。10周目からチーム右京が先頭に出て集団をコントロール。一定ペースで引いて集団をまとめる。20周目を過ぎるあたりから「遅いペースでまとまっていたのでレースを動かしたかった」と言う小室雅成(イナーメ信濃山形)を中心に、マリウス・ヴィズィアック(マトリックスパワータグ)らが先頭に出て動く。しかしチーム右京がことごとくこれらを吸収。
終盤、小室雅成(イナーメ信濃山形)がアタック終盤、小室雅成(イナーメ信濃山形)がアタック photo:Hideaki TAKAGI
25周目ほどから各チームがまとまり、ゴールスプリント体制を固める。そしてラスト2周、宇都宮ブリッツェンが鈴木真理を従え先頭に固まる。そして最終周回、ゴールへ向かう直線では飯野智行(宇都宮ブリッツェン)が先頭。ここからヴィズィアックにリードアウトされたガルシアがスパート。先頭の吉田をかわしゴールへ。ガルシアが猛追するホセ・ビセンテを振り切り優勝。鈴木真理は3位に入った。
ゴール前、吉田隼人(シマノレーシング)ら横一線にゴール前、吉田隼人(シマノレーシング)ら横一線に photo:Hideaki TAKAGI
ガルシアは2週間前の全日本実業団ロードでは独走のすえスプリントで勝利。この日は鈴木真理らスプリンターを抑えて勝利。改めてポテンシャルの高さに驚く。マトリックスの安原昌弘監督は「マリウスが今日はガルシアのためにアシストする、と言って動いてくれたことも大きい」と語った。2人のスピードマンの動きがかみ合ったことが勝因だ。
P1 表彰P1 表彰 photo:Hideaki TAKAGI
「アップダウンがありハードなコースで、まるでシクロクロスのようだった」と表現したガルシア。ヴィズィアックも「ハードなコースなので純粋なスプリンターよりもオールラウンダー向きだったと思う」と、ガルシアをアシスト。チーム右京は終始コントロールしたが、最終局面で乱れてホセ・ビセンテがガルシアの番手でゴールを狙う運びに。

結果
P1 55.42km
1位 ビセンテ・ガルシア(マトリックスパワータグ)1時間15分37秒
2位 ホセ・ビセンテ(Team UKYO)
3位 鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)
4位 吉田隼人(シマノレーシング)
5位 鈴木譲(シマノレーシング)
6位 大久保陣(チーム右京)
7位 小室雅成(イナーメ信濃山形)
8位 マリウス・ヴィズィアック(マトリックスパワータグ)
9位 小畑郁(なるしまフレンドレーシングチーム)+01秒
10位 飯野智行(宇都宮ブリッツェン)
E1 樋口峻明(横浜高校自転車競技部)がレース前の宣言どおりに優勝E1 樋口峻明(横浜高校自転車競技部)がレース前の宣言どおりに優勝 photo:Hideaki TAKAGI
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ(Team UKYO)
U23リーダー 西村大輝(シマノレーシング)

F 25.83km
1位 伊藤杏菜(Ready Go JAPAN)45分16秒
2位 智野真央(MUUR zero Velofutur)+01秒
3位 鈴木梢(湘南ベルマーレクラブ)+2分03秒
E2 優勝は牧野翼(ボンシャンス)E2 優勝は牧野翼(ボンシャンス) photo:Hideaki TAKAGI
E1 42.38km
1位 樋口峻明(横浜高校自転車競技部)1時間00分59秒
2位 山根理史(チームスキップ)+03秒
3位 阿部健弥(チームスキップ)
4位 今井雄輝(EURO-WORKS Racing)
5位 金子大介(ボンシャンス)
6位 加藤司馬(湘南ベルマーレクラブ)
E3 Team anteriorの1位2位は以前の学生王者。インカレ・ケイリン連覇の石倉龍二(右、当時日本大)と同・個人追抜き優勝の穂苅大地(左、当時法政大)E3 Team anteriorの1位2位は以前の学生王者。インカレ・ケイリン連覇の石倉龍二(右、当時日本大)と同・個人追抜き優勝の穂苅大地(左、当時法政大) photo:Hideaki TAKAGI
E2 34.23km
1位 牧野翼(ボンシャンス)51分13秒
2位 佐柄勝弘(湘南ベルマーレクラブ)
3位 向田潤一(ブラウ・ブリッツェン)
4位 中山恭介(チーム・Y)
5位 今村公俊(EURO-WORKS Racing)+01秒
6位 若林幹夫(ブラウ・ブリッツェン)

E3 34.23km
1位 石倉龍二(Team anterior)50分20秒
2位 穂苅大地(Team anterior)+01秒
3位 柳沼龍佑(あぶくまサイクリングクラブ)+02秒
4位 井上政貴(MoricoWave勇城)
5位 山口雄大(Pinazou Test Team)
6位 北野普識(イナーメ信濃山形-EFT)

photo&text:高木秀彰

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