ティレーノ〜アドリアティコ開幕ステージのチームタイムトライアルは世界TTチャンピオン擁する世界TTチャンピオンチームのオメガファーマ・クイックステップが制した。カヴェンディッシュは第2ステージを待たずしてリーダージャージに袖を通した。

天気は優れず、冷たい雨が降り続けた天気は優れず、冷たい雨が降り続けた (c)CorVos昨2012年大会と同じくサン・ヴィンツェンツォまでのTTTで開幕したティレーノ。昨年と同じコース、距離のドノラティコまでの16.9kmの短いコースで行われた。
前日から降る雨はやまず、レース当日も雨。危険な急コーナーやダウンヒルはないものの、悪コンディションのなか22チームが走ることに。

雨の降らなかった昨年大会はほぼ同じコースでオリカ・グリーンエッジが18分41秒で制しているが、コーナーが攻められないぶんタイムが落ちることは予測できた。

トップタイムを叩きだしたのは5人に数を減らして尚飛ばし続けたオメガファーマ・クイックステップ。世界TTチャンピオンのトニ・マルティン(ドイツ)が多く引き、他の圧倒するスピードを維持した。タイムは19分24秒。平均時速は52.268km/h。ゴールラインを先頭で通過したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)がリーダージャージのマリアアッズーラに袖を通した。

5人に人数を減らしゴールに飛び込むオメガファーマ・クイックステップ5人に人数を減らしゴールに飛び込むオメガファーマ・クイックステップ (c)CorVosカヴェンディッシュは言う「今日の勝因はトニ・マルティン。レース中はコーナーでのラインどりに神経を集中させた。後になって考えれば大半を引いた彼が最初にフィニッシュラインをくぐるべきだったかもね。
こんなにウェットでテクニカルなチームTTは今まで走ったことがないね。昨日も今朝も雨の降るなかチームはトレーニングに出かけたんだ。だからこういう状況がよく分かっていた。雨でもチームは皆このレースをうまく走るためにトレーニングしたがったんだ。天候は関係なかったよ。このチームの一員でよかった」。

2位は11秒差でモビスターチーム。TTの得意な選手は少ないにもかかわらずアンドレ・ダウセット(イギリス)が強力に牽引した。3位は16秒差でBMCレーシングチーム。カデル・エヴァンス(オーストラリア)は総合を狙う選手たちの中ではもっとも成功した選手と言えそうだ。

モビスターは2位と大健闘 雨の降り続く中走ったチームタイムトライアルモビスターは2位と大健闘 雨の降り続く中走ったチームタイムトライアル (c)CorVosエヴァンス、フィニー率いるBMCレーシングが3位と好発進エヴァンス、フィニー率いるBMCレーシングが3位と好発進 (c)CorVos


4位と健闘したキャノンデール4位と健闘したキャノンデール (c)CorVos2012年の優勝チームのオリカ・グリーンエッジは6位に終わる2012年の優勝チームのオリカ・グリーンエッジは6位に終わる (c)CorVos

総合争いのビッグネームの選手たちの差という視点で見れば、ディフェンディングチャンピオンのヴィンチェンツォ・ニーバリと、注目の若手モレーノ・モゼール(共にイタリア)擁するキャノンデール・プロサイクリングは19秒遅れの4位につけ、エヴァンスに対して4秒の遅れにとどめた。
スカイプロサイクリングは25秒遅れの7位。クリス・フルーム(イギリス)はニーバリに対し+5秒。
サクソ・ティンコフは29秒遅れの8位。アルベルト・コンタドール(スペイン)はフルームに対し+7秒。
カチューシャは44秒遅れの13位。ホアキン・ロドリゲス(スペイン)はコンタドールに対し+15秒。
1分6秒遅れの最下位・22位に沈んだエウスカルテル・エウスカディ。サムエル・サンチェス(スペイン)はロドリゲスに対し+22秒。
アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード)はチームから遅れを取り、いまだ調子を取り戻していないことを露呈した。

コンタドールは言う「このレースの勝敗は秒差で決まることは知っている。でもまだ始まりでしかないさ」。
ロドリゲスは言う「正直言ってもう少しいい結果を期待していた。最初のコーナーでミスをして悪いスタートを切ってしまった。チームは何度か分裂してしまい、パオリーニとクチンスキーの2人の選手を失ってしまった。ともかく落車だけは避けることができた。次からのステージで何ができるか考えるよ」。

シャンパンファイトで歓喜するオメガファーマ・クイックステップシャンパンファイトで歓喜するオメガファーマ・クイックステップ (c)CorVosリーダージャージのマリアアッズーラを着たマーク・カヴェンディッシュリーダージャージのマリアアッズーラを着たマーク・カヴェンディッシュ (c)CorVos


第2ステージはサン・ヴィンツェンツォ〜アレッツォの232km。まったくの平坦ステージで昨年はマーク・カヴェンディッシュが勝利している。すでに絶好調のアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)とのシーズン最初のスプリントマッチに注目が集まる。


ティレーノ〜アドリアティコ2013第1ステージ チームTT
1位 オメガファーマ・クイックステップ 0h19’24”
2位 モビスターチーム +11”
3位 BMCレーシングチーム +16”
4位 キャノンデール・プロサイクリング +19”
5位 アスタナ +20”
6位 オリカ・グリーンエッジ +24”
7位 スカイプロサイクリング +25”
8位 サクソ・ティンコフ 29”
9位 ランプレ・メリダ +35”
10位 レディオシャック・レオパード +36”
11位 ブランコ +37”
12位 ネットアップ・エンデューラ +39”
13位 カチューシャ +44”
14位 アルゴス・シマノ +51”
15位 ロット・ベリソル +55”
16位 ガーミン・シャープ +57”
17位 MTNキュベカ +01’00”
18位 FDJ +01’02”
19位 ヴァカンソレイユDCM  +01’04”
20位 アージェードゥーゼル +01’05”
21位 ヴィーニファンティーニ +01’06”
22位 エウスカルテル・エウスカディ


photo:CorVos
text:Makoto.AYANO

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