雨と晴れが入り混じる、不安定な天候の中行われたJプロツアー第4戦群馬CSCロードレース。ホセ・トリビオ(Team UKYO)との一騎打ちを制した窪木一茂(マトリックスパワータグ)が勝利。今季JPTでの日本人初勝利を飾った。

1周目、集団一つのままレースを展開していく1周目、集団一つのままレースを展開していく photo:So.Isobe4月27日(土)に開催されたJBCF群馬CSCロードレースDay-1。Day-1と付くのは、エリート(E)クラスとフェミニン(F)クラスが翌28日も行われる2日開催のレースであるため。最高峰カテゴリーとなるJプロツアークラス(P)は初日となる27日のみのレースとされた。

心臓破りの坂にあるヘアピンコーナーを走る心臓破りの坂にあるヘアピンコーナーを走る photo:So.Isobeコースはアマチュアサイクリストにもお馴染みの、群馬県利根郡にある群馬サイクルスポーツセンター。山間に敷設された1周6kmのロードコースは上りと下りのみで構成され、ゴール手前2km地点には「心臓破りの坂」と呼ばれる8%の勾配が用意される。

連続するアップダウンとテクニカルなコーナーを持つハイスピードコースでは、昨年は畑中勇介(シマノレーシング)が3人のスプリント制し優勝を飾るなど、小集団によるスプリント、もしくは逃げ切り勝利となることが多い。

今年はヨーロッパ遠征中のブリヂストン・アンカーとシマノレーシングを除いたJプロツアーチームがスタートリストにラインナップ。やはり注目を集めるのはルビーレッドジャージを着るホセ・トリビオと、ナショナルチャンピオンジャージを着る土井雪広を揃えるTeam UKYOだ。これに各チームがどう対抗するかに注目が注がれた。

1周6kmのアップダウンコース1周6kmのアップダウンコース photo:So.Isobe

逃げる澤田賢匠(キャノンデール・チャンピオンシステム)、窪木一茂(マトリックスパワータグ)、高岡亮寛(イナーメ信濃山形)逃げる澤田賢匠(キャノンデール・チャンピオンシステム)、窪木一茂(マトリックスパワータグ)、高岡亮寛(イナーメ信濃山形) photo:So.Isobeこの日の群馬CSCは早朝に雪が降るほど気温が低く、気温は日中でも15度ほど。午前中のエリートクラスでは路面もウェットだったが、P1クラスでは完全ドライコンディション。

ときおり小雨もパラついたものの、路面を完全に濡らすまでには至らなかった。

「ホセは一度スイッチが入ったら止まらない。日本語も英語も通じないからチーム内でのコミュニケーションも難しいのですが、今回はチームプレイをさせます。」と語るのは、開幕2連覇を果たし波に乗るTeam UKYOの片山右京監督。チームのエースは土井雪広が担った。

序盤に逃げる窪木一茂(マトリックスパワータグ)序盤に逃げる窪木一茂(マトリックスパワータグ) photo:So.Isobe集団内で下りをこなすホセ・トリビオ(Team UKYO)  集団内で下りをこなすホセ・トリビオ(Team UKYO)   photo:So.Isobe


ホセ・ヴェガ(スペイン、INTERPRO CYCLISM)が集団からアタック。先頭3名を追うホセ・ヴェガ(スペイン、INTERPRO CYCLISM)が集団からアタック。先頭3名を追う photo:So.Isobe積極的なレースを見せた紺野元汰(湘南ベルマーレ)はピュアホワイトジャージを獲得 積極的なレースを見せた紺野元汰(湘南ベルマーレ)はピュアホワイトジャージを獲得  photo:So.Isobe


先行した3名と、追走10名が合流。13名で走る先行した3名と、追走10名が合流。13名で走る photo:So.Isobeスタート後、澤田賢匠(キャノンデール・チャンピオンシステム)などが単発的なアタックを繰り出すが決まらず、集団一つのまま3周回を完了。

今季体制を大きく変えたINTERPRO CYCLISM(旧プジョーサイクルズ・ニッポン)から、ジュリアン・メゴー(フランス)やホセ・ヴェガ(スペイン)が、湘南ベルマーレから辻善光などが抜け出すも、マトリックスパワータグらがチェックに入ったことで、中盤まで大きな動きは発生しなかった。

単独で13名を追いかける土井雪広(Team UKYO)単独で13名を追いかける土井雪広(Team UKYO) photo:So.Isobeそして逃げが決まったのは8周目。澤田賢匠、窪木一茂、高岡亮寛(イナーメ信濃山形)の3名が抜け、最大3分ほどの差を持って先行を開始。これを伊藤雅和(AISAN Development Team U-26)が追い、その後ろに集団が位置取るという構図でレースはしばらく推移した。

そして後半、Team UKYO勢が阿部崇之、狩野智也を使って集団のペースアップを開始すると、1周につき10秒ほど先頭集団のリードを削り取っていく。そして15周目、メイン集団から10名が抜け出しを成功させる。この追走グループに入ったのは、ルビーレッドジャージを着るホセ・トリビオや、マリウス・ヴィズィアック(マトリックスパワータグ)、福田真平(AISAN Development Team U-26)ら有力勢。

平塚吉光(AISAN Development Team U-26)の吸収と共に、ホセ・トリビオ(Team UKYO)がアタック平塚吉光(AISAN Development Team U-26)の吸収と共に、ホセ・トリビオ(Team UKYO)がアタック photo:Hideaki.Takagi宇都宮ブリッツェンは中村誠や普久原奨、鈴木近成の3名を揃え有利にレースを展開していく。追走グループは先行する3名をキャッチすると、そのままハイペースで先を急いだ。マークの厳しい土井雪広はチームメイトを先行させて単独で追いつく作戦をとったが追いきれず、集団に引き戻された。

先行する窪木一茂(マトリックスパワータグ)とホセ・トリビオ(Team UKYO)先行する窪木一茂(マトリックスパワータグ)とホセ・トリビオ(Team UKYO) photo:So.Isobe有力勢が多く入ったことで逃げは決定的なものとなり、終盤には13名での勝負が勃発する。まずは平塚吉光(AISAN Development Team U-26)がアタックして数秒を奪ったが吸収。そしてカウンターアタックでトリビオが飛び出し、ここに単独で窪木が合流した。

窪木はエースのヴィズィアックを後ろに控えるため先頭に出ず、トリビオが一人ペースを上げていく。ところどころでトリビオが牽制を入れペースが落ちるものの、追走10名も上手くローテーションが回らず、徐々にタイム差は開いていく。

マトリックスパワータグは窪木に勝負を託したため、窪木は残り2周からローテーションに入ったことで差は1分ほどとなり、2人の逃げ切りが決定的となる。窪木対トリビオ。2人は膠着状態のまま、最後の上りへと突入した。

トリビオが上りで窪木を引き離しにかかると思われたが、トリビオは窪木とのゴールスプリントを選択。最後の緩いアップダウンを経て、窪木がスプリントを開始。トラック競技でも活躍する窪木のスピードはトリビオを圧倒し、大きくリードを奪ってゴールラインを駆け抜けた。

ゴールスプリントを制した窪木一茂(マトリックスパワータグ)ゴールスプリントを制した窪木一茂(マトリックスパワータグ) photo:Hideaki.Takagi
窪木一茂を祝福するマリウス・ヴィズィアック窪木一茂を祝福するマリウス・ヴィズィアック photo:So.Isobe
F スプリント勝負を制した豊岡英子(パナソニックレディース)F スプリント勝負を制した豊岡英子(パナソニックレディース) photo:So.Isobe「スプリントを待っていました。」とゴール直後に語る窪木は、Jプロツアー初めての勝利。また、日本人今シーズン初の勝利となった。

「アタックしてチャンスを潰してしまうことが多かったのですが、今日は勝ちにこだわりました。コースのムービーを何度も繰り返し見て、それに合わせたトレーニングも重ねてきたんです。どうしても今日は勝たなければならなかった。」と加えた。


女子は6名でのスプリント勝負を豊岡英子が制す

E2クラスとの混走、30km/5周回で開催されたフェミニン(F)クラス。スタート後から豊岡英子(パナソニックレディース)や西加南子(LUMINARIA)、針谷千紗子(BLITZSCHLAGE)がハイペースでレースを展開したことで、周回を重ねるごとに集団の人数は減少。

上りでのアタックも全て決まらない。最後は有力選手で構成された6名の集団によるゴール勝負へと持ち込まれ、豊岡のガッツポーズが決まった。2位は針谷千紗子、3位には西加南子が入った。


群馬CSCロードレース結果
P1
E1 市山襄と末永周平。明治大学レーシングチームがワンツー勝利を達成E1 市山襄と末永周平。明治大学レーシングチームがワンツー勝利を達成 photo:So.Isobe1位 窪木一茂(マトリックスパワータグ) 3h07′25″
2位 ホセ・トリビオ(Team UKYO)  
3位 福田真平(AISAN Development Team U-26)+30″
E2 田中信行(ZIPPY CUCLE CLUB)がスプリント勝利E2 田中信行(ZIPPY CUCLE CLUB)がスプリント勝利 photo:So.Isobe4位 マリウス・ヴィズィアック(マトリックスパワータグ)
5位 中村誠(宇都宮ブリッツェン)
6位 狩野智也(Team UKYO)   +31″
7位 紺野元汰(湘南ベルマーレ)   +34″
8位 普久原奨(宇都宮ブリッツェン) +45″
9位 菅野正明(VAX RACING)  +1′39″
10位 鈴木近成(宇都宮ブリッツェン)+2′08″

F
1位 豊岡英子(パナソニックレディース) 58′10″
2位 針谷千紗子(BLITZSCHLAGE)
E3 サイクルフリーダムレーシングの岩佐と風間が集団をコントロールE3 サイクルフリーダムレーシングの岩佐と風間が集団をコントロール photo:So.Isobe3位 西加南子(LUMINARIA)
4位 米田和美(Ready Go Japan)
5位 伊藤杏菜(Ready Go Japan) +01″
6位 樫木祥子(駒沢大学自転車競技部)

E3 岩佐昭一が優勝。サイクルフリーダムレーシングはワンツー勝利E3 岩佐昭一が優勝。サイクルフリーダムレーシングはワンツー勝利 photo:So.IsobeE1 
1位 市山襄(明治大学・レーシングチーム)1h34′15″
2位 末永周平(明治大学・レーシングチーム)
3位 今井雄輝(EURO-WORKS Racing)
4位 川田優作(Raising VAX)
5位 田崎友康(F(t)麒麟山 Racing)
6位 小林宏志(Honda栃木)

E2
1位 田中信行(ZIPPY CUCLE CLUB)1h10′40秒
2位 林航平(HAMMER!!BROS)
3位 梅野優哉(SQUADRA CORSE cicli HIDE)
4位 棚橋峻也(天狗党)
5位 萩原慎也(EQUADS)
6位 宗吉貞幸(Swacchi Test Team)

E3
1位 岩佐昭一(サイクルフリーダムレーシング)59′09″
2位 風間博之(サイクルフリーダムレーシング)
3位 河合宏樹(オッティモ)
4位 樋口峻明(横浜高校自転車競技部)
5位 大島慶多(ブラウ・ブリッツェン)
6位 花田聖誠(TEAM YOU CAN)


text:So.Isobe
photo:Hideaki.Takagi,So.Isobe
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