シーズン序盤から走り込んでいるフミは、「太陽へのレース」で結果を残せなかったことを悔いながらも、クラシックシーズンに向けて順調な仕上がりを見せる。第71回パリ〜ニース(UCIワールドツアー)を走り終えた別府史之(オリカ・グリーンエッジ)のインタビュー。

別府史之(オリカ・グリーンエッジ)がローラー台でアップ開始別府史之(オリカ・グリーンエッジ)がローラー台でアップ開始 photo:Kei Tsuji今回のパリ〜ニースを振り返って
2008年に初出場した時は、落車と風邪でニースに着く前にリタイアしたけど、今回は仕事をこなしながらニースにたどり着きました。チームのオブジェクティブ(目標)はゴールスプリントで勝てる形を作ることと、登りで人数が絞られるステージで勝つ展開に持ち込むこと。総合狙いの選手がいなかったので、そこまで大きなプレッシャーはありませんでした。その結果、アルバジーニがステージ優勝。1月のオーストラリア選手権ではチームとして勝利をあげたけど、やっぱりヨーロッパのレースで成績を残せたことはチームとして良かった。この先、良い流れが続くことを願っています。

スタート45分前にアップを開始する別府史之(オリカ・グリーンエッジ)スタート45分前にアップを開始する別府史之(オリカ・グリーンエッジ) photo:Kei Tsujiフミ自身の1週間の感触は?
レース前半はスプリンターのリー・ハワードのために働いて、後半は自分のために逃げに乗る動きだったけど、逃げには乗れなかった。ミッション・インコンプリート。春先の重要なヨーロッパレースでモチベーションが高かっただけに、積極的な走りを披露できなかったのは残念でした。

ステージ128位・4分03秒差 別府史之(オリカ・グリーンエッジ)ステージ128位・4分03秒差 別府史之(オリカ・グリーンエッジ) photo:Kei Tsujiスプリントステージでの役目は?
ハワードを勝たせるために、チームとして彼をリードしました。動きとしては悪くなかったけど、ステージ優勝には繋がらなかった。キッテルやブアニらと比べると劣ってしまったけど、スプリントに向けての流れは良かったと思います。今回はハワードがエースで、発射台がケウケレール。その2人の前にクックとマシューズと自分がいる。ゴールが近づくとスプリンターをサポートしながら走り、最後はスピードを上げてメンバーを前に連れて行く。そしてそのポジションを維持するのが役目でした。

第6ステージ メイン集団内で1級山岳カブリ峠の頂上を目指す別府史之(オリカ・グリーンエッジ)第6ステージ メイン集団内で1級山岳カブリ峠の頂上を目指す別府史之(オリカ・グリーンエッジ) photo:Kei.Tsujiゴスが出場しているティレーノ〜アドリアティコとの住み分けは?
ティレーノには、エーススプリンターのゴスがいるけど、チームタイムトライアルで勝つためのメンバーが揃っています。自分もタイムトライアルを走れるけど、大柄な選手と比べるとどうしても劣ってしまう。ティレーノかパリ〜ニースかどちらかと言われた時に、自分はパリ〜ニースを選びました。

シーズンここまで多くのレースをこなしているように見えますが?
マヨルカ島のトレーニングキャンプで20日間乗り込んで、カタールとオマーンが続き、オンループ・ヘットニュースブラッドに出場してこのパリ〜ニース。2ヶ月間ぐらいずっと走り込んでいます。この時期にこれほど乗っているのは珍しいこと。そのおかげで乗り込みが出来て、しかも体重もしっかり落ちている。クラシックシーズンに向けてちょうど良い感じに乗れているので、カラダは準備出来ている状態です。でも結果には全然満足いっていない。結果だけ見ると残念なので、悔しさが残っています。

今後のレース出場予定は?
決定しているのはドワーズドア・フラーンデレン(3月21日)とE3ハレルベーク(3月22日)、デパンヌ3日間レース(3月26日〜28日)です。そしてフランドルとパリ〜ルーベを走る可能性もある。その後はステージレースが続く予定です。次のレースに向けて、また(フランスの)家に帰って乗り込み、地道にトレーニングを重ねて行きたいと思います。

text&photo:Kei Tsuji in Nice, France