白地に黄色と緑色のラインが入っただけの目立たないリーダージャージを着るジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)が、大集団のゴールスプリントで再び片手を挙げた。

ジローナをスタートするプロトンジローナをスタートするプロトン photo:www.voltacatalunya.catボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャの第2ステージは、伝統的に多くの北米出身選手が住むカタルーニャ地方のジローナをスタートする。ゴール地点バニョラスに至る160.7kmの難易度は低い。山岳ステージが多く設定されたこのカタルーニャにはそもそもビッグスプリンターが出場していないが、この日はスプリンター向きのコースが用意された。

リーダージャージを着るジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)が2連勝リーダージャージを着るジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)が2連勝 photo:www.voltacatalunya.cat前日にも逃げたクリスティアン・メイヤー(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)がこの日のファーストアタッカー。これにオリヴィエ・カイセン(ベルギー、ロット・ベリソル)とクリストフ・ラボリー(フランス、ソジャサン)が加わると、メイン集団はこれを見送る。

鮮やかな連勝でリーダージャージを守ったジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)鮮やかな連勝でリーダージャージを守ったジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) photo:www.voltacatalunya.catメイヤーは2つの中間スプリントポイントを先頭通過し、スプリント賞のリード拡大に成功。しかしスプリンターチームがゴールまで距離を残してしっかりと逃げを捕まえる。バニョラスの周回コースに入ると、ブランコプロサイクリングが積極的に集団を率いた。

しかし、スプリンターチームの統率力は弱く、集団のスピードは上がりきらない。ラスト3kmでマークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム)らがアタックを仕掛けるなど、集団は不安定なままフラムルージュを迎える。

ブランコプロサイクリングがここでも集団前方にメンバーを集めたが、ゴールまで距離を残して失速。するとアンドリュー・フェン(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)が集団先頭に立つ。チームメイトが牽引するメイン集団の中程から、ゴールまで200mを残してメールスマンが発進した。

真っ先にスプリントを開始したメールスマンには、群がるようにしてライバルたちが追従。しかしメールスマンは伸び続ける。ゴール直前で並びかけたダニエーレ・ラット(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)を振り切って、メールスマンが勝利した。

「今日のスプリントも最高だった。終盤の周回コースもナーバスだったけど、チームは一日中ずっと集団の先頭に立ってコントロールしてくれた。本当に強いチームメイトたちに支えられている。最後はフェンが集団先頭を引いて、僕がラスト200mでスプリントを開始。パーフェクトだった。2日連続で勝つのは初めての経験だ」と、2連勝を飾ったメールスマン。

2日連続のボーナスタイムによって、総合2位とのタイム差は20秒もついた。しかし翌日から本格的な山岳ステージが始まるため、総合リードのキープは考えていない様子だ。「明日からは山岳ステージなので、今度は僕がチームメイトをサポートする番だ。ここまで2ステージで助けてもらった分をそのまま彼らにお返ししたい」。

ウィギンズやロドリゲス、バルベルデ、ヘーシンクら、総合狙いのビッグネームは集団でゴール。翌日の超級山岳バルテル(標高2200m・登坂距離12km・平均勾配7.8%)頂上ゴールでウィギンズらの脚が試される。

選手コメントはオメガファーマ・クイックステップ公式サイトより。

ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2013第2ステージ結果
1位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)  3h48'10"
2位 ダニエーレ・ラット(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)
3位 ブレット・ランカスター(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、アージェードゥーゼル)
5位 ロバート・ワグナー(ドイツ、ブランコプロサイクリング)
6位 ジュリアン・シモン(フランス、ソジャサン)
7位 マウリス・ラメルティンク(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
8位 ローラン・ピション(フランス、FDJ)
9位 ダニーロ・ウィス(スイス、BMCレーシングチーム)
10位 マヌエーレ・モーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)

個人総合成績
1位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)  7h43'46"
2位 ヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、アスタナ)                +14"
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)              +16"
4位 ダニーロ・ウィス(スイス、BMCレーシングチーム)              +20"
5位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ブランコプロサイクリング)
6位 ダリオ・カタルド(イタリア、スカイプロサイクリング)
7位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、スカイプロサイクリング)
8位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)
9位 ヘスス・エラーダ(スペイン、モビスター)
10位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)

山岳賞
クリスティアーノ・サレルノ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)

スプリント賞
クリスティアン・メイヤー(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)

チーム総合成績
スカイプロサイクリング

text:Kei Tsuji
photo:www.voltacatalunya.cat