2013/06/03(月) - 03:34
他を寄せ付けないスピードのヴィーニファンティーニ。マッティア・ポッゾがステージ優勝し総合ポイント賞に。そしてこの日も徹底した集団コントロールのNIPPOが各賞を守り、ジュリアン・アレドンドが個人総合優勝。
ツール・ド・熊野最終の第3ステージは和歌山県太地町の太地半島周回コース。市街、平坦、山岳、海沿い、直線、コーナー、荒れた路面、変わる風向、道幅の変化など、ロードレースのすべてが1周10kmに凝縮されると表現される名コース。逃げが決まりやすいがここ数年は集団ゴールが続いている。
焦点はステージ優勝
今年の熊野はチームNIPPO・デローザが支配している。部分的には他チームの力も強力だが、ゴールまでまとめる力はNIPPOが格上。第1、第2ステージともにリーダーでなく集団を引く責任はなくとも、強力に牽引してレースをまとめる。他チームは戦術としてゴールだけ奪いに行くことも可能だが、それを阻止する力を持っている。
最終ステージの関心はステージ優勝だ。NIPPOの総合力とヴィーニファンティーニのスピードは強力であり、この2チームが持つ個人・山岳・チーム・ポイントの各賞を崩すのは難しい。ステージ優勝を取るスピードならば愛三工業レーシングチーム、シマノレーシング、マトリックスパワータグなど状況次第で対抗できる力を持つ。
6月2日(日)11時10分、ツール・ド・熊野最終ステージがスタート。1周10kmを10周する100kmのレース。途中に山岳ポイントとスプリントポイントが2回ずつあり、特にスプリントポイントはボーナスタイムが3秒2秒1秒とあるので、個人総合などの順位のジャンプアップが可能。ちなみにUCIポイントは各ステージ3位までと、個人総合の8位までに与えられる。
スタートからアタックがかかり、2km過ぎて安原大貴(マトリックスパワータグ)がアタック。これにエリック・シェパード(OCBC)とマート・オハベー(チャンピオンシステム)が合流し3人の逃げに。こののちリーダーのアレドンドが落車し集団は沈静化。NIPPOが早々にメイン集団をコントロールに入る。
先頭の3人はタイム差を次第に広げ1分前後をキープ、最大1分30秒まで開く。逃げ3人のうちシェパードはU23の総合2位。2回のスプリントポイントを1位通過して6秒のボーナスタイムを得て、U23のリーダーになる。メイン集団はNIPPOに加えてヴィーニファンティーニがコントロールに加わる。ステージ優勝をスプリントで狙う意思だ。そして同じく愛三工業も加わる。
ヴィーニファンティーニがハイペースで牽引
ラスト3周からメイン集団はペースアップ、ラスト2周に入ってペースがさらに上がり、2人となった逃げ集団を視界に捕らえると伊丹健治(ブリヂストンアンカー)がアタックして2人に合流、3人で逃げる。一時は差が開いたが最終周回に入りKOM地点で吸収される。カウンターでトマス・ラボウ(OCBG)がアタックするがこれも吸収されて集団のままゴールへ。
ヴィーニファンティーニがハイペースを維持してゴールへ。最終牽引役のポッゾがミケーレ・メルローを発射するがポッゾが先着してステージ優勝。3位にはシモーネ・カンパニャーロ(チームNIPPO・デローザ)が入った。ポイント賞はメルローからポッゾへ移った。
アレドンドはNIPPOに加入してから初めての日本国内でのステージレース総合優勝。連戦だったツアー・オブ・ジャパンとともにふたたびNIPPOの強さを知らしめた大会に。日本人選手としては土井雪広(チーム右京)が個人総合5位に。同17位まで外国人選手が占める中、ひとり気を吐いた。第2ステージ、不運な落車でリタイアした西薗良太(チャンピオンシステム)も期待されていたが、西薗は連覇のかかる1週間後の全日本選手権個人TTに集中する。
結果
第3ステージ 100km 太地半島周回コース
1位 マッティア・ポッゾ(ヴィーニファンティーニ)2時間28分41秒
2位 ミケーレ・メルロー(ヴィーニファンティーニ)
3位 シモーネ・カンパニャーロ(チームNIPPO・デローザ)
4位 平井栄一(ブリヂストンアンカー)
5位 アンソニー・ジャコッポ(ヒューオン・ジェネシス)
6位 ジャン・チャンジェ(チャンピオンシステム)
7位 フォルツナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)
8位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
9位 吉田隼人(シマノレーシング)
10位 マリウス・ヴズィアック(マトリックスパワータグ)
個人総合順位
1位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO・デローザ)7時間38分38秒
2位 フォルツナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)+05秒
3位 ネイサン・アール(ヒューオン・ジェネシス)+24秒
4位 シモーネ・カンパニャーロ(チームNIPPO・デローザ)+25秒
5位 土井雪広(チーム右京)+34秒
6位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカー)+34秒
7位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)+34秒
8位 クリスティアーノ・モングッジ(ヴィーニファンティーニ)+35秒
9位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)+39秒
10位 ジェイ・クロフォード(ヒューオン・ジェネシス)+44秒
個人総合ポイント賞
1位 マッティア・ポッゾ(ヴィーニファンティーニ)55点
2位 ミケーレ・メルロー(ヴィーニファンティーニ)53点
3位 カンパニャーロ・シモーネ(チームNIPPO・デローザ)44点
個人総合山岳賞
1位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO・デローザ)17点
2位 フォルツナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)12点
3位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)5点
U23総合順位
1位 エリック・シェパード(OCBC)7時間44分16秒
2位 チョイ・キーホー(ホンコンチャイナ)+02秒
3位 オスマン・アディク(チャンピオンシステム)+34秒
チーム総合順位
1位 チームNIPPO・デローザ 22時間56分40秒
2位 ブリヂストンアンカー +5分04秒
3位 チーム右京 +6分32秒
photo&text:高木秀彰
ツール・ド・熊野最終の第3ステージは和歌山県太地町の太地半島周回コース。市街、平坦、山岳、海沿い、直線、コーナー、荒れた路面、変わる風向、道幅の変化など、ロードレースのすべてが1周10kmに凝縮されると表現される名コース。逃げが決まりやすいがここ数年は集団ゴールが続いている。
焦点はステージ優勝
今年の熊野はチームNIPPO・デローザが支配している。部分的には他チームの力も強力だが、ゴールまでまとめる力はNIPPOが格上。第1、第2ステージともにリーダーでなく集団を引く責任はなくとも、強力に牽引してレースをまとめる。他チームは戦術としてゴールだけ奪いに行くことも可能だが、それを阻止する力を持っている。
最終ステージの関心はステージ優勝だ。NIPPOの総合力とヴィーニファンティーニのスピードは強力であり、この2チームが持つ個人・山岳・チーム・ポイントの各賞を崩すのは難しい。ステージ優勝を取るスピードならば愛三工業レーシングチーム、シマノレーシング、マトリックスパワータグなど状況次第で対抗できる力を持つ。
6月2日(日)11時10分、ツール・ド・熊野最終ステージがスタート。1周10kmを10周する100kmのレース。途中に山岳ポイントとスプリントポイントが2回ずつあり、特にスプリントポイントはボーナスタイムが3秒2秒1秒とあるので、個人総合などの順位のジャンプアップが可能。ちなみにUCIポイントは各ステージ3位までと、個人総合の8位までに与えられる。
スタートからアタックがかかり、2km過ぎて安原大貴(マトリックスパワータグ)がアタック。これにエリック・シェパード(OCBC)とマート・オハベー(チャンピオンシステム)が合流し3人の逃げに。こののちリーダーのアレドンドが落車し集団は沈静化。NIPPOが早々にメイン集団をコントロールに入る。
先頭の3人はタイム差を次第に広げ1分前後をキープ、最大1分30秒まで開く。逃げ3人のうちシェパードはU23の総合2位。2回のスプリントポイントを1位通過して6秒のボーナスタイムを得て、U23のリーダーになる。メイン集団はNIPPOに加えてヴィーニファンティーニがコントロールに加わる。ステージ優勝をスプリントで狙う意思だ。そして同じく愛三工業も加わる。
ヴィーニファンティーニがハイペースで牽引
ラスト3周からメイン集団はペースアップ、ラスト2周に入ってペースがさらに上がり、2人となった逃げ集団を視界に捕らえると伊丹健治(ブリヂストンアンカー)がアタックして2人に合流、3人で逃げる。一時は差が開いたが最終周回に入りKOM地点で吸収される。カウンターでトマス・ラボウ(OCBG)がアタックするがこれも吸収されて集団のままゴールへ。
ヴィーニファンティーニがハイペースを維持してゴールへ。最終牽引役のポッゾがミケーレ・メルローを発射するがポッゾが先着してステージ優勝。3位にはシモーネ・カンパニャーロ(チームNIPPO・デローザ)が入った。ポイント賞はメルローからポッゾへ移った。
アレドンドはNIPPOに加入してから初めての日本国内でのステージレース総合優勝。連戦だったツアー・オブ・ジャパンとともにふたたびNIPPOの強さを知らしめた大会に。日本人選手としては土井雪広(チーム右京)が個人総合5位に。同17位まで外国人選手が占める中、ひとり気を吐いた。第2ステージ、不運な落車でリタイアした西薗良太(チャンピオンシステム)も期待されていたが、西薗は連覇のかかる1週間後の全日本選手権個人TTに集中する。
結果
第3ステージ 100km 太地半島周回コース
1位 マッティア・ポッゾ(ヴィーニファンティーニ)2時間28分41秒
2位 ミケーレ・メルロー(ヴィーニファンティーニ)
3位 シモーネ・カンパニャーロ(チームNIPPO・デローザ)
4位 平井栄一(ブリヂストンアンカー)
5位 アンソニー・ジャコッポ(ヒューオン・ジェネシス)
6位 ジャン・チャンジェ(チャンピオンシステム)
7位 フォルツナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)
8位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
9位 吉田隼人(シマノレーシング)
10位 マリウス・ヴズィアック(マトリックスパワータグ)
個人総合順位
1位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO・デローザ)7時間38分38秒
2位 フォルツナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)+05秒
3位 ネイサン・アール(ヒューオン・ジェネシス)+24秒
4位 シモーネ・カンパニャーロ(チームNIPPO・デローザ)+25秒
5位 土井雪広(チーム右京)+34秒
6位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカー)+34秒
7位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)+34秒
8位 クリスティアーノ・モングッジ(ヴィーニファンティーニ)+35秒
9位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)+39秒
10位 ジェイ・クロフォード(ヒューオン・ジェネシス)+44秒
個人総合ポイント賞
1位 マッティア・ポッゾ(ヴィーニファンティーニ)55点
2位 ミケーレ・メルロー(ヴィーニファンティーニ)53点
3位 カンパニャーロ・シモーネ(チームNIPPO・デローザ)44点
個人総合山岳賞
1位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO・デローザ)17点
2位 フォルツナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)12点
3位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)5点
U23総合順位
1位 エリック・シェパード(OCBC)7時間44分16秒
2位 チョイ・キーホー(ホンコンチャイナ)+02秒
3位 オスマン・アディク(チャンピオンシステム)+34秒
チーム総合順位
1位 チームNIPPO・デローザ 22時間56分40秒
2位 ブリヂストンアンカー +5分04秒
3位 チーム右京 +6分32秒
photo&text:高木秀彰
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