序盤から2人逃げした伊藤翔吾(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)がゴールを制してチームは2連勝。山口県での自転車競技普及を目指していくつかの新しい仕組みも。

エリート 戦いはレース前のウォーミングアップから?エリート 戦いはレース前のウォーミングアップから? photo:Hideaki TAKAGIきらら浜サイクルミーティングは、山口市阿知須町で年間4回行われるレース。地元山口県を中心に広島や九州、四国から選手たちが楽しみに参加する。クラスによっては複数のレースに参加することも可能で、ジュニアや女子など積極的に走ることができる。
エリート 逃げる伊藤翔吾(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)と西川昌宏(EsperanceStage/WAVEONE山口)エリート 逃げる伊藤翔吾(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)と西川昌宏(EsperanceStage/WAVEONE山口) photo:Hideaki TAKAGI
5月5日(日)に行われた5月大会は、連休後半でしかも朝から快晴とあって、多くの選手や家族などが集まる。見渡すことのできるコースなので応援もしやすい。コースは広大な駐車場敷地を使う1周2.2kmで全くのフラット、強めの風が常に吹き、これをどう使うかがポイントに。

エリートは伊藤翔吾(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)が優勝
エリート 伊藤翔吾(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)が優勝エリート 伊藤翔吾(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
JCF登録者のエリートは山口県選手権と併催で20周44.0kmで行われた。2周目に入ってすぐに伊藤翔吾(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)と西川昌宏(EsperanceStage/WAVEONE山口)が抜け出し2人で逃げる。後続はこの2人を追走するアタックがかかるが決まらない。津末耕平(EsperanceStage/WAVEONE山口)が単独で抜け出して2人に迫るも届かずに戻る。
レディース 優勝の樋口啓(ボンシャンス)レディース 優勝の樋口啓(ボンシャンス) photo:Hideaki TAKAGI
そして白石真悟(シマノドリンキング)がリードする集団もペースが上がらない。先頭の2人はラスト2周に入ってようやく互いの出方を見る。ここで伊藤が仕掛けて西川を離す。そのまま伊藤はリードを広げて優勝。西川そして津末と続いた。

伊藤はこのきらら浜で勝ち方をもっとも知っている選手。2月大会はチームから2人で参加だったが、今回は単騎参戦で数的不利の中、自ら突破口を開いた。2位の西川は後続を待つ作戦もあったかもしれないが、いっぽうで山口県選手権がかかっていた。白石ら強力な後続が合流するよりも、結果的に逃げ切って山口県選手権の覇者に。
ユース 優勝の日野泰静(ボンシャンス)ユース 優勝の日野泰静(ボンシャンス) photo:Hideaki TAKAGI
3位の津末は日本大学からミヤタなどで戦ってきた選手。今年は地元大分で全日本選手権が行われるため走りこんでいるという。長時間の追走で脚を使ったにもかかわらずゴールは抜け出して3位に入り、復活ぶりをアピール。

新しい仕組みの導入

毎年4回開くのが定着した本大会だが、普及定着のために毎回何がしかの新しい仕組みを導入している。今回新たに導入したのは

・JCFの登録クラスにあわせて、併催する山口県選手権に各クラスのトロフィーを用意
・審判バイクに搭載したビデオカメラの映像をUSTREAMで流した。広島県車連の機材を使用
・計測チップの導入。広島県車連と連携して実施し人的交流も行った
エキスパート 優勝の壇耕平(VC Fukuoka)エキスパート 優勝の壇耕平(VC Fukuoka) photo:Hideaki TAKAGI
・審判長を県外(福岡県)の大学生にした。ひとつは県外の人材とすることでより正確性を期すこと、もうひとつは若い世代に重要な業務を依頼し育成すること
目を引くのは隣接県との人的交流だ。その先にはさらなる全国規模の団体の大会開催も視野に入れている。

そして継続して力を入れているのが若い世代の発掘と強化だ。2011年の山口国体へ向けてジュニア世代は強化されて、結果も残し今も活躍する選手は多い。その後に続く選手、今の小学生中学生に競技を志してもらえたらと、山口県ジュニアサイクルスポーツクラブのコーチ陣は奮闘している。
スポーツ 審判車はオート・ケア・アームズ提供のスバルXVスポーツ 審判車はオート・ケア・アームズ提供のスバルXV photo:Hideaki TAKAGI
メンバーは、柴崎博之氏を中心に、白川巧氏、大久保光次氏が指導者としてあたっている。そして選手たちの保護者も大会運営に協力する。国体で高まった気運を継続させているのが、今の山口県だ。
山口県ジュニアサイクルスポーツクラブのコーチ陣山口県ジュニアサイクルスポーツクラブのコーチ陣 photo:Hideaki TAKAGI
結果
エリート
1位 伊藤翔吾(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)1時間07分52秒
2位 西川昌宏(EsperanceStage/WAVEONE山口)+09秒
3位 津末耕平(EsperanceStage/WAVEONE山口)+58秒
4位 吉田慶(広島山陽高校)+1分05秒
5位 白石真悟(シマノドリンキング)
6位 山口忠行(チームサイクルプラス)

レディース
1位 樋口啓(ボンシャンス)24分38秒
2位 谷本直子(Growin Racing Team)+34秒
3位 石松栞(サイクルプラス福岡)+2分43秒

マスターズ
1位 大森健一(TEAM KABA)28分19秒
2位 伊藤真二(HIDEO MAX HEART)
3位 木上芳(KLUB KATZ)

ユース
1位 日野泰静(ボンシャンス)23分45秒
2位 伊藤健(T-planet)
3位 茨木博成(福岡・春日中学校)+11秒

ジュニア
1位 伊藤健(T-planet)56分55秒
2位 茨木博成(福岡・春日中学校)
3位 時繁祐舞(山口・秋穂中学校)

エキスパート
1位 壇耕平(VC Fukuoka)54分44秒
2位 和田竜治(福岡工業大学)+01秒
3位 福田将之(チーム侍)

スポーツ
1位 荒川秀司(HIDEO MAX HEART)29分47秒
2位 日野泰静(ボンシャンス)
3位 岡崎克志

photo&text:高木秀彰

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