5月6日に行なわれたジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)第3ステージ。スプリンターにもチャンスがある平坦レースになると思われたが、終盤の登りでのアタックによって20名の精鋭が先行する展開に。ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)が勝利を射止めた。

ソレントの崖を眺めてからスタートに向かうルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)ソレントの崖を眺めてからスタートに向かうルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ) photo:Kei Tsujiジロ第3ステージはソレントからマリーナ・ディ・アシェーアまでの222km。アマルフィ海岸から平野を走り、2級山岳サンマウロ・チレントと3級山岳セッラ・ディ・カトーナを越えてゴールを迎える。この標高600m弱の2つの山岳で熱いバトルが繰り広げられた。

アマルフィ海岸を行くプロトンアマルフィ海岸を行くプロトン photo:Riccardo Scanferlaピュアスプリンターには厳しく、逃げ切りにチャンスがあるコースレイアウト。アマルフィ海岸に差し掛かる前に、マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、サクソ・ティンコフ)やファビオ・タボッレ(イタリア、ヴィーニファンティーニ)ら7名が集団から飛び出すことに成功する。

一人懸命に逃げ続けるファビオ・タボッレ(イタリア、ヴィーニファンティーニ)一人懸命に逃げ続けるファビオ・タボッレ(イタリア、ヴィーニファンティーニ) photo:Riccardo Scanferlaメイン集団から最大7分のリードを得て逃げる先頭7名。メイン集団はスカイプロサイクリングがコントロールを続けるが、タイム差を縮めようという素振りを見せない。オメガファーマ・クイックステップやブランコプロサイクリングが集団コントロールに加わると、ようやくタイム差は縮小に転じた。

3級山岳セッラ・ディ・カトーナでアタックするライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・シャープ)3級山岳セッラ・ディ・カトーナでアタックするライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・シャープ) photo:Riccardo Scanferla最大16%の急斜面を含む2級山岳サンマウロ・チレントでタイム差は縮まり続け、逃げグループの中から飛び出したタボッレが単独での逃げを敢行。しかし3級山岳セッラ・ディ・カトーナでタボッレの逃げは終わりを告げる。

ゴールに向けてスプリンターチームが主導権を握ると思いきや、メイン集団ではガーミン・シャープのペースアップが始まる。あまりのハイペースに、マリアロッサを着るマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)をはじめ、スプリンターは次々に脱落。マリアローザのサルヴァトーレ・プッチォ(イタリア、スカイプロサイクリング)も脱落してしまう。そこからディフェンディングチャンピオンのライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・シャープ)がアタックした。

前日のチームタイムトライアルで失ったタイムを取り戻すべく、ヘジダルが独走。しかしメンバーを揃えるアスタナがヘジダルの動きを封じる。メイン集団は30名強に絞られた状態で3級山岳セッラ・ディ・カトーナをクリアし、ゴールまでの20kmダウンヒルへ。テクニカルなこの下りでもアタックが繰り返された。

下りで飛び出したのはヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、アスタナ)やヘジダル、そしてパオリーニ。そこからパオリーニが飛び出した。

総合上位陣の牽制も手伝ってパオリーニがリードを広げることに成功する。スムーズなラインで下りを終えたパオリーニは、そのままマリーナ・ディ・アシェーアまで独走した。

イタリア人ながらジロ初出場のパオリーニが勝利。プッチォが7分遅れでゴールしたため、パオリーニは同時にマリアローザを手にしている。春のクラシック後しばらく休息を取り、ツアー・オブ・ターキーで乗り込んだことが調子の良さの秘訣だと語る。

ヘルメットとジャージをアピールしてゴールするルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)ヘルメットとジャージをアピールしてゴールするルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ) photo:Kei Tsuji

ステージ優勝とマリアローザを同時に手にしたルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)ステージ優勝とマリアローザを同時に手にしたルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ) photo:Kei Tsuji下りではミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)とカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル)が相次いで落車。両者に加え、ペッリツォッティ(アンドローニジョカトリ)、ガルゼッリ&ディルーカ(ヴィーニファンティーニ)、カルーゾ(キャノンデールプロサイクリング)らが遅れてゴールしている。

レース3日目にして早くも総合成績が動き始めているが、ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チスカイプロサイクリング)がマリアローザ争いにおけるポールポジションを得ていることに変わりは無い。翌日の今大会最初の2級山岳頂上ゴールでは更に熱いアタックが待っているはずだ。

7分以上遅れてゴールするサルヴァトーレ・プッチォ(イタリア、スカイプロサイクリング)7分以上遅れてゴールするサルヴァトーレ・プッチォ(イタリア、スカイプロサイクリング) photo:Kei Tsujiマリアビアンカ(新人賞ジャージ)はファビオ・アル(イタリア、アスタナ)の手にマリアビアンカ(新人賞ジャージ)はファビオ・アル(イタリア、アスタナ)の手に photo:Kei Tsuji



ジロ・デ・イタリア2013第3ステージ結果
1位 ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)              5h43'50"
2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)         +16"
3位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・シャープ)
4位 マウロ・サンタンブロジオ(イタリア、ヴィーニファンティーニ)
5位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
6位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)
7位 ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)
8位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)
9位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)
10位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ブランコプロサイクリング)

個人総合成績
1位 ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)             9h04'32"
2位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)         +17"
3位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイプロサイクリング)
4位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)              +26"
5位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)              +31"
6位 ヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、アスタナ)
7位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・シャープ)              +34"
8位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)              +36"
9位 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、カチューシャ)
10位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、スカイプロサイクリング)   +37"

ポイント賞
ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)

山岳賞
ウィレム・ワウテルス(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)

新人賞
ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)

チーム総合成績
カチューシャ

text&photo:Kei Tsuji in Ascea, Italy
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