オランダを代表するラボバンクは、今年もデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)をエースに立てる。ジロ・デ・イタリアを制したメンショフの望みは当然マイヨジョーヌ獲得だ。エーススプリンターのオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)は2年連続のマイヨヴェール獲得を狙う。

ジロの新王者に輝いたデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)ジロの新王者に輝いたデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク) photo:Kei Tsujiオランダ大手のラボバンク銀行のサポートにより1996年に創設されたビッグチーム。若手育成を兼ねたコンチネンタルチームやシクロクロスチームも同時運営しており、チームの年間予算はプロツアートップクラスと言われている。

生粋のオランダチームだが、エースを担うのは2人の外国人選手。マイヨジョーヌ狙いのデニス・メンショフ(ロシア)と、マイヨヴェール狙いのオスカル・フレイレ(スペイン)だ。

3度の世界チャンピオン、オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)3度の世界チャンピオン、オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク) photo:www.tourderomandie.ch2度のブエルタ・ア・エスパーニャ覇者のメンショフは、今年ジロ・デ・イタリアでイタリア勢との死闘の末に総合優勝。2つ目のグランツールを制した。未獲得のタイトルはツール・ド・フランスだけだ。

これまでメンショフは8回ツールに出場。2003年には総合11位&新人賞を獲得している。2006年ツールでは頂上ゴールを制してステージ初優勝。昨年ツールではドーピング違反のベルンハート・コール(オーストリア)に代わって繰り上げで総合3位。毎年安定した走りを見せながらもマイヨジョーヌには一歩届かない。ジロで魅せた走りをツールでも継続出来れば、総合表彰台は固いだろう。

ツール初出場のロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)ツール初出場のロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク) photo:Cor Vosド平坦なオランダが生んだ新鋭クライマーのロバート・ヘーシンク(オランダ)は、ツール初出場。メンショフを山岳で支えるのと同時に、自身も総合成績、またはマイヨブラン(新人賞ジャージ)獲得を狙ってくるだろう。自由な動きが許されるならば、マイヨアポワ(山岳賞ジャージ)狙いも有りだ。

フアンマヌエル・ガラーテ(スペイン)やローレンス・テンダム(オランダ)、ヨースト・ポストゥーマ(オランダ)らも山岳でメンショフをサポートする。

ロード世界選手権を3度制しているオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)は、昨年5度目のツールで念願のマイヨヴェールを獲得した。ステージ優勝こそ1勝に留まったが、山岳ステージでも遅れずに上位に食い込む走りでポイントを加算。ミラノ〜サンレモで2勝、ブエルタでステージ通算7勝を飾っているフレイレ。今年も狙いはステージ優勝&マイヨヴェール獲得だ。

TTスペシャリストのスタフ・クレメント(オランダ)やフアンアントニオ・フレチャ(スペイン)ら、逃げてステージ優勝を狙える選手も充実。仮にメンショフが総合成績で“コケタ”としても、攻撃の手は弱めないだろう。

ラボバンクメンバー
41 デニス・メンショフ(ロシア)
42 スタフ・クレメント(オランダ)
43 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン)
44 オスカル・フレイレ(スペイン)
45 フアンマヌエル・ガラーテ(スペイン)
46 ロバート・ヘーシンク(オランダ)
47 グリシャ・ニアマン(ドイツ)
48 ヨースト・ポストゥーマ(オランダ)
49 ローレンス・テンダム(オランダ)

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